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第1章 発端
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でも、キリリとした眼や眉、引き締まった口元が落ち着いた雰囲気を醸し出している。経営者としては申し分ない顔なんじゃないだろうか、と何様な感想を持つ。
まぁ……これじゃあ騒がれるのも無理はない。ふむふむと独り言ちるが、一つ疑問が湧く。
――確か……写真付きの履歴書を送っていたけど……。
「いつから私にお気付きでしたか?」
「店内に高画質の防犯カメラが数台取り付けてある」
なるほど、そういうことか。
「その全ての映像を、僕の部屋と警備員室で見られるようになっている」
「――ということは、私のことは入店したときから気付いてらしたのですね?」
「いや」と西園寺オーナーが軽く首を横に振った。
「普段は警備員に監視は任せている。たまたま画面を見たら、いかにもこれから『面接です』みたいな、黒髪を後ろで引っ詰めた、リクルートスーツ姿の色気も素っ気もない女性が映った。で、目を引いた」
色気も素っ気もない……確かに正解だが、普通、口に出して言うだろうか? この人、もしかしたら毒舌家?
「そんな格好をした客、うちにあまり食べに来ないからな。よく見たら履歴書の奴だったという訳だ。で、しばらく見ていたら突然叫びだした」
ということは途中から見ていたということか。まぁ、最初のシーンは食事を堪能しているだけだったが――それでも、見られていたという事実に変わりはない……悪趣味だ。
その思いが顔に出たのだろう。西園寺オーナーが眉を寄せる。
「君が気分を害する意味が分からない」
あっ、それもそうか。防犯カメラは店を守るために取り付けてあるのだし、店のオーナーがそれを見ていたからといって部外者が怒ることではない。
でも……監視されていたと思うと、やはり気分の良いものではない。
まぁ……これじゃあ騒がれるのも無理はない。ふむふむと独り言ちるが、一つ疑問が湧く。
――確か……写真付きの履歴書を送っていたけど……。
「いつから私にお気付きでしたか?」
「店内に高画質の防犯カメラが数台取り付けてある」
なるほど、そういうことか。
「その全ての映像を、僕の部屋と警備員室で見られるようになっている」
「――ということは、私のことは入店したときから気付いてらしたのですね?」
「いや」と西園寺オーナーが軽く首を横に振った。
「普段は警備員に監視は任せている。たまたま画面を見たら、いかにもこれから『面接です』みたいな、黒髪を後ろで引っ詰めた、リクルートスーツ姿の色気も素っ気もない女性が映った。で、目を引いた」
色気も素っ気もない……確かに正解だが、普通、口に出して言うだろうか? この人、もしかしたら毒舌家?
「そんな格好をした客、うちにあまり食べに来ないからな。よく見たら履歴書の奴だったという訳だ。で、しばらく見ていたら突然叫びだした」
ということは途中から見ていたということか。まぁ、最初のシーンは食事を堪能しているだけだったが――それでも、見られていたという事実に変わりはない……悪趣味だ。
その思いが顔に出たのだろう。西園寺オーナーが眉を寄せる。
「君が気分を害する意味が分からない」
あっ、それもそうか。防犯カメラは店を守るために取り付けてあるのだし、店のオーナーがそれを見ていたからといって部外者が怒ることではない。
でも……監視されていたと思うと、やはり気分の良いものではない。
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