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第4章 美しい女性
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「佐藤君がゲテモノ好きで覆面調査員だったなんてビックリよ」
ブロッコリー入りマッシュポテトを、フォークの上に置いたままマミさんが身を乗り出した。
「でも、それで分かっちゃった!」
「何がです?」
「“アクア&マリン”の件よ」
マミさんも気付いていたようだ。三橋さんの態度がおかしかったことを。
「きっと亮兄がお金を払ったから、亮次は怒って出て行っちゃったのよ。亮次って昔から曲がったことが大嫌いだったから」
謎は解けたとばかりに興奮しているマミさんに、「早く食べないとディナーの時間になっちゃいますよ」と注意をするが……一向に話は止まらない。
「でも、それよりビックリしたのが西園寺オーナーよ!」
それは私も驚いた。樫野チーフの提案を飲み、陳情書を書いたのだから。あの西園寺オーナーがだ!
だが、驚くべきことはそれだけではなかった。
いろいろ調べていくうちに佐藤君は19歳、まだ未成年だったことが判明した。
探偵社にいたから変装はお手の物だろうが、我々は二十六歳という言葉にまんまと騙された。
西園寺オーナーはそれを怒りもせず、乗りかかった船? 天涯孤独だという彼の身元引受人になってしまったのだ。これには本当に驚かされた。冷淡な人だと思っていたが、案外にそうではなかったらしい。
「刑を終えたらクーラウで働かせてやるって言ったそうじゃない。本当、オーナーってクールよね」
――この場合のクールは褒め言葉だろうと思われ、素直に同意した。
「そう言えば、寧々ったら佐藤君に『刑を終えるまで絶対に店にいて下さいよ』って愛の告白をされたって? 佳乃から聞いたわよ。やるー」
確かに別れ際にそんなことを言われた……でも、「違うよ」と否定する。あれは単に懐かれただけだ。子犬が飼い主に甘えるような? そんな感じだった。深い意味はないと思う。
しかし……なにはともあれ、あの力が人の役に立ったということが何気に嬉しかった。
ブロッコリー入りマッシュポテトを、フォークの上に置いたままマミさんが身を乗り出した。
「でも、それで分かっちゃった!」
「何がです?」
「“アクア&マリン”の件よ」
マミさんも気付いていたようだ。三橋さんの態度がおかしかったことを。
「きっと亮兄がお金を払ったから、亮次は怒って出て行っちゃったのよ。亮次って昔から曲がったことが大嫌いだったから」
謎は解けたとばかりに興奮しているマミさんに、「早く食べないとディナーの時間になっちゃいますよ」と注意をするが……一向に話は止まらない。
「でも、それよりビックリしたのが西園寺オーナーよ!」
それは私も驚いた。樫野チーフの提案を飲み、陳情書を書いたのだから。あの西園寺オーナーがだ!
だが、驚くべきことはそれだけではなかった。
いろいろ調べていくうちに佐藤君は19歳、まだ未成年だったことが判明した。
探偵社にいたから変装はお手の物だろうが、我々は二十六歳という言葉にまんまと騙された。
西園寺オーナーはそれを怒りもせず、乗りかかった船? 天涯孤独だという彼の身元引受人になってしまったのだ。これには本当に驚かされた。冷淡な人だと思っていたが、案外にそうではなかったらしい。
「刑を終えたらクーラウで働かせてやるって言ったそうじゃない。本当、オーナーってクールよね」
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「そう言えば、寧々ったら佐藤君に『刑を終えるまで絶対に店にいて下さいよ』って愛の告白をされたって? 佳乃から聞いたわよ。やるー」
確かに別れ際にそんなことを言われた……でも、「違うよ」と否定する。あれは単に懐かれただけだ。子犬が飼い主に甘えるような? そんな感じだった。深い意味はないと思う。
しかし……なにはともあれ、あの力が人の役に立ったということが何気に嬉しかった。
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