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第4章 美しい女性
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「話にならない。助手席に乗れ。一応、恋人設定だからな」
「そうですか? では、お邪魔します」
車の中はペパーミントの香りがした。
「――意外でした」
エンジンがかかるとカーステレオから、ピアノの調べに乗せてクラシックな曲が流れ始めた。
「何がだ?」
「車ですよ。国産車ですよね? これ」
「ああ、だが、その中でも最高級のものだ」
何気に自慢?
「愛国心で、ですか?」
「そんな陳腐な理由じゃない。ただ……この車が好きなだけだ」
言い淀んだ? 他に何か理由がありそうだ。
しかし、本人が自慢するだけあって、乗り心地は最高に良かった。
「着いたぞ」
車はものの五分も走らずに止まったが、このままずっと乗っていたかったと夢心地だったのは、そこがいつもは素通りする、著名なブランド店が並ぶ通りの一角だと分かるときまでだった。
「まさかここで私に服を買えと?」
「そのまさかだが。何か文句があるのか?」
ありありだ! ここの洋服が幾らすると思っているんだ! ブランド物に興味のない私でも知っている。目の玉が飛び出るほど高いことを。
「怖じ気付いたのか? だが、乗り越えろ! これしきのことが乗り越えられないようでは私の恋人は務まらない」
いや、務められなくてもいいです……と思わず反論しそうになったが、その言葉をゴクリと飲み込む。
「――あのぉ、ものは相談なのですが」
「何だ?」
西園寺オーナーの鋭い眼がジロリと私を見る。
「――支払いは分割でお願いします」
「そうですか? では、お邪魔します」
車の中はペパーミントの香りがした。
「――意外でした」
エンジンがかかるとカーステレオから、ピアノの調べに乗せてクラシックな曲が流れ始めた。
「何がだ?」
「車ですよ。国産車ですよね? これ」
「ああ、だが、その中でも最高級のものだ」
何気に自慢?
「愛国心で、ですか?」
「そんな陳腐な理由じゃない。ただ……この車が好きなだけだ」
言い淀んだ? 他に何か理由がありそうだ。
しかし、本人が自慢するだけあって、乗り心地は最高に良かった。
「着いたぞ」
車はものの五分も走らずに止まったが、このままずっと乗っていたかったと夢心地だったのは、そこがいつもは素通りする、著名なブランド店が並ぶ通りの一角だと分かるときまでだった。
「まさかここで私に服を買えと?」
「そのまさかだが。何か文句があるのか?」
ありありだ! ここの洋服が幾らすると思っているんだ! ブランド物に興味のない私でも知っている。目の玉が飛び出るほど高いことを。
「怖じ気付いたのか? だが、乗り越えろ! これしきのことが乗り越えられないようでは私の恋人は務まらない」
いや、務められなくてもいいです……と思わず反論しそうになったが、その言葉をゴクリと飲み込む。
「――あのぉ、ものは相談なのですが」
「何だ?」
西園寺オーナーの鋭い眼がジロリと私を見る。
「――支払いは分割でお願いします」
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