貴方の隣で私は異世界を謳歌する

紅子

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タルの街

初めての街歩き

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そこにいたのは、全く見覚えのない、間違うことなく可愛い女の子だった。

こんな顔だったか?もっとこう、のっぺりな普通顔じゃなかったか?
うーん、わからない。 

ガルは、鏡を覗いて、百面相をしているわたしを不思議そうに見ていた。

「どうした、自分の顔とにらめっこして」

気の抜けた質問が届く。

「ん?こんな顔だったかと思って」

「そうか、顔も覚えてなかったんだな」

少し気の毒そうな声だ。覚えていないと言うよりは、見覚えがない感じだ。初めまして、が正しそう。

「うん。まぁ、いいや。お腹すいた。ご飯にしよう♪」

「いいのかよ」

ガルは、ガックリと脱力していた。









次の日の朝、やっぱり、ガルにがっちりと捕まって寝ていた。これについては、昨日の夜諦めた。どこで寝ようと、ガルが隣に来て捕獲していくのだ。

「ガル、起きて!」

ベシベシと叩き起こす。今日は、ここに来て初めて、街を案内してくれると約束した。市場に行って、何がいくらで売っているのか?市場調査だ。うまいことガルの拘束から抜け出て、ダイニングで朝食に取りかかる。

「ガル、ご飯の用意できたよ」

ダイニングから声を掛けるが起きてこない。仕方なく、ひとりで食べ始める。


食べ終わってもまだ寝ている。
朝市も始まっている時間だ。このままガルが起きるのを待っていたら、朝市が終わってしまいそうだ。

そこで、寝室の扉を開けて宣言した。

「ガル、起きないみたいだからひとりで行くね」

クルリと踵を返そうとしたが・・・・、足が宙に浮いていた。

何が起きたのか?

一瞬のことでビックリしたが、なんの事はない、ガルがわたしを抱き上げてたのだ。

えっ、さっきまでぐっすりだったよね?何その早業?残念すぎるわぁ。

「ひとりなんて、危ないから駄目だろ」

ムゥ!じゃあ、早く起きてよ!!!!

ぷんぷんするわたしを抱えて、ガルは、ダイニングへ降りていった。




そして、やっと、やっと、やって来ました!

ガルに抱っこされてはいるが、賑やかで活気があって、なんだかワクワクしてくる。野菜を売る人、肉を売る人、果物を売る人、パンや雑貨、服なんかも売っている。



ちなみにお金の単位は、ゼニー
銅貨  1枚・・・・1ゼニー
大銅貨1枚・・・・10ゼニー
小銀貨1枚・・・・100ゼニー
中銀貨1枚・・・・1000ゼニー
大銀貨1枚・・・・10000ゼニー
これ以上は、一般には使われない。大商人や貴族、王族、皇族が使うらしい。


金貨  1枚・・・・10万ゼニー
大金貨1枚・・・・100万ゼニー
白金貨1枚・・・・1000万ゼニー
となっている。


キャベツ1玉が小銀貨1枚
あの固いパンが1個大銅貨5枚
小麦が一番小さい袋5㎏くらいかな?が中銀貨1枚
木のコップ1個  大銅貨1枚

それに比べて、陶器のコップになると中銀貨5枚~
子供服は、中古だと大銅貨5枚~だが、継ぎ当てが酷い。比較的綺麗だと小銀貨8枚くらいだ。新品は、子供服でも大銀貨1枚~だ。

そう考えると、昨日もらった服は、とてつもなく高いのでは?考えるだにおそろしい。ちなみに朝いつもの服を着ていたら、ガルにあのフリフリに着替えさせられそうになった。なんとか、刺繍のワンピースを勝ち取ったが、いつか着ないとダメなんだろうな、ハァ。

「欲しいものは、見つかったか?」

「特にないよ。あっ、鶏肉は欲しいかな。あと、紅茶とか」

「・・・・、まぁ、いい。他には?服とか靴とか鞄とか、あるだろう」

わたしは「うーん」と考える。

「そうだ!マジックバッグって高いの?」

「いろいろだな。容量にもよるし、機能にもよるが、安くはないな。欲しいのか?」

「要らない。作れると思うからバックだけ欲しい」

「はっ?」

「だから、普通のバッグが欲しい」

「そ、そうか。どんなのがいいんだ?」

「腰に巻いておけるやつか背中に背負えるやつ」

「じゃあ、見に行くか」

「うん!」

どこで買えるか、お店の場所くらいは知っておきたい。

朝市で鶏肉などを買い込み、その後鞄屋さんまでゆっくりとガルが・・・歩く。大通りから1本通りを入ると比較的小さな店が並んでいて、入りやすそうな感じだ。大通りは、老舗の大きな店とか高級な感じの店ばかりで、入りづらさ100%だ。その中の1軒に入るとそこには、革製の鞄がたくさん置いてあった。大きなゴツい鞄から小さな可愛らしい鞄まで豊富な品揃えだ。だが、リュックタイプはない。

そのうちに作ってもらいたいなぁ。

「どれにする?」

「えっ、食材たくさん買ってもらったし、今日は、わたし、お金持ってないから買わないよ」

ガルは、ちょっとムッとしている。

「そのくらいは、遠慮するな!リールに何言われるかわからんぞ」

はっ!そうだ・・・・。
その通りだよ。買わなかったわたしまで叱られそうだ。

「あー、じゃあ、これがいい」

丈夫そうな一番小さいウエストポーチを選んだ。これなら、腰にしていても邪魔にならなそうだ。ウエストの紐も調整できる。

「よし。おーい、これをくれ」

そして、わたしたちは、お互い満足して家に帰ったのだった。






そして、件のマジックバッグだが、出来てしまいました。錬金術と空間魔法の合わせ技で・・・・。

容量は、オークなら50000体くらい。
そして、時間停止付き。

たくさん入って保存が効くといいなぁ、とか考えながらやったのが不味かった。


なんか、やっちゃった感が半端ない。ガルも頭を抱えている。

「どうしたら、そうなるんだ?普通のやつじゃなきゃ、外で使えんだろうに。作り直しは・・・・できないのか。ハァ、どうして、狙われるようなことばっかりするんだ?」

後半は、呆れ顔だった。

「行く前に買い直して、もう一度作り直せ。今度は、普通のにしろよ。それは、俺が使う」



どうも、すいませ~ん。
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