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第6章 再就職
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「やっぱり、だてに賄い好きを気取ってないわね。そう、その卵、ただの卵じゃないの。だし汁だって最高の材料で取ってあるわ」
口の中の物をゴクリと飲み込み、「ただのとは、どういった品なのでしょう?」と身を乗り出して訊ねると、「うちの牧場に放し飼いになっている鶏が産んだ卵よ」と事も無げに答えてくれた。
この人は何を言っているのだろうと、ハテナマークを浮かべたまま樫野チーフを見る。すると彼はクスッと笑って「私、貴族の出なの」とウインクをした。
「へっ?」
「まぁ、普通驚くよな。友宏の爺さんがイギリス人で、伯爵というどえらい爵位を持つ身だ」
「――お伽の国の物語の世界ですね?」
麗しい顔はそれ故だったのね、と妙な納得をする。
「祖父様は世界各国に牧場やワイナリーを持っていて、いろんな動物が放し飼いになっているってわけ」
「日本にもそれがあり、その中に鶏も放し飼いになっているということですね?」
「そういうこと」と樫野チーフがニコリと微笑んだ。
「祖父様って何にでも研究熱心でね、動物たちの餌まで開発しちゃったの。結果これ。うちの鶏が産む卵はAランクの上をいくほど美味しい卵に認定されちゃった」
「だから、こんなに黄色が濃いんですね」
美味しいには訳があるというが、本当にそうだと思った瞬間だった。
「クーラウの卵や牛乳は友宏の牧場から仕入れている。というより、友宏はそれ以外使わないと言っても過言じゃない」
口の中の物をゴクリと飲み込み、「ただのとは、どういった品なのでしょう?」と身を乗り出して訊ねると、「うちの牧場に放し飼いになっている鶏が産んだ卵よ」と事も無げに答えてくれた。
この人は何を言っているのだろうと、ハテナマークを浮かべたまま樫野チーフを見る。すると彼はクスッと笑って「私、貴族の出なの」とウインクをした。
「へっ?」
「まぁ、普通驚くよな。友宏の爺さんがイギリス人で、伯爵というどえらい爵位を持つ身だ」
「――お伽の国の物語の世界ですね?」
麗しい顔はそれ故だったのね、と妙な納得をする。
「祖父様は世界各国に牧場やワイナリーを持っていて、いろんな動物が放し飼いになっているってわけ」
「日本にもそれがあり、その中に鶏も放し飼いになっているということですね?」
「そういうこと」と樫野チーフがニコリと微笑んだ。
「祖父様って何にでも研究熱心でね、動物たちの餌まで開発しちゃったの。結果これ。うちの鶏が産む卵はAランクの上をいくほど美味しい卵に認定されちゃった」
「だから、こんなに黄色が濃いんですね」
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「クーラウの卵や牛乳は友宏の牧場から仕入れている。というより、友宏はそれ以外使わないと言っても過言じゃない」
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