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攻防
生け贄とは、酷くないですか?
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「さて、どういうことか説明してもらおうか?」
ここは皇城の会議室。わたしとガルとざらぱぱの3人は、ここで皇帝陛下と宰相と騎士団総帥と魔術師団長と対峙している。何故ここにいるかと言えば、登城の催促が冒険者ギルドにひっきりなしに届き、煩わしがったりーぱぱに生け贄にされたからだ。冒険者たちへの聴き取りが済み次第、りーぱぱが合流する。それまでは、じっと我慢の貝。わたしもガルもざらぱぱも目を合わせないように明後日の方向をみつめた。りーぱぱの言いつけは絶対だ。ジャイとクレーとシアンとバルは、りーぱぱと一緒にいる。私もそっちに残りたかった。
「黙りか?大体のあらましは巨人の国の国王より聞いておる」
なら、それでいーじゃん。詳しいことなんて知らない。全部りーぱぱに丸投げだし。
「「「・・・・・・」」」
「難しいことは聞いておらんだろう?なあ、ガルドラムよ。ただ、巨人の国で何が起こっておるのか知っていることを聞きたい、そう言っているだけだ」
「・・・・・・」
皇帝陛下の問いかけに無言を突き通すのはなかなかに骨が折れる。
「ハァ」
「アルトザラム。報告はないのか?」
「・・・・・・」
総帥、パパの尋問に沈黙を守るざらぱぱは冷や汗をかいているに違いない。
「何故、何も話さない!散々呼び出して来たと思ったら沈黙とは」
話さないんじゃなくて、話せないんだよ。りーぱぱの言いつけを破るなんて怖いこと出来っこない!今回は特に言葉ひとつで何がどう転がるか分からないし、何処に敵が潜んでいるかも分からないんだ。
あの後、結局、巨人の国の王都のギルマスは見つからなかったし、衛兵の中にも騎士の中にも隷属させられていた人が見つかった。幸い、冒険者にはいなかったから、今、りーぱぱが慎重に聴き取り調査しているところだ。それに、破壊神が誰に擬態しているのかも未だに分かっていない。わたしはきゅっとガルと繋いだ手に力を込めた。狙われているのはわたしだ。わたしの不安を感じ取ったガルは、すっと立ち上がるとわたしを膝に乗せてくれた。
両者、沈黙のまま時間だけが過ぎていく。
バタバタバタバタッ
コンコンコン
「リーランス様がお見えになりました!」
「通せ」
やっと、来た。わたしたちは漸くほっと詰めていた息を吐いた。
「遅くなりました」
悠然と入室するりーぱぱ。ホントだよ。こんなに居心地の悪いところに放り込むなんて鬼だ!
「やっと来たか。巨人の国で何が起こっているのか説明せよ」
「その前に、シャナ外に声が漏れないように結界を」
りょーかい!
わたしはこの部屋全体に盗聴透視防止付きの神聖結界を張った。ごっそりと魔力を持っていかれた感じがある。わたしの魔力が∞でなければ、倒れていたかもしれない。
「そんなに慎重になるほどのことなのか・・・・」
なるほどのことなんだよ、きっと。詳しくは、りーぱぱに聞いて。
「OKだよ」
「ハァ。漸くひと心地ですかね。で、シャナどうですか?」
生け贄としてここに来るにあたり、わたしはりーぱぱからあるミッションを言い渡されていた。
「ん。ここにはいないけど、城の中にはいる。増えてるっぽいんだけど」
「何がだ?何がいるというのだ?分かるように話せ!」
「破壊神に隷属させられた者が」
「なん、何だと!誰だ?」
「間違いないのか?いつの間に・・・・」
皇帝陛下も宰相も騎士団総帥も魔術師団長もみんな絶句している。
「その追求は後ほど。その前に、冒険者とギルド員の聴き取りから分かったことをお伝えします。まず、今回の件ですが、ジャイが私たちとの約束の時間に来なかった事から露見しました。巨人の国に滞在していた冒険者の聴き取りで判明したのは、それは突然起こったということ。依頼から戻ってギルドに入ったときには不審なところは何も見当たらなかったのに、入れ替わりにギルドから出た別の冒険者の悲鳴で外に出ると、見渡す限りアンデッドだらけだったと」
計画的すぎない?そんなにあっという間にアンデッドは増えないと思うんだけど?
「転移陣は使えなかったのか?」
「はい。王都の異常を確認してすぐに、ギルドに残った冒険者たちは転移しようと試みたそうですが、その時には既に使えなかったと。通信機も同じです。ところで、巨人の国の国王陛下や王妃様、第1王子殿下はどうやって神殿まで移動したのでしょう?」
「それは私から」
宰相が手を上げた。
「まず、国王陛下は王都に入って誰かに王宮に戻る前に神殿に行くことを勧められたそうです」
「ほう」
「第1王子殿下も同様です。誰かに神殿に寄ることを勧められたと。王妃様に至っては、王都に入る時に衛兵から陛下の手紙を渡されたと。そこにみなで神殿に寄るようにとあったそうです。ですが、国王陛下は王妃様より後で王都入りしたそうですし、陛下自身に手紙を出した覚えはないということでした。その手紙も誰が出したものなのか。手紙はいつの間にかなくなっていたそうですから、確認が取れません」
怪しさ一杯。怪しいところしかない!
「国王の側近に破壊神の手先がいそうですね。第1王子殿下の側近のひとりが隷属させられていましたから、解呪しましたし。他にも隷属している者たちの協力があれば全て可能になりますねぇ。こちらに来ていない側近はいませんか?」
「それが、視察に同行していた者は全員いるそうだ」
「うーん。何か見落としている気がしてなりませんねぇ」
りーぱぱはチラリとわたしを見たが、りーぱぱが分からないのに分かるわけがない。
「王都以外の状況はどうだ?」
「王都への道をすべて封鎖し、全ての冒険者ギルドに通達済みです。王都の冒険者ギルドは、神聖結界で囲いましたから、そこにアンデッドが入り込むことは出来ません。巨人の国の王都一帯に神聖結界を張りましたから、これ以上広がることはないでしょう。巨人の国全体にも神聖結界は張りましたが、関所は通行可能です。それでも不安な者は、地方の冒険者ギルドから王都の冒険者ギルド経由で、とりあえず、ここの冒険者ギルドに来るように設定しましたから、そこで、隷属と犯罪者の確認をします。私たちも定期的に確認に行くつもりです」
「神聖結界の強度は?」
「破壊神の全力に耐えられるかは不明ですが、アンデッドや魔術師程度では壊せません」
「妥当なところか。宰相、その旨、各国に連絡を。それと緊急招集もかけろ。騎士団総帥と魔術師団長は、避難民の受け入れ態勢を整えるように」
「「「御意」」」
「頭の痛いことだな。隷属された者はどうするのだ?解呪するのか?」
「いいえ。今のところ、下っ端ばかりですし、そのまま様子を見ようかと」
「情報の持ち出しなどの懸念がないなら、好きにしてかまわん」
りーぱぱと陛下の間で納得できる着地点が見つかったところで、やっと家に帰ることが出来た。とは言っても、タルの家じゃなくて、離宮の方だけどね。城内の監視が必要だから仕方ない。あーあ。今頃は島にいるはずなのに・・・・。
ここは皇城の会議室。わたしとガルとざらぱぱの3人は、ここで皇帝陛下と宰相と騎士団総帥と魔術師団長と対峙している。何故ここにいるかと言えば、登城の催促が冒険者ギルドにひっきりなしに届き、煩わしがったりーぱぱに生け贄にされたからだ。冒険者たちへの聴き取りが済み次第、りーぱぱが合流する。それまでは、じっと我慢の貝。わたしもガルもざらぱぱも目を合わせないように明後日の方向をみつめた。りーぱぱの言いつけは絶対だ。ジャイとクレーとシアンとバルは、りーぱぱと一緒にいる。私もそっちに残りたかった。
「黙りか?大体のあらましは巨人の国の国王より聞いておる」
なら、それでいーじゃん。詳しいことなんて知らない。全部りーぱぱに丸投げだし。
「「「・・・・・・」」」
「難しいことは聞いておらんだろう?なあ、ガルドラムよ。ただ、巨人の国で何が起こっておるのか知っていることを聞きたい、そう言っているだけだ」
「・・・・・・」
皇帝陛下の問いかけに無言を突き通すのはなかなかに骨が折れる。
「ハァ」
「アルトザラム。報告はないのか?」
「・・・・・・」
総帥、パパの尋問に沈黙を守るざらぱぱは冷や汗をかいているに違いない。
「何故、何も話さない!散々呼び出して来たと思ったら沈黙とは」
話さないんじゃなくて、話せないんだよ。りーぱぱの言いつけを破るなんて怖いこと出来っこない!今回は特に言葉ひとつで何がどう転がるか分からないし、何処に敵が潜んでいるかも分からないんだ。
あの後、結局、巨人の国の王都のギルマスは見つからなかったし、衛兵の中にも騎士の中にも隷属させられていた人が見つかった。幸い、冒険者にはいなかったから、今、りーぱぱが慎重に聴き取り調査しているところだ。それに、破壊神が誰に擬態しているのかも未だに分かっていない。わたしはきゅっとガルと繋いだ手に力を込めた。狙われているのはわたしだ。わたしの不安を感じ取ったガルは、すっと立ち上がるとわたしを膝に乗せてくれた。
両者、沈黙のまま時間だけが過ぎていく。
バタバタバタバタッ
コンコンコン
「リーランス様がお見えになりました!」
「通せ」
やっと、来た。わたしたちは漸くほっと詰めていた息を吐いた。
「遅くなりました」
悠然と入室するりーぱぱ。ホントだよ。こんなに居心地の悪いところに放り込むなんて鬼だ!
「やっと来たか。巨人の国で何が起こっているのか説明せよ」
「その前に、シャナ外に声が漏れないように結界を」
りょーかい!
わたしはこの部屋全体に盗聴透視防止付きの神聖結界を張った。ごっそりと魔力を持っていかれた感じがある。わたしの魔力が∞でなければ、倒れていたかもしれない。
「そんなに慎重になるほどのことなのか・・・・」
なるほどのことなんだよ、きっと。詳しくは、りーぱぱに聞いて。
「OKだよ」
「ハァ。漸くひと心地ですかね。で、シャナどうですか?」
生け贄としてここに来るにあたり、わたしはりーぱぱからあるミッションを言い渡されていた。
「ん。ここにはいないけど、城の中にはいる。増えてるっぽいんだけど」
「何がだ?何がいるというのだ?分かるように話せ!」
「破壊神に隷属させられた者が」
「なん、何だと!誰だ?」
「間違いないのか?いつの間に・・・・」
皇帝陛下も宰相も騎士団総帥も魔術師団長もみんな絶句している。
「その追求は後ほど。その前に、冒険者とギルド員の聴き取りから分かったことをお伝えします。まず、今回の件ですが、ジャイが私たちとの約束の時間に来なかった事から露見しました。巨人の国に滞在していた冒険者の聴き取りで判明したのは、それは突然起こったということ。依頼から戻ってギルドに入ったときには不審なところは何も見当たらなかったのに、入れ替わりにギルドから出た別の冒険者の悲鳴で外に出ると、見渡す限りアンデッドだらけだったと」
計画的すぎない?そんなにあっという間にアンデッドは増えないと思うんだけど?
「転移陣は使えなかったのか?」
「はい。王都の異常を確認してすぐに、ギルドに残った冒険者たちは転移しようと試みたそうですが、その時には既に使えなかったと。通信機も同じです。ところで、巨人の国の国王陛下や王妃様、第1王子殿下はどうやって神殿まで移動したのでしょう?」
「それは私から」
宰相が手を上げた。
「まず、国王陛下は王都に入って誰かに王宮に戻る前に神殿に行くことを勧められたそうです」
「ほう」
「第1王子殿下も同様です。誰かに神殿に寄ることを勧められたと。王妃様に至っては、王都に入る時に衛兵から陛下の手紙を渡されたと。そこにみなで神殿に寄るようにとあったそうです。ですが、国王陛下は王妃様より後で王都入りしたそうですし、陛下自身に手紙を出した覚えはないということでした。その手紙も誰が出したものなのか。手紙はいつの間にかなくなっていたそうですから、確認が取れません」
怪しさ一杯。怪しいところしかない!
「国王の側近に破壊神の手先がいそうですね。第1王子殿下の側近のひとりが隷属させられていましたから、解呪しましたし。他にも隷属している者たちの協力があれば全て可能になりますねぇ。こちらに来ていない側近はいませんか?」
「それが、視察に同行していた者は全員いるそうだ」
「うーん。何か見落としている気がしてなりませんねぇ」
りーぱぱはチラリとわたしを見たが、りーぱぱが分からないのに分かるわけがない。
「王都以外の状況はどうだ?」
「王都への道をすべて封鎖し、全ての冒険者ギルドに通達済みです。王都の冒険者ギルドは、神聖結界で囲いましたから、そこにアンデッドが入り込むことは出来ません。巨人の国の王都一帯に神聖結界を張りましたから、これ以上広がることはないでしょう。巨人の国全体にも神聖結界は張りましたが、関所は通行可能です。それでも不安な者は、地方の冒険者ギルドから王都の冒険者ギルド経由で、とりあえず、ここの冒険者ギルドに来るように設定しましたから、そこで、隷属と犯罪者の確認をします。私たちも定期的に確認に行くつもりです」
「神聖結界の強度は?」
「破壊神の全力に耐えられるかは不明ですが、アンデッドや魔術師程度では壊せません」
「妥当なところか。宰相、その旨、各国に連絡を。それと緊急招集もかけろ。騎士団総帥と魔術師団長は、避難民の受け入れ態勢を整えるように」
「「「御意」」」
「頭の痛いことだな。隷属された者はどうするのだ?解呪するのか?」
「いいえ。今のところ、下っ端ばかりですし、そのまま様子を見ようかと」
「情報の持ち出しなどの懸念がないなら、好きにしてかまわん」
りーぱぱと陛下の間で納得できる着地点が見つかったところで、やっと家に帰ることが出来た。とは言っても、タルの家じゃなくて、離宮の方だけどね。城内の監視が必要だから仕方ない。あーあ。今頃は島にいるはずなのに・・・・。
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