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わたしの島
拘ってはいけない?宿泊施設
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りーぱぱがギルドのシステムを使って聖剣保持者の3人を呼び出した。顔見知りでもある3人は快くタルまで来てくれるという。わたしは少しばかりわくわくしている。だって、どんな人が抜けたのか興味があるんだもん。
「シャナ、8日後にギルドに集まることになりました。すぐに島に行くことになるかもしれません。貴女の島ですから、嫌なら言ってください」
「うん。りーぱぱたちが認めた人なら大丈夫。泊まるとことかどうするの?コテージはちょっと嫌だな」
「さすがにコテージに入れるつもりはないな」
「そうだな。あそこはダメだ」
「じゃあさ、宿泊施設でも創る?」
「そうですね。ナビーくんに頼みましょう。それとやはり、各ダンジョンの付近にも宿泊施設を頼めますか?」
「いいよ。作戦会議とか反省会に必要だよね。それに、帰る前に休まないとあの森を抜けるのは大変だし」
翌日、私たちは再び島へとやって来た。30日振りだ。
「お帰りなさいませ」
コテージの扉を開けると、ざ・執事がお出迎えしてくれた。ガルたちは一瞬にして臨戦態勢に入り、わたしを護るように配置している。わたしは、というとポカンと口を開けて棒立ち状態だ。
「何者ですか?どうやってここに入り込んだのです?」
「申し遅れました。わたくしは、ナビーでございます。ご主人様たちがお帰りになられた後、この姿で動けるようになりました」
この発言には、りーぱぱも含めて全員がポカンだ。
「えっと、ナビー君が進化したってこと?」
「さようでございます」
「ナビー君はここで暮らしてるの?」
「いいえ。わたくしは、ナビゲーションシステムですから、ご主人様がこの島においでになると起動致します。ここに居られる間は、管理室で待機しておりますので、ご用の際にはお越し下さい。では、失礼致します」
そう言うと、ナビー君は去っていった。
何だったんだ?
「スゲーな・・・・」
「さ、さあ、気を取り直して、宿泊施設を創っちゃおう?マイダンジョンにも行きたい」
「そうですね。この程度で驚いていてはダメでした」
「ああ。いつものことだ」
それは、どういう意味かな?なんだかわたしが呆れられている気がする。これは、女神様の仕業だから!
「今回は、狩りはなしか?」
ざらぱぱは、安定の脳筋振りだ。
「ダンジョンはダメですが、宿泊施設の確認には行きますから、森で狩れますよ」
りーぱぱもちょっと楽しそうだ。
「よっし!」
そして、わたしたちは再び執事ナビー君と対面するのだった。
「ようこそお越しくださいました。本日はどう致しますか?」
どうやらナビー君はなんちゃって執事だったようだ。AI搭載とはいえ、パソコンのある机に座ってお出迎えはない。
「宿泊施設を創りたいの」
「畏まりました。では、建設予定地をお選びいただき、建物を配置してください。その後、1階から順に間取りや内装を決めていただきます」
これにもやっぱり、りーぱぱが大活躍だった。わたしはというと、まず、建物を選ぶところから躓いた。わたし的には旅館風も捨てがたいし、リゾート風のホテルもいい。うーん、と悩んだところで、りーぱぱの「皇族を招くならこの5倍の規模になりますよ」という一言で我に返った。どんなに多くても今のところ聖剣保持者3人以外には呼ぶつもりもない。おもてなし的な要素はいらない。ちょっと残念だけど、自分達のコテージを参考に間取りを変えて個室とリビング、そして、キッチンを備え付けた。シェアハウスのようにしたのだ。この島には食堂などないから自炊してもらうことになる。各ダンジョンも似たような造りにしたけど、わたしたちとお客さんでリビングを挟んで左右に分けることにした。
2日かかって漸く完成した宿泊施設を確認するため、張り切るざらぱぱを先頭に森を抜けダンジョンに向かうことになったのだが、あまり時間がないことが判明した。よって、森での採集を禁止され、ガルに抱えられての移動を余儀なくされたわたしは、非常に面白くなく、八つ当たり的に目に入る魔獣に魔法をぶっぱなしたのだった。それを見たガル、りーぱぱ、ざらぱぱがドン引きしていたけど、素材部分や薬草や食べられる物には傷ひとつ付けていないのだから誉めてほしいところだ。
そして、不具合がないことを確認できたわたしたちはすぐにタルの家に戻った。この時点で、7日過ぎており、聖剣保持者との対面は明日に迫っていた。
「なんとか間に合いましたね」
「いやー、最近はずっと皇都で会議かこっちで事務処理だったからな。スッキリした!」
私は知らなかったのだが、りーぱぱはギルマスを、ざらぱぱは衛兵隊長と副団長を辞めるつもりだったらしい。りーぱぱはギルドの総帥に、ざらぱぱは騎士団の総帥と陛下にそれぞれ引き留められ、居ないときは代わりに副ギルマスや副隊長がその任に当たるということで折り合いをつけたようだ。ざらぱぱの副団長は元々居ないようなものだったから問題ないそうだ。それはそれでどうなんだ?
「ねぇ、りーぱぱ。島で手に入れた物はタルのギルドで売ってもいいの?」
「そうですねぇ。・・・・。タルで売るのがいいでしょう。ですが、その前に売るものを選別しましょうね?貴重な素材を大量に売ると買い取りに影響が出ますから」
「はーい」
りーぱぱの指導のもと売却するものを選別し、魔獣の皮や牙、魔石のほか薬草や茸、貴重な木の実など合わせて金貨50枚分なった。わたしのインベントリーには今回の20倍の量の素材が眠っている。何時になったら、空っぽになることやら・・・・。
翌日、わたしはギルドの一室で聖剣を抜いた3人と対面した。
「シャナ、8日後にギルドに集まることになりました。すぐに島に行くことになるかもしれません。貴女の島ですから、嫌なら言ってください」
「うん。りーぱぱたちが認めた人なら大丈夫。泊まるとことかどうするの?コテージはちょっと嫌だな」
「さすがにコテージに入れるつもりはないな」
「そうだな。あそこはダメだ」
「じゃあさ、宿泊施設でも創る?」
「そうですね。ナビーくんに頼みましょう。それとやはり、各ダンジョンの付近にも宿泊施設を頼めますか?」
「いいよ。作戦会議とか反省会に必要だよね。それに、帰る前に休まないとあの森を抜けるのは大変だし」
翌日、私たちは再び島へとやって来た。30日振りだ。
「お帰りなさいませ」
コテージの扉を開けると、ざ・執事がお出迎えしてくれた。ガルたちは一瞬にして臨戦態勢に入り、わたしを護るように配置している。わたしは、というとポカンと口を開けて棒立ち状態だ。
「何者ですか?どうやってここに入り込んだのです?」
「申し遅れました。わたくしは、ナビーでございます。ご主人様たちがお帰りになられた後、この姿で動けるようになりました」
この発言には、りーぱぱも含めて全員がポカンだ。
「えっと、ナビー君が進化したってこと?」
「さようでございます」
「ナビー君はここで暮らしてるの?」
「いいえ。わたくしは、ナビゲーションシステムですから、ご主人様がこの島においでになると起動致します。ここに居られる間は、管理室で待機しておりますので、ご用の際にはお越し下さい。では、失礼致します」
そう言うと、ナビー君は去っていった。
何だったんだ?
「スゲーな・・・・」
「さ、さあ、気を取り直して、宿泊施設を創っちゃおう?マイダンジョンにも行きたい」
「そうですね。この程度で驚いていてはダメでした」
「ああ。いつものことだ」
それは、どういう意味かな?なんだかわたしが呆れられている気がする。これは、女神様の仕業だから!
「今回は、狩りはなしか?」
ざらぱぱは、安定の脳筋振りだ。
「ダンジョンはダメですが、宿泊施設の確認には行きますから、森で狩れますよ」
りーぱぱもちょっと楽しそうだ。
「よっし!」
そして、わたしたちは再び執事ナビー君と対面するのだった。
「ようこそお越しくださいました。本日はどう致しますか?」
どうやらナビー君はなんちゃって執事だったようだ。AI搭載とはいえ、パソコンのある机に座ってお出迎えはない。
「宿泊施設を創りたいの」
「畏まりました。では、建設予定地をお選びいただき、建物を配置してください。その後、1階から順に間取りや内装を決めていただきます」
これにもやっぱり、りーぱぱが大活躍だった。わたしはというと、まず、建物を選ぶところから躓いた。わたし的には旅館風も捨てがたいし、リゾート風のホテルもいい。うーん、と悩んだところで、りーぱぱの「皇族を招くならこの5倍の規模になりますよ」という一言で我に返った。どんなに多くても今のところ聖剣保持者3人以外には呼ぶつもりもない。おもてなし的な要素はいらない。ちょっと残念だけど、自分達のコテージを参考に間取りを変えて個室とリビング、そして、キッチンを備え付けた。シェアハウスのようにしたのだ。この島には食堂などないから自炊してもらうことになる。各ダンジョンも似たような造りにしたけど、わたしたちとお客さんでリビングを挟んで左右に分けることにした。
2日かかって漸く完成した宿泊施設を確認するため、張り切るざらぱぱを先頭に森を抜けダンジョンに向かうことになったのだが、あまり時間がないことが判明した。よって、森での採集を禁止され、ガルに抱えられての移動を余儀なくされたわたしは、非常に面白くなく、八つ当たり的に目に入る魔獣に魔法をぶっぱなしたのだった。それを見たガル、りーぱぱ、ざらぱぱがドン引きしていたけど、素材部分や薬草や食べられる物には傷ひとつ付けていないのだから誉めてほしいところだ。
そして、不具合がないことを確認できたわたしたちはすぐにタルの家に戻った。この時点で、7日過ぎており、聖剣保持者との対面は明日に迫っていた。
「なんとか間に合いましたね」
「いやー、最近はずっと皇都で会議かこっちで事務処理だったからな。スッキリした!」
私は知らなかったのだが、りーぱぱはギルマスを、ざらぱぱは衛兵隊長と副団長を辞めるつもりだったらしい。りーぱぱはギルドの総帥に、ざらぱぱは騎士団の総帥と陛下にそれぞれ引き留められ、居ないときは代わりに副ギルマスや副隊長がその任に当たるということで折り合いをつけたようだ。ざらぱぱの副団長は元々居ないようなものだったから問題ないそうだ。それはそれでどうなんだ?
「ねぇ、りーぱぱ。島で手に入れた物はタルのギルドで売ってもいいの?」
「そうですねぇ。・・・・。タルで売るのがいいでしょう。ですが、その前に売るものを選別しましょうね?貴重な素材を大量に売ると買い取りに影響が出ますから」
「はーい」
りーぱぱの指導のもと売却するものを選別し、魔獣の皮や牙、魔石のほか薬草や茸、貴重な木の実など合わせて金貨50枚分なった。わたしのインベントリーには今回の20倍の量の素材が眠っている。何時になったら、空っぽになることやら・・・・。
翌日、わたしはギルドの一室で聖剣を抜いた3人と対面した。
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