俺の調教開発では美しい兄を飼犬にはできない

大田ネクロマンサー

文字の大きさ
4 / 25

第4話 兄の抵抗※

しおりを挟む
「兄さん、今日も一緒に寝よ?」

 風呂からあがり、一度自分の部屋に置かれた買い物袋を下げて、兄の部屋に訪問した。ドアにもたれかかりしばらく背中を見つめていたが、兄はこちらを振り向きもせず無言を貫いている。兄が座る机まで歩いていくとレポートらしきものをパソコンで打っていた。

「兄さん、勉強忙しい?」

 買い物袋に入れていたペットボトルのコーヒーを机に置いた。しばらく後ろから兄の艶かしい首を見ていたが、兄は俺も、ペットボトルにも気をとめず黙々とパソコンを打っている。

「夜、髪の毛ちゃんと乾かさないと風邪ひくよ」

 夜、そう呼んだ時に兄の肩が少し動いた。自分の肩にかけていた乾いたタオルを兄の頭に乗せ髪の毛を包もうと手を伸ばした瞬間、兄にタオルを引き抜かれ床に落とされた。そのタオルを眺めながら俺は夜にそっと抱きつく。さっきから鈍く艶かしく光る首筋に唇をつけた。

「やめて……気持ち悪い……」

 その言葉を聞く視線の先にさっき振り落とされたタオルがある。視覚も聴覚からも拒絶を告げられ逃げ場のなくなった俺は、脇に手をねじ込んで強引に立ち上がらせる。

「やめてって……!」

 突然大声を張り上げた夜の口を慌てて手で塞ぐ。その手を剥がそうと手を掴もうとした夜の片手を後ろから引っ張り、揉み合いながらベッドに押し倒した。夜はなおも抵抗し背筋で上体を上げて何かを叫ぼうとする。慌てて夜の頭を押さえつけベッドに沈めた。耳元で夜に囁く。

「夜は俺の居場所を奪いたいの? 兄さんはずるいよ」

 少し夜が動きを止めた隙に上着の裾から服をまくり上げる。ボタンがいくつか飛んだが襟元のボタンが外れない。服を掴んで夜をひっくり返し、腹の上に座った。両膝で夜の両腕をベッドに縫い付け、夜が屈辱で歪めた顔を見ながら外れなかったボタンを手でゆっくり外す。足をバタつかせたら膝で腕を強く踏みそれを静止させた。ボタンが外れたら勢いよく服をたくし上げ昨日と同じように服で夜の手を縛りつけベッドに固定する。縛りつけている時に目があったが、抵抗をやめたことと、睨みつける目に恐怖の色がないことで、俺は少しだけいいように錯覚してしまう。でもそれは下を脱がした時自分だけに都合のいい勘違いだったとわかった。

「夜、お風呂で抜いてきたの?」

 しばらく咥えたり摩ったりしても反応がなかった。よく頭が回ると感心する一方、そんなにしてまで俺との関係を終わらせたいのかとも思う。

「昨日のこと考えながらしてくれたの?」

 夜の頬を包みながら優しく問うが、硬く口を噤み俺を見ないように一点を見つめていた。うれしい、そう言いながら唇の端にキスをして、ベッドの横に転がしていた買い物袋から用意していた道具を取り出す。

「灯……なにしてるの……」

 ガサゴソと用意を始める音に夜は不信感を抱き恐る恐るこちらを見る。

「夜が抜いてくれたから、嬉しくて。もう少し後にやろうと思ってたこと始めるね」

「なにをするの!」

「夜、大きな声出さないで。怖いことしないから、ね?」

 ようやくこっちを向いた夜に軽くキスをして、舌を入れようと口をこじ開けようとするが、夜はまた横を向いてしまう。

「気持ち悪いって言ってるでしょ……!」

 吐き捨てられた言葉が胸に投げ込まれて、溺れたように息ができない。上を向いて息を2、3回吐き出し息苦しさをやり過ごした。

「ご、ごめん……もうしないから……」

 その言葉に夜がこっちを向いた気がしたが、顔を背けたからわからない。余計なことを考えると涙が出そうだったから、夜に快楽を与えることだけに集中する。

 買ってきた薄手のゴム手袋に手を通し、そこに潤滑剤を垂らす。そしてそのままゆっくり夜の後ろの窄まりを指で撫でた。

「い……嫌ぁ……!」

 なにをされるのか感触で理解したのか夜は自由の利く足で俺の胸を本気で蹴る。ベッドから落とされまいと少し前屈みになったところで夜の足が顔面に命中した。体を蹴られるのと違い、顔は耳が近いからすごい音のように聞こえる気がする。

「夜、危ないよ。歯に当たったら夜も怪我するよ?」

 夜の足が止まる。抵抗がなくなったので、夜の足を左手で掴んだ。

「本当に抵抗するときは、ここ」

 そう言って俺の股間に夜の足をあてがう。そして、ここ、と説明しながら鳩尾と顎の順に足をあてがった。ちょうど顔の前に綺麗な足があったので、指の付け根から指を咥えて丹念に舐めた。

「もう……いや……」

 か細い声が聞こえたので、足を戻して夜の方に上体を倒した。

「夜、言葉だけじゃダメだからね。さっきの順番が効きやすい……」

「灯……!」

 その悲鳴のような声で夜の腹にボタボタと鼻血を垂らしていることを認識する。夜は血を極端に怖がる。

「ご、ごめん……ちょっとまってて……」

 急いでベッドを降りてティッシュを掴み、夜にかけてしまった鼻血を拭き取る。拭いてる間も夜の腹に血を落としてしまい、慌てて自分の鼻をおさえる。

「ごめんね……夜……怖くないからね……さっき教えたところは血は出ないから思いっきりやってね……」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

【完結】弟を幸せにする唯一のルートを探すため、兄は何度も『やり直す』

バナナ男さん
BL
優秀な騎士の家系である伯爵家の【クレパス家】に生まれた<グレイ>は、容姿、実力、共に恵まれず、常に平均以上が取れない事から両親に冷たく扱われて育った。  そんなある日、父が気まぐれに手を出した娼婦が生んだ子供、腹違いの弟<ルーカス>が家にやってくる。 その生まれから弟は自分以上に両親にも使用人達にも冷たく扱われ、グレイは初めて『褒められる』という行為を知る。 それに恐怖を感じつつ、グレイはルーカスに接触を試みるも「金に困った事がないお坊ちゃんが!」と手酷く拒絶されてしまい……。   最初ツンツン、のちヤンデレ執着に変化する美形の弟✕平凡な兄です。兄弟、ヤンデレなので、地雷の方はご注意下さいm(__)m

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…

月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた… 転生したと気づいてそう思った。 今世は周りの人も優しく友達もできた。 それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。 前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。 前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。 しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。 俺はこの幸せをなくならせたくない。 そう思っていた…

言い逃げしたら5年後捕まった件について。

なるせ
BL
 「ずっと、好きだよ。」 …長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。 もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。 ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。  そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…  なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!? ーーーーー 美形×平凡っていいですよね、、、、

処理中です...