貴方の隣で私は異世界を謳歌する

紅子

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新しい人生の始まり

規格外れ?

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宣言どおり、午後からは、わたしの実力を計るために、森にに来た。

ザラムさんとも途中で合流。
部下の人たちが、「あー、また森か」、「ここんとこ、行けてなかったから」、「しっかり発散してきてくれるといいな」、「ああ、俺たちのためにもな」と不穏なことを呟いていた。




「この辺でいいでしょう。シャナ、周りから見えないように結界を張れますか?」

「できれば、こちらからは、外の様子がわかるといいのですが・・・・」

ぼそりと付け加えた。

「わかった。やってみるね」

シャナには、その呟きも聴こえていた。




ん~、つまり、マジックミラーみたいにすればいいんだよね。外側は鏡じゃまずいから、半透明な半球体にしようかな。大きさは、この場所より少し小さめで、強度は、隕石が降ってきても大丈夫なくらい。
こっちの生き物って強いんだもん。


よし、
「結界!」


ふわんと透明・・な大きな結界が出来上がった。

3人とも目を見張っている。
特にリールさんは、頭を抱えてしまった。

「シャナ、なぜこの大きさにしたのですか?それに、外からこちらが丸見えですよ。やはり、難しかったですか」

「えっ、小さかった?それに、外からは、半透明に見えてるから中は見えてないはずだよ」

「違います。大きすぎるんです!誰か外から確認が必要ですね。一度消してください」



そう言われて、すぐに結界を解いた。


「ザラムとガルドは、少し離れて結界の中に入らないようにしてください。外からこちらが完全にみえないのか、声が聞こえるのかどうかを確認します。では、シャナ、もう一度、今度は、ザラムとガルドのいる場所よりも小さく、中が見えないように、できれば、声も聞こえないように。そうですね、こちらからは、外が見えるように、外の声が聞こえるように。では、どうぞ」


さっきより、条件増えてるよ・・・・。 




「結界!」


先程と同じような半透明の半球体が出来上がった。さっきよりもかなり小さい。


「どうかな?」

「大きさは、いいでしょう。やはり、こちらからは、透明に見えますね。向こう側は、どうなんでしょう?」


外からは、声が聞こえてこない。



失敗かな? と思っていたら、「すげーな。本当にこっからは、中が見えねぇ」とザラムさんの声がした。そして、拳で結界をガンガンと殴っている・・・・。オイオイ。



こっちから、外に呼び掛けてみる。

「ガルゥ、聞こえる~?」

ガルの目の前で呼んでみたが、なんの反応もなく、その場から移動してしまった。


「!本当に聞こえなていないようですね」

ビックリ眼で呟くのが聴こえた。

えっ、そうしろって言ったの、リールさんだよね?

「シャナ、これは言われてすぐにできるものではないのですよ」

今度は、わたしがビックリだ!

「自分の非常識さを自覚してください!!!」

酷い!



そのとき、外から声が聴こえた。

「おーい!ザラムさんとガルドさんじゃないっすか!こんな森の浅いところで何してるんっすか?」

「リールの魔法の検証に付き合ってるだけだ」

「この半透明のって、リールさんの魔法すか!凄いっすね。で、リールさんはどこなんすか?」

「この中だ」

ザラムは半透明の球体を指差す。

「へぇ、って、なんすか、これ?」

「結界だよ。強度の検証中」

「あっ!それで、ザラムさんがいるんすね。俺も興味あるっすけど、これから依頼なんすよね。頑張ってくださいっす、じゃ!」




「誰だ?」

「えっ、あいつ、ザラムにも声かけてたよな?」

「あー、門で会ったり、森で会ったりはするからな。名前は知らん」

「ハァ、あいつは、フィリポ。B級の冒険者だ。普段は、パーティーで依頼を受けてるんだが、あいつは薬草の採集も上手くて、暇だとソロで依頼を受けてる」

「詳しいな」

「いやいや、ザラムが知らなさすぎるだけだろ。なぁ、この会話も聴こえてるんだよな?」

「あ?あー、たぶんな。それより、ちと、攻撃してもいいか?見た感じかなりの強度だと思うぞ」

でたよ、脳筋発言。
俺には、いいともダメとも言えねーよ。


って、言ったそばから攻撃するなよ!
しかも、最初から全力はヤバすぎる!


そう、俺がちょっと迷っている間に、ザラムは攻撃を始めてしまった。それも徐々に攻撃力を上げるのではなく、いきなり、全力で。

止めるには遅すぎた。


ザラムの渾身の攻撃で周りは爆煙がたちあがる。俺は、攻撃と同時にあたりに被害がいかないように咄嗟に結界を張るのが精一杯だった。俺は、攻撃専門で後衛は得意じゃない。結界を張れただけでも誉めてもらいたい。



結界の中から、不穏な気配が漂ってくる。
それに、いち早く気づいたザラムだが、逃げ道は何処にもなかった・・・・。



「いきなり全力で最上級魔法を打ち込んでくる人がありますか!今回は、ガルドの咄嗟の結界と、シャナの結界が異常なほど頑丈でしたから良かったものの、こんな浅い森の中で使う魔法ではありません!脳筋にもほどがありますよ!シャナが怖がって震えてたんですから!」



これは、怒られても仕方ないと思う。外の会話は聴こえてたけど、いきなり攻撃してくるんだもん、本当に怖かった。泣くかと思った。咄嗟にリールさんが中で更に結界を張って、腕の中に庇ってくれたけど、腰抜かすところだったよ。

「すまん。シャナ、怖い思いをさせてすまんかったな」

「本当に怖かったんだから!ザラムさんにはお仕置きをします」

「わ、わかった」

「リールさんも手伝ってね♪」

ザラムさんが、げっ!という顔をしている。

「いいですよ。でもシャナ、リールさん、ではなくて、リールです。さん付けは他人行儀に聴こえます。もしくは、リールパパ。・・・・、こっちのほうが、関係性がよくわかっていいですね」

はっ?

あまりにも予想外すぎて、思わず、目を見開いてしまった。しかも、その笑顔には、逆らえません。

もう、やけくそです。言ってあげましょう!

「りーうぱぱ・・・・」

ちくしょー!なぜ言えない!
恥ずかしさを捩じ伏せて絞り出したのに!

3人は、というと、可愛くて可愛くて可愛くて・・・・、顔が弛むのをなんとか取り繕っていた。




「りーうぱ・・・・、りーうぱ・・・・、りーぱぱ」

これでいいだろう、かんべんしてくれという思いを込めて、ニッコリと笑って、りーぱぱを見た。そこには、表情を繕いきれないにやけ顔の3人がいた。

「シャナ、俺もぱぱって呼ばれたい」

「いいよ、ざらんぱ・・・・・・、ざらぱぱ」

ここは、笑顔で乗り切ろう!

舌が回らず、適当に省略したがふたりも気に入ってくれたようなので、よしとした。

魔法より疲れたよ。



さて、ざらぱぱにお仕置きです。どんなお仕置きにするか?りーぱぱと相談です。ガルは、巻き込まれないように少し離れたところに避難している。うん、正しい選択だと思う。

「シャナ、どうするつもりですか?」

「フフフ、人間洗濯機♪」

「なんですか、それは?」

「結界にざらぱぱを閉じ込めて、程よい水で満たして、結界をぐるぐる回すの。あっ、鼻とか耳に水が入らないように、顔だけ、結界で覆うよ」

「クククククク。それは、凄いですね♪」

「ざらぱぱ、始めるね」

「おう・・・・!」


そして、洗濯物よろしく30秒程回されたざらぱぱは、真っ青な顔でその場に崩おれた。




それを見たふたりは、「「規格外れだ」」とドン引きしていた。

説明したじゃん!
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