貴方の隣で私は異世界を謳歌する

紅子

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わたしの島

誓約しましょう

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3人とも聖剣保持者に課せられた義務については充分分かっていた。ただ、自分の意思で放棄できるとは知らなかった。

「どうしますか?聖剣が刺さっていた台座に自らの意思で刺し直せば放棄できます。返したからといって、今後聖剣を抜く資格がなくなるわけではありません。また、改めて聖剣の日に抜けばいい」

「そうなのか?まあ、でもせっかく抜けたしな。そのアンデッドやら破壊神やらは強いのか?」

ジャイの関心は強さにあるようだ。いや、ジャイだけじゃなかった。クレーとシアンも同じようなワクワクした顔をしている。

「めちゃくちゃ強い」

「俺程度じゃ歯が立たん」

「破壊神と殺りあう前にパーソナルレベルで500は越えたいですね」

「「「!!!!!」」」

「スゲーな!殺りてぇ!お前たちはどうやって鍛えるつもりだ」

「いい訓練方法があれば教えてくれ!」

「リールなら何かあるんでしょ?秘策が」

ああ、脳筋だ。
強さの話しで興奮するのは脳筋の特徴だよね。

「あります。ですが、特別な方法ですから簡単には教えられません」

「どうしたら教える?」

3人は真剣な目でりーぱぱを凝視している。

「条件は?ある程度なら飲むよ」

「俺もだ。今の依頼や魔獣相手ではそこまでのレベルアップは期待できないからな」

「だいたい、アンデッド?なんて何処にでも居るもんじゃないしよ。俺は、聖剣のないときに1度だけ遭遇したけどよ、聖水かけた自前の剣で触れたらあっという間に消えたぜ?親玉の破壊神はともかく、そんなに強いか?」

「それは、成り立てのアンデッドですね。奴等は学習能力がありますから、時間を経たものほど強くなり互いに連携してくるようになります。今はまだそれほど強くありませんが、これからは簡単にはいかなくなるでしょう。こちらは触れればすぐに仲間入りですから、聖属性を習得するか仲間に聖属性を持つ者を引きいれるのが最善です」

「なんでそんなに詳しいのさ?」

純粋な疑問。
いぶかしむ眼差し。

「フフ。それだけのアンデッドを相手に戦ったから、ですよ」

驚愕の顔。

「そんなに何処にいるんだよ?」

呟かれた言葉。

わたしはガルに抱き上げられてその様子をただ見ているだけだ。まあ、りーぱぱに丸投げってこと。りーぱぱは、笑顔で彼らを見返している。目は笑ってない。3人ともそれに気づいている。

「それを知りたければ・・・・。誓約の魔法を受け入れてください」

誓約の魔法?そんなのあるんだ!

「内容は?」

りーぱぱは、わたしをちらりと見た。

「シャナのことで、知り得た情報は一切他言無用。ガルド、ザラム、私の許可なくシャナへの接触禁止。他者へ接触依頼を出すことも禁じます」

「他には?」

「それだけです」

「えっ?それだけでいいの?」

「嬢ちゃんは何者なんだ?お前らがそこまで過剰に守る必要があるってことだな?」

りーぱぱは何も答えない。ただ、3人の返事を待っている。わたしは、わたしのことなのに、何処か他人事だ。りーぱぱがいれば大丈夫だという謎の安心感がある。

「僕は受け入れるよ。それで強くなれるんでしょ」

「俺もだ」

「強くなれる機会は手放さない主義だ」

「ペナルティを聞かなくてもいいの?」

「誓約ってくらいだ。犯罪者と同じ扱いかそれよりも厳しいか」

そうだった。この世界、犯罪を犯すと能力を奪われるんだった。そう考えるとペナルティもそれに準ずるってことか。

「ええ。捕まらなくても、誓約を犯した時点で能力を一般市民まで落とします」

「分かった」

「いいだろう」

「りょーかい」

いいんだろうか。まあ、本人の選択だし、破らなければいい。それに、味方が増えるのはいいことだ。

「では、シャナ」

えっ!?わたしがするの? ジャイもクレーもシアンもビックリしてるよ?動かなくなったよ?

りーぱぱを見ると、にっこり顔で頷かれた。仕方ない。やってみるか。

「えっと、誓約。わたしシャナーリエに関わるすべての事について、一切他言無用とする。また、後見人ガルドラム、リーランス、アルトザラムの許可なく、わたしシャナーリエへの接触を禁ずる。また、他者へ接触依頼も出来ない。警告を無視しこれらを犯した時点で、HP、MPを含む全ての能力を一般市民と同等まで引き下げる。この誓約をジャイ、クレー、シアンに課すものとする」

わたしの宣言が終わると魔力が引き出される感じがして、彼らの魂を縛ったのが分かった。3人も分かったのだろう。ビックリ顔が驚愕の顔に変わった。

「理解したぜ」

「ああ。お前らが過保護になるわけだ」

「・・・・凄いね・・・・」

暫し放心状態の彼らを待って、りーぱぱはが話しを進めていく。

「では、これから私たちが訓練しているところに案内します。ここで説明するよりも早いでしょう。ですが、どうしますかね。私たちの家から向かいたかったのですが・・・・」

そうなのだ。外は相変わらず、人で溢れかえっている。一緒に出ていけば、わたしたちまで巻き添えだ。りーぱぱはにっこり笑うと自業自得とばかりに言い放った。

「明日、朝1の鐘で私たちの家に来てください。ただし、各国の騎士団には、ダンジョンに潜るため、1月半は連絡が取れないことを伝えておくてくださいね?なんなら、私たちと2月後のパーティーに参加しても構いませんよ?朝、間に合わなかった奴は置いていきます」

3人は、パーティーの下りで凄~く嫌そうな顔をしていたから絶対に来ないだろう。来てくれたら、彼らに話題が集まって目立たなくなるのに。残念だ。

「分かった」

「必ず行く」

「朝1の鐘ね」

わたしたちはそのままギルドの執務室に残り、彼ら3人に巻き込まれるのを避けた。下からはすごーい歓声がしているから、また揉みくちゃにされているのだろう。今日はきっと深夜まで付き合わされるに違いない。明日、大丈夫かなぁ。二日酔いの薬くらいは作ってあげよう。武士の情けだ。
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