貴方の隣で私は異世界を謳歌する

紅子

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わたしの島

聖剣に選ばれし脳筋たち

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何処からどう漏れたのか、翌日のギルドは大変なことになっていた。なにせ、女神様に賜った聖剣を抜いた3人が一堂に会すのだ。一目見ようと冒険者だけでなく、キラキラと目を輝かせたたくさんの若いお嬢さん方が冒険者達を押し退けるように入り口を陣取っている。こういう時の女性には逆らってはいけない。怖い。

「どうする?」

ギルドが見える辺りまでやって来た私たちは、顔を見合わせた。ここに彼らを呼ぶのは・・・・。危険極まりない。すぐさまギルドから一番近い西門へ踵を返したが、みんな考えることは同じらしい。こちらも人でごった返していた。

「もういっそのこと、島に連れていっちゃう?」

「だが、何処で合流する?どの門から来るかわからんぞ」

「いえ、ここまで広まっているのに、来なかったでは、それはそれで面倒です。まあ、彼らもこの状況は予想しているでしょうから自分で何とかしてもらいましょう。それよりも、情報が何処から漏れたのか探らなければ、ね?」

8日の間にすごい勢いで広まったものだ。街の人口が増えている気がする。どの宿も満室らしい。

結局、ここに来るという情報を広めたのは、本人達だった。別に歓迎しろ!とかではない。ただ、「タルにこの日こいつらと行くから飲もうぜ!」という極私的なお話伝言が3人それぞれの知り合いから漏れただけだ。それを聞いたりーぱぱはほっとしていた。ギルドから漏れたなんてことになると信用問題にかかわる。

自業自得というか、3人ともが聖剣を抜いた後、その足で討伐依頼を受けて今まで人里に近寄らなかった結果、名前だけが独り歩きしてしまった。門からギルドまで揉みくちゃにされた3人は、ギルドの執務室に案内された頃には魂が抜けかけていた。まさかこんなことになるとは思っていなかったようだ。御愁傷様。


「せっかくここまで来るんだしよ、ここを拠点にしてる奴とは会いたいじゃねぇか」

デカイ。とにかくデカイ。身長3m越えの筋肉もりもりの巨人族。小人になった気分だ。

「まさか、あんなことになるとは思わないさ」

この人は頭に丸い耳がある。尻尾は見えない。熊の獣人だ。まあ、熊だけあって、ゴツい。

「少し考えればわかりそうなものですがね。抜いた後、立ち会った貴族か騎士から何も説明はなかったのですか?」

「いやぁ、俺にしてみれば、力試しみたいなもんだったしよ。抜いた直後に大剣が消えちまったからな。騒がれるのも嫌でどさくさに紛れて帰った。用がありゃあ、連絡してくると思ったしな。案の定、翌日、ギルドを通して呼び出されて契約した」

「俺もだ。周りもあれ?って顔してたから、面倒でそのまま帰った。翌日、契約したがな」

「そうそう。Sになったときとそう変わんないと思ったんだよ。見守ってた王族も、僕は短剣だったけど、消えちゃったからさ。どうなったんだ?ってあたふたしてた。まあ、手元にないからどうしようもなくて、なんか分かったら連絡するってことですぐ帰っちゃった。僕も翌日呼び出されたよ」

話し方の柔らかい彼は、青い髪がよく似合っている。細マッチョなタイプだ。

「というか、王族はバカばっかりですね。我々の聖剣もバングルになっているのを見ているでしょうに。あなた方はいつ聖剣を持っていると気づいたんですか?」

ん?わたしたちが神殿で抜いたときには剣のままでバングルにはならなかったよね?

「俺は、帰る途中で腕にあるバングルに気づいた」

「僕は、宿に帰るまで気付かなかったよ。全然違和感ないんだもん」

「俺は、すぐに分かった。面倒だから言わなかっただけだ。あのまま騒がれて担がれたくはないさ」

「「だよな」」

「「「「・・・・」」」」

初めてのことに周りがあたふたしている隙に気づかれることなく抜け出すとか、やっぱり、高ランクの冒険者は凄いよね。

でも、やっぱり、この人たちも脳筋?高ランクなら頭脳も必要なんじゃないの?疑問がいっぱいだ。

「シャナ、こいつらは戦闘のことになると本能というか勘というか瞬時に判断ができるんですよ。共闘したときも視線だけで意図が通じてましたし」

恐るべし!高ランク脳筋!
わたしたちと違い、すぐにバングルになった原因が分かった。抜いた瞬間に見せつけると面倒だなと思ったんだ。すごい判断力だ。

「こっちを優先しちゃっていいの?」

「ん?その嬢ちゃんは?」

「お前らのうちの誰かの子、なわけないよな?」

「やっぱ、あの噂は本当だったんだ」

「噂?」

「ガルドの番が見つかって、リールとザラムが幼女趣味だ、って噂」

「なっ!断じて違う!」

「俺の番なのは間違ってない。だが・・・・」

「そうですか。幼女趣味ですか。・・・・。今度のパーティーではそれを利用させてもらいましょうか」

りーぱぱの目が笑ってない。

「ん?どういうことだ、リール」

「フフ。幼女趣味ではなく、シャナを3人で囲っていると思わせるんですよ。手を出す馬鹿が減るでしょう?」

「それはいいな」

りーぱぱはだけじゃなく、ざらぱぱも笑顔が黒い。女避け対策が着々と進んでいる。

「改めて紹介しますね。彼女はシャナ。ご存じの通りガルドの番です。そして、この地で唯一の聖属性を持つ者です。我々も訓練はしているんですがね。なかなか習得できません」

「そうなのか!スゲーな、嬢ちゃん。俺は、ジャイ。よろしくな」

「俺は、熊獣人のクレー。よろしく」

「僕は鷹獣人のシアン。よろしくね」

「エルフのシャナです。よろしくお願いします」

一通りの自己紹介を終えたわたしたちは、まず、この脳筋な聖剣保持者に改めて保有にあたっての決まりを説明した。
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