貴方の隣で私は異世界を謳歌する

紅子

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タルの街

一件落着?

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ガルドを目に止めると、4人は、幽霊でも見たかのように、顔を引きつらせた。

「おま・・・・おまえは、あのときの!」

「生きていたのか・・・・」

「そんな・・・・」

「!」

青い顔は白く代わり、4人は力なくそこにへたりこんだ。

「俺は、悪運が強いんだよ」



「全員捕縛しろ!」

俺は命令が飛ばした。

「「「「「「はっ!」」」」」」

男たちバカたちは、呆気なく拘束具を嵌められていく。どうやら、個人の実力は、限りなくEに近いDだったようだ。ギルドカードの履歴の大半は、冒険者たちから奪ったものだったようだ。

「さて、奪ったものを全部だせ」

「何のことだ?」

この期に及んで、シラを通そうとする。

「フフ、別にいいんですよ。詰め所には、今頃、真実の水晶が現れているでしょうから。それに、あなたたちが毒を盛った相手は、S級の冒険者です。これがどういう意味か判りますね」

そう、この世界は、犯罪に厳しい。
通常女神は、この世界に関与しないが、犯罪は別だ。皇族・王族・貴族はもちろん、力を持つ一般市民も犯罪に関して嘘はつけない。嘘をつけば、力を封じられる。冒険者ならそのランクをC級程度にまで落とされる。もちろん、それに伴うMPやHP、スキルのレベルもだ。そして、犯罪者を捉えると、最寄りの詰め所などに真実の水晶が出現する。対象者は、何処にいてもほとんどの力を奪われ、無実が立証されるまで、元には戻らない。逆に言えば、捕まらなければいいのだ。

男たちは、ガックリと項垂れた。既に力は封じられただろう。まあ、そのままでも、たいしたことはないが。

「連れていけ!」

「「「「「「はっ!」」」」」」

この後、詰め所に連れていかれた男たちは、真実の水晶のを目の当たりにして、自分達のおかした罪を洗いざらい白状した。








わたしは、盗み聞きをとめた。
なんとなく、新しい魔法を取得した気がする。

(鑑定!)

レベルは5→8になり、スキルも遠聴が増えている。

まずい・・・・。

(隠蔽!)

ヤバそうなのは、隠すべし!


安心して何事もなかったように並べたお菓子と飲み物を摘まんでいると、そこへ、三人が戻ってきた。なんだか3人からウロンな視線を感じる。

「シャナ、おとなしく・・・・・と言っておきましたよね」

黒い笑顔のリールさん、怖い・・・・。

「ああ、大丈夫だとも言ったな」

これは、ガル。こちらも笑顔が怖い。

「何したんだ?」

ザラムさんは、呆れた顔だ。

「・・・・、何もしてないよ・・・・」

3人からそっと視線をはずす。リールさんは、わたしの頬をつねった上にグリグリしてくる。

「上から魔法の発動を感じました。何をこそこそとしていたんでしょう?」

眉を上げてふたたび問う。そして、つねった頬を横にビヨーンと引っ張ってきた。

「いひゃい、いひゃい。話しゅかりゃ、ひゃめて」

涙目で、ギブアップだ。解放された頬を手で優しく包みスリスリする。3人が視線で早く話せと、威圧してくる。子供相手に~・・・・、とむっつりと眉間に皺を寄せて見上げると、笑顔が深まる。

怖い・・・・。

「・・・・してました」

「「「・・・・・・」」」

圧力が・・・・。

「盗聴してました!だって、どうなるか、知りたかったんだもん!」

もう、やけくそだ。スキルを隠蔽した意味ないじゃん!3人を見ると呆れ顔だ。

何してると思ってたの?!失礼な!

「ハァ、何をしているかと思えば・・・・。今日はもう子供には遅い時間ですし、明日にしましょうか?」

「「ああ」」

ふたりとも疲れたように同意する。

「明日の午前中は、・・・・、忙しそうですね。午後1の鐘にしましょう」

「そうだな。午前中は、今日の後始末と諸々だ。その方が有り難い」

「わかった。シャナ、帰るから机の上、片付けろ」

そして、わたしはマントのなかに入れられて、再びガルの家に帰ったのだった。

一件落着!






ふたりが帰った後、リールと俺は、これからのことを話し合っていた。

「明日、後見人の申請をするんだな?」

「ええ、シャナと話をしたあとエルフの国への登録申請と同時に後見人の申請をします」

「家はどうするんだ?ガルドのところは、狭いぞ」

「そうですね。新しく買いますか。それよりもあなたは、良かったのですか?」

「何がだ?」

「とぼけないでください。後見人の件ですよ。騎士団長から戻ってこいとせっつかれているのでしょう」

「それを言うなら、お前もだろ。皇都のギルマスの打診をずっと受けてるじゃないか」

「私はいいんですよ。皇都のギルマスなんて、面倒事が増えるだけです」

「俺だってそうだよ。騎士団長が元気なうちは、働いてもらわねぇとな」

「副騎士団長がそんなんでいいんですかねぇ」

「問題ないだろ。騎士団長なんて、それこそ書類漬けだ。ごめん被る」

「あなたには、まだ無理ですね」

俺達は笑いながら拳を合わせた後別れた。





その頃、わたしとガルは、リールさんからもらったものを出していた。そう、あの女の子に必要なものと言って渡されたものだ。ガルは、楽しそうに広げているが、わたしは、若干引きぎみだ。


なぜなら、そこに入っていたのは、
・フリフリのピンクのワンピース
・フリフリの黄色のワンピース
・フリフリの青いワンピース
・刺繍が盛りだくさんの手の込んだピンクのワンピース
・刺繍が盛りだくさんの手の込んだ黄色のワンピース
・刺繍が盛りだくさんの手の込んだ青いワンピース
・ワンピースに合わせたヘッドドレスや髪飾り
・ワンピースに合わせた靴やブーツ
・シルクのロングパジャマ×3
・普通の肌着×4
・フリル付きのカボチャパンツ×4
・フリフリの靴下×4
・櫛
・手鏡



盛り沢山。
もっとシンプルワンピースかズボンがよかった。わたしがこれを着るのはちょっと・・・・。受付嬢は、なんでこれを選んだんだろう?謎だ。

が、ガルは、わたしに着せる気満々だ。

「これも似合いそうだな!おっ、こっちも良さそうだ!」

嬉しそうに、楽しそうにわたしに当ててくる。

「明日は、これか?いや、こっちの方が・・・・」

マジですか?着るんですか?これを、明日?
迷わなくても、今日のでいいよ。

「ガル、明日は、今日と同じで「ダメだ」」

被せてまで、言うか!

「折角、リールにもらったんだ。着て見せてやらないとな!」

そんな得意気に言われても・・・・。
でも、そうだよね。もらったんだし、着ないとね・・・・。
トホホホホ・・・・。

手鏡を手に入れたことで、漸くわたしは、自分の姿をみることができた。

長く黒い髪
ラベンダーの瞳
少し垂れ気味の目
低くも高くもない調った鼻
さくらんぼのような可愛らしい口
ひょこんと髪からでたとがった耳がエルフだと主張している。

将来、美人になること請け合いだ。



・・・・・・。
誰だこれ?
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