貴方の隣で私は異世界を謳歌する

紅子

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新しい人生の始まり

魔法のこと

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「そこまで、話してくれたと言うことは、昨日の提案を受け入れると取っていいのですよね?」

「うん。今のこの子供の身体じゃ、ひとりでは生きていけないもん」

無意識だったが、またしてもリールさんは気づいたようだ。

「前は、違っていたと?」

「あっ・・・・、うん。前は、大人で働いてたよ、たぶん。その辺はよく覚えてないの。一般的なこと?というか、知識はあるけど、個人的なことは、曖昧な感じなの」

「ここではないところでの貴方のことを話せますか?」

コクン。

「えーと、わたしのことは殆ど覚えてないの。大人だったし、こんな顔じゃ無かったと思う。両親はいたと思うけど、兄弟はわからない。ここに来たのは、たぶん、トラック・・・・、馬車みたいなのに轢かれたからかな?向こうの世界でわたしがどうなったかはわからない。あとは、・・・・、料理とか医療、政治・経済の仕組みは、識ってるよ」

みんな、驚いた顔をしている。

「馬車に轢かれたのか!?」

「うん。たぶん?」

「怪我はないのか!?」

「起きたときは、どこも怪我してなかったよ」

怪我がないと聞いてみんな、ホッとしたようだ。

「医療と政治・経済の仕組みを教えてください」

リールさんは、目を輝かせて興味津々だ。わたしは、自分が識っていることを思い出しながら、医療・政治・経済の順になるべく詳しく話した。

「素晴らしいですね!人体の構造など考えたこともありませんでした。それに、特許というシステムは見倣いたいものがあります」

ガルとザラムさんは途中で離脱した。難しくて理解を諦めたようだ。ただ、リールさんだけは、わたしに質問を繰り返し、素晴らしい!と興奮を押さえきれないようだった。この剣と魔法の世界で、見たこともない世界のことが理解できるのが凄いよ。でも、リールさんって、なんで冒険者なんてしてるんだろう?研究者とかの方がよほど合ってると思うんだけど。不思議な人だね。

「先程、シャナのいた世界に、魔法はない、と伺いましたが、今のシャナは使えますよね?魔力量はどのくらいでしょう?鑑定してみても?」

「・・・・、うん」

大丈夫だよね?

「鑑定!」

リールさんも声に出して使ってくれた。みんなに分かりやすくするためだろう。





名前   シャナーリエ
種族   エルフ
年齢   40歳
職業   無職

レベル   8

HP   100
MP   75

属性   
全属性 (火+・風+・水+・土+・雷・光+・ 闇+)

スキル   
鑑定・生活魔法・マップ ・索敵・隠密・鍛冶 ・ 木工細工・付与魔法 ・ 調合・錬金・平行思考・空間


複合スキル   


特殊スキル   


称号   






「シャナ、すべて表示しなさい」

何故かおバカさんを諭すように言った。

なぜ、バレたー!

「なぜ、バレたかと思っているでしょう?」

ため息混じりに聞いてくる。

うっ、コクン。

「表情を見れば判ります」

「・・・・」

「ステータスがあまりにもデタラメすぎるんですよ。それに、スキルレベルもないですし。これでは、疑ってくれと言っているようなものです。ハァ、努力は認めますが、もう少し上手になりましょう。こちらの常識から教えなければなりませんね」

うーっ、こっちの常識なんて、解らないよ!

さっさと、隠蔽と偽装を解いた。

(隠蔽解除!偽装解除!)

「これで表示されるよ」

またしても、ふたりは驚いている。ガルは、ため息を吐き諦めな感じだ。

今度はなんなのさ!

「ハァ、無詠唱で魔法は使えないのですよ?小さい子でも知っている常識です。慣れれば、詠唱自体は短縮化できますが、無詠唱での発動は、聞いたことがありません」

バッとガルを見る。

「なんで教えてくれなかったの~!!!!」

「いや、教える隙がなかったというか・・・・実際使えてるし便利そうだからいいかなって。その、悪かった」

これは、絶対にガルのせいだ!と八つ当たり混じりに、ムッとした顔で胸をぽかぽかと拳で叩いておく。全然痛そうじゃないけどね!

ああ、本当にこちらの常識を早急に手に入れなければ!どこでボロが出るか、予想もできない!

「そこは、使い分けてくださいね」

出来ますね?とばかりに笑顔で脅されるし。そういえば、さっきから、ザラムさんが一言もしゃべっていない。

「ザラムさん、大丈夫?」

急に話しかけられ少し慌てたようだ。

「ああ、大丈夫だ。俺のことは、気にしなくていい。いつもこんな感じだ。ありがとな」

笑って答えてくれる。

あー、何となくわかる。
ニッコリと笑って、頷いておいた。
なんか、和むわぁ。

「鑑定!共有!」

再びリールさんが鑑定を発動する。今度は他のふたりにも見えるようにしたようだ。





名前   シャナーリエ
種族   エルフ
年齢   40歳
職業   無職

レベル   8

HP   520
MP   ∞

属性   
全属性 (火+・風+・水+・土+・雷・光+・ 闇+)

スキル   
鑑定・生活魔法・マップ ・索敵・隠密・鍛冶 ・ 木工細工・付与魔法 ・ 調合・錬金・平行思考・隠蔽 ・ 偽装 ・遠聴・空間

複合スキル   
マップ(マップ-索敵-鑑定)
料理(料理-鑑定-錬金)
調合(調合-鑑定-錬金)
マジックバッグ(空間-錬金)


特殊スキル   
魔法創造・複製・料理・インベントリー  


称号   女神の愛し子・※※※より戻りし者・古の薬術師 ・ガルドラムの番




誰も言葉を発しない。妙な緊張感にわたしも声を出せない。


「シャナ、この※※※のところも表示してください。それと、スキルレベルもです」

リールさんが静かに要求する。

「スキルのレベルって何????それに、※※※なんてないよ。どこのこと?」

「女神の愛し子のあとです」

「えっ、表示されてるよね。※※※から戻りし者」

「今なんと言いました?」

「だから、※※※から戻りし者、って・・・・。なに?」

「どうやら、その部分はシャナにしか見えないし、私たちには聞こえないようです。女神様の力が働いているのでしょう。わたしたちが知るべきではないということですか・・・・。ここではないところ、という意味のことばですね?」

「うん」

「そうですか。スキルレベルがないなんて、初めてのケースです。全て、レベルマックスだから表示する意味がないということでしょうか?ですが、わたしたちは、表示されてますよね?・・・・」

そういうと、リールさんは自分の思考に沈んでいった。

頭のいい人は、よく分からないね。






暫くリールさんを待ってみたが、一向に戻ってこないので、しびれを切らしたザラムさんが聞いてきた。

「この複合スキルってやつは、初めて見るな。どんなのだ?」

「ああ、それは、わたしも気になります」

思考に沈んでいると思っていたリールさんが、普通に話に入ってきた。

びっくりしたぁ。

「それは、スキルを組み合わせたやつだよ。ガルも使えた」

ふたりは、ガルに説明を求める。

「ああ、昨日、使っただろう。探知と魔力感知をあわせたやつだ」

「おお、あれか!あれは便利だよな。どうするんだ?」

ザラムさんは興味津々だ。

「えっとね、まず、メインになるスキル名と次に合わせたいスキル名を言って、複合!て唱えると新しく複合スキルが増えるの」

「・・・・簡単ですね」

「ああ、簡単だな」

「でね、発動するときは、“複合スキル メインスキル名”でできるよ」

楽しくてニコニコと教える。

「ほぉ、合わせるスキルはいくつでもいいのですか?まあ、やってみましょう」

ふたりはぶつぶつと呟いて、複合スキルを創っている。

「マップ、索敵 複合!」

「複合スキル マップ!」

「おー、できたぞ!こうなるのか。緑の点が出てきたな」

「それは、敵じゃないってことで、敵だと赤くなるよ」

「そこまでわかるのか!便利だな」

「マップ、索敵、鑑定 複合!」

「複合スキル マップ!」

「ほお、こうなるんですね。ですが、これだと鑑定が働いてない感じですか?」

リールさんは何やら検証までしているようだ。待っていたら、いつまでも終わらなそうだ。

「やり方は、わかったでしょう。あとは、自分でやってみて。不要になったら、“複合スキル スキル名 消滅!”で無くなるよ」

「そうですね。続きは、またにして、話を続けましょう」

「そうだな」

ひとつできたことで、納得したようだ。
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