貴方の隣で私は異世界を謳歌する

紅子

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女神様がやってきた

非常識なのは、わたしじゃないはず

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聖剣の試し抜きに満足したわたしたちは、その足で皇帝陛下の執務室へ向かった。本来なら、事前に面会予約を取った上で侍従に案内されないと入れないが、わたしたちの離宮には、侍従にどころか侍女もお断りしていたから、繋ぎがいない。それに、そんなことをしていたら、陽が暮れてしまう。扉を守る騎士に面会の旨を伝えると、直ぐに確認してくれて中に通された。

そこには、皇帝陛下の他に宰相も居た。
丁度いい。

「離宮に使いを出したが、居なかったようだな?何処にいっていた?まぁ、呼ぼうと思っていたから、丁度よかったがな」

「ああ。少し休憩したところで、聖剣の話になって、そのまま抜きにいった」

「ほお、それで抜けたのか?」

3人が3人ともニヤリと嗤うだけで誰も答えない。皇帝陛下は、それを答えとして受け取ったようだ。

「そうか。後で私も試してみよう」

「陛下、時間がありません。本題を」

「ああ、そうだな。先程の話し合いをどう思う?」

「どう、とは?」

ピクっとりーぱぱの眉が動く。

「質問を変えようか。奴等が現状を正しく理解していると思うか?」

わたしたちは顔を見合わせた。ゆるりと首を横に振る。もちろん、答えはノーだ。

「では、現状を一番良く、そして正しく理解しているのは誰だ?」

「それは・・・・」

ガルもざらぱぱもりーぱぱまで、わたしを見た。その答えに満足したのか皇帝陛下は、無茶振りをしてきた。

「では、現状を正しく理解しているシャナーリエとその後見人に命ずる。先程の話し合いをふまえて、早急に公正な案を示せ。期限は、本日4の鐘とする」

はああああああ!今3の鐘も大分過ぎてるんですけど!!!

眉間にシワがよったのは許してほしい。ついでに口も尖って、拒否感満載だけど。ガルたち3人は、頬をヒクヒクとさせながらも、皇命を受け入れるべく、胸に手を当てた。

「「「承りました」」」

「・・・・ッ、プイッ」

こんなにいたいけな幼女をどれだけ働かせる気だ!押し付けるつもりが、何を言い出すこともできずに押し付けられてしまった。

く・や・し・い~!!!!

「んむぅ!それもこれも、あのジィジどものせいだぁ!!!」

同じことをずっとグルグルと言い合っていたギルドの総帥や騎士団総帥たちのことが浮かび、八つ当たりのように腕を突き出して叫んでやった。スノウが頭の上から転がり落ちたが、鳥なので問題ない。皇帝陛下や宰相が驚いて目をしぱしぱさせていても、ここで、皇帝陛下を詰らなかったことを褒めてほしいくらいだ。そんなわたしを宥めるために、3人が代わる代わる頭をポンポンしてくれた。





仕方なく、再び離宮に戻り、"公正な案"とやらを纏めることにする。

こうなれば、さっさと終わらせるほかない!

そう思いながら、新しく始まることのそれぞれに問題点と解決策、方針、妥協点なんかをつらつらと説明していく。


やりきった後でりーぱぱを見ると、絶句していた。ガルもざらぱぱも口を開けてわたしを凝視している。

えっと、そんなに驚くこと言ってないよね???

(シャナは凄いね!こんな短期間によく思い付いたね!)

スノウだけが嬉しそうに頭の上を飛び回り誉めてくれた。

「シャナは、いつからそこまで気づいていたのですか?」

「ええ?女神様が説明してるときから?かな」

うん、順序立てて考えていけば、そんなに難しくない。本とかの知識もあるし、わたしにしたら、目新しいことじゃない。

「そこまで、先が読めるのに、何故、あんなにもやらかすのでしょう?」

りーぱぱは、本当に不思議そうに首を傾げている。

なんて、失礼な!

むう、と剥れているとざらぱぱが追い討ちをかけてきた。

「その加減がわかってたら、こんなに色々とやらかしそうな案件、思い付かんだろ?」

「そうですね。考えるだけ無駄でした。さあ、さっさと終わらせましょう」

ひどい・・・・!

ガルの胸に顔を押し付けて、グリグリした。かじろうかと思ったけど、歯が折れそうだったことを思い出して、止めた。

「あんまりシャナをからかうなよ?また、以前のように逃げられたら、たまったもんじゃないだろう・・・・」

こっちもフォローはなかった。それだけでなく、ガッチリとホールドされた。むすっとしながらも、ひとつずつ問題点と解決策、方針を決めていく。



・聖剣の適用条件の全てを公表する。
・持ち主のない聖剣は、年2回、それを抜く機会を全ての者に与える。その日を聖剣の日とする。
・聖剣保持者は、それを放棄しない限り各国の中央騎士団に所属するものとする。ただし、兼任可とする。
・半年に1度の特別訓練への参加を義務とし、大規模なアンデッドの討伐・破壊神討伐には必ず同行し、先陣をきること。


後の話し合いで、30日後に初めての聖剣の日が開催されることになった。


・破壊神とアンデッドの詳しい情報を各ギルドから周知すること。
・今後、アンデッド化を防ぐため、聖水をかけたあと埋葬すること。討伐後の魔獣も放置する場合は、必ず聖水をかけること。

・聖水は、無料配布。但し、ひとりに渡す1日の量を別に定める。大規模な討伐は、この限りではない。
・聖水を保存する容器を全ての者に1本は無料配布する。時期は学園入学時とする。
・聖水は、毎日、朝1の鐘~6の鐘の1刻後くらいまで配布し、それ以降は、基本的に配布しない。
・保存容器は、職人ギルドで取り纏め、学園が始まる半月前には、納品をすること。代金は、各国から均等に徴収する。
・保存容器の販売価格は、中銀貨5枚とする。
・その保存容器は作り方を公開し、手分けして作る。


早速、特許登録されたよ。第一号だ。女神様管理なだけあって、条件も細かく登録できておもしろい。次は、料理を登録しよう!ちなみに、保存容器は、時間停止機能付で個人識別できるようにした。もちろん、転売は出来ない。

この地の人口は6万人程で、学園を卒業しているのは、5万人はいかないということだった。少な!ほっといたら、3日もあれば、アンデッドの世界だわ。職人ギルドによると、この容器を作れるのは、50人くらい。ひとり1000本だ。なんとかなるだろう。

配布順は、B級以上の冒険者、D級以上の冒険者、魔獣討伐をする騎士、農村、残りの冒険者、衛兵、旅商人、騎士、商人、職人、薬師、その他。

全ての人に配布が終わった後、3月後に一般解禁する。


・新たな聖属性とその属性に目覚めるための条件などを公表する。


・複合スキルは、この5日で日にちとトップダウンになるように出席者を決めて教えていく。
第一陣として、国王、騎士団総帥、騎士団長、近衛騎士団長、魔術師団長、魔法騎士団長、学園の教師
第二陣に、各ギルド毎に総帥とギルドマスター、副ギルドマスター
第二陣以降は、学園の教師が担当する。
第三陣に、神殿長と神官長
・その後は、各方面で日程を決めて、周知していく。


・複合スキルは、魔術師ギルドが研究し、取りまとめていくこと。

・特許は、商業ギルド、職人ギルド、薬師ギルドがそれぞれの分野に応じて管理、取りまとめていくこと。




4の鐘で会議が始まり、りーぱぱがこの案を提示すると、多少の反論や抵抗はあったものの、ほぼわたしたちの案で通った。

やっと、帰れる~♪
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