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第4章 美しい女性
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一笑されたが、西園寺オーナーは利息なしの六回払いにしてくれた。
だが、ブティックでは王道どおりにファッションショーが繰り広げられ、私は早くも疲労困憊した。
「ごねていた割りには、結構ノリノリだったじゃないか。やっぱり女だな」
運転席で西園寺オーナーがクッと笑いを噛み殺した。
それは誤解だ! できるだけ出費が少なく、できるだけシンプルで、できるだけ露出の少ないものをササッと選ぼうとしたのに――ブティックのオーナーだというマダムまで現われ、思いとは真逆の洋服ばかり勧められ、断るたびに新しい服を出してきたのだ。
「あれは応戦していただけです」
ようやく決まった服は、濃紺のワンピースだった。色だけで言えばリクルートスーツと大差ないが、やはり大金を出しただけあって着心地が全然違う。
助手席で腕を上げ下げする私を、西園寺オーナーはチラリと見るとフッと口元を綻ばせた。
「まぁ、シンプルで面白味がない無難なチョイスだが、お前には似合っている」
「それは褒めて頂いたのでしょうか?」
「そう取っておけ」
無愛想に言いながらも、ちょっと耳が赤かった。もしかしたら照れているのだろうか? 青天の霹靂とはこのことだ。
「何だ?」
ジッと見つめていたからだろう。西園寺オーナーが怪訝な顔で訊ねる。
「いえ、西園寺オーナーも褒めることがあるんですね?」
「お前、私を何だと思っているんだ?」
「はぁ、サイボーグとかアンドロイドとか?」
「――お前って、素直なんだか馬鹿なんだか、毎度躊躇いもなく言いたいことをストレートに言うな」
どうしたのだろう? 微妙に西園寺オーナーの顔が変だ。いや、イケメンには違いないのだが、複雑な思いが表情に現われているというか……どうも変なのだ。
だが、ブティックでは王道どおりにファッションショーが繰り広げられ、私は早くも疲労困憊した。
「ごねていた割りには、結構ノリノリだったじゃないか。やっぱり女だな」
運転席で西園寺オーナーがクッと笑いを噛み殺した。
それは誤解だ! できるだけ出費が少なく、できるだけシンプルで、できるだけ露出の少ないものをササッと選ぼうとしたのに――ブティックのオーナーだというマダムまで現われ、思いとは真逆の洋服ばかり勧められ、断るたびに新しい服を出してきたのだ。
「あれは応戦していただけです」
ようやく決まった服は、濃紺のワンピースだった。色だけで言えばリクルートスーツと大差ないが、やはり大金を出しただけあって着心地が全然違う。
助手席で腕を上げ下げする私を、西園寺オーナーはチラリと見るとフッと口元を綻ばせた。
「まぁ、シンプルで面白味がない無難なチョイスだが、お前には似合っている」
「それは褒めて頂いたのでしょうか?」
「そう取っておけ」
無愛想に言いながらも、ちょっと耳が赤かった。もしかしたら照れているのだろうか? 青天の霹靂とはこのことだ。
「何だ?」
ジッと見つめていたからだろう。西園寺オーナーが怪訝な顔で訊ねる。
「いえ、西園寺オーナーも褒めることがあるんですね?」
「お前、私を何だと思っているんだ?」
「はぁ、サイボーグとかアンドロイドとか?」
「――お前って、素直なんだか馬鹿なんだか、毎度躊躇いもなく言いたいことをストレートに言うな」
どうしたのだろう? 微妙に西園寺オーナーの顔が変だ。いや、イケメンには違いないのだが、複雑な思いが表情に現われているというか……どうも変なのだ。
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