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19 女神はRPGのハードモードを参考にしたようだ
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アストリア世界に残してきた孤児の弟妹達にお金を送りたいだけの私ことサラ。
なのに、なんでかヤマト世界の魔王軍と戦うことになりつつある。
部外者を装うつもりだったのに、早くもマクハリの街で魔王軍の尖兵隊を退けちまった。
さらに、魔装が悪いタイミングで解けた。
アリア、ベン、ハンナ、3人の新たな英雄と一緒に街の人に囲まれてるとき、魔装のタイムリミット1時間が来てしまった。
素顔をリンカイ男爵や街の人にさらしちまった。
女神の神託が降りてわずか2日後。女神が使徒と言った人間の特徴と同じ銀髪で青い目なんだよ。
黒目黒髪ばかりのヤマト世界で目立つわな。
まあ、これでアリアの大切な人間を守ることに繋がりそうだから結果オーライだけどな。
◇◇
今は夜中。
海に続く森を走っている。
私はレベル45だけど、ステータスはHPや物理系が1325。MPと魔法系は1850。
素手でオーガを倒せるクラス。
そのステータスを生かした移動力で向かっているのがハジマリの洞窟。
チバの街から東に行った危険な森から飛び出た岬の下にある。
レベル10くらいのオオカミが群れで出たが、1匹をつかんで投げたら全部逃げた。
洞窟の中には『勇者5』のストーリーだったら、最初のオーブがあるそうだ。
普通ならアリアと来るけど、ネット民から警告があった。
ドロンを起動させて、アドバイスくれる視聴者とのチャット代わりに使っている。
『そういや聖女、先兵隊の隊長はレベルいくつだった』
「えーと、確か40だな」
『それ、ハードモードだぞ』
「ハードモード?」
勇者と5つのオーブは、元々が人気RPGゲーム。
そのリメイク版が発売10年を記念して作られた。
大きな特徴はイージー、ノーマル、ハードの3段階を選べること。
イージーなら、さっきのマクハリの街の戦闘イベントでは、敵の隊長はレベル8。ノーマルなら18。
ところが、私達が戦ったのは雑魚で35~36。そして隊長は強化スキル持ちの40。
RPGの序盤は使徒、ベン、ハンナの3人で冒険。厳しすぎだろ。
「そんなんじゃ、最初で躓くだろーよ」
『だから、ハードモードだけは隠しダンジョンがあるんだよ』
『そういう場所で鍛えるの』
『チバの山の岩の間には、ウスイ上級ダンジョンが仕込まれてる。聖女がいきなり送られた、あそこだよ』
そういうことだ。なぜ、初心者冒険者の街近くに、上級の中でも高ランクのダンジョンがあるかと不思議だった。
ヤマトはハードモードの世界だったのだ。
だから今から行く海辺の洞窟には、アリアを連れて行けない。
イージーモードなら、洞窟に入れば勇者に渡すオーブが見つかる。ノーマルなら弱い敵が出てくる程度。
しかしハードモードでは、洞窟の中に初心者殺しの難敵が待っている。
オーガ族のレベル45のガオウがオーブを探しにきていて、使徒と出くわす。
必ず出くわす。
公式サイトの紹介では魔力低めでも、HPは600で物理攻撃力は720らしい。RPGの序盤の敵とは思えない。
幸いに私のMPは1420まで回復している。無理すれば切り札の結界魔装をギリギリ2回使える。
◆◆
問題の洞窟に到着した。ドロンは起動したまんま。
アストリア視聴者の期待通りに洞窟の中に光りが灯り、誰かが大きな声で喋っている。5人くらいいる。
「やはり、昨日の夜に落ちてきた流星を追いかけてきて正解だった」
「さすがガオウ様」
「して、上には報告するのですか?」
「せぬ。秘密裏にオーブの使い方を突き止め、強大な力を我が物とするのだ」
「おお、それは名案」
「ここに我々が来たことは、誰も知りませぬ」
「悲願が叶った暁には、お主らも魔王軍の幹部として取り立ててやる」
「期待しておりますぞガオウ様」
「これからは、我々の天下だ」
ちょっと洞窟を覗くと、奥行きは30メートル程度。幅、高さも10メートル程度。
コメント欄
『なんか会話がNPCっぽくない?』
『説明口調だな・・』
『勇者5の展開を思い出せて懐かしい。これはアリ』
『俺も』
『www』
しかし、洞窟の中にいるのはゲームの中の人ではない。思慮深い人もいれば、予想外の行動を取る馬鹿もいる。
「オーブか・・かじってみるか」
ガオウが、予想外の行動に出た。
ガオウが尖った牙で、思い切りオーブを噛んだ。
「汚ねえだろ、なにすんじゃ!」
私は思わず、突っ込みながら飛び出してしまった。
幸いにオーブは割れてなかった。
使徒にしか割ることができないという設定が健在で良かった。
「女、お前は何者だ!」
「通りすがりの使徒だ」
オーガのガオウが真ん中で、左右に2人ずつの鬼族が並んでいる。
ふざけているようだが気付いた。やっぱり、ここはゲームではなく現実世界だ。
完全にRPGのストーリー通りに人が動く訳ではない。
普通に、こいつらは軍人だ。
ここで誰かひとりでも逃したら、ゲームの強制力から解かれる。
私みたいな奴がチバエリアにいると魔王軍に報告が行く。さらに強い軍隊が編成されて魔族が侵攻してくる。
そしてマクハリの街の壊滅フラグが再び立つ。
再びアリアの大切な人が危険にさらされる。
『お、聖女、戦うのか』
「ああ、一匹でも逃がしたら孤児院に攻め込まれる気がする。だから・・」
『だから?』
「残酷な処理をする。同時接続を切った方がいいかも知れんぞ」
今夜の聖女サラチャンネルには『勇者と5つのオーブ』のファンも興味津々で訪れている。
だから同接で見ているアストリア人は22万人もいる。
スパチャは誰も投げ込んでくれないけれど、私の戦いに注目している。
なのに、なんでかヤマト世界の魔王軍と戦うことになりつつある。
部外者を装うつもりだったのに、早くもマクハリの街で魔王軍の尖兵隊を退けちまった。
さらに、魔装が悪いタイミングで解けた。
アリア、ベン、ハンナ、3人の新たな英雄と一緒に街の人に囲まれてるとき、魔装のタイムリミット1時間が来てしまった。
素顔をリンカイ男爵や街の人にさらしちまった。
女神の神託が降りてわずか2日後。女神が使徒と言った人間の特徴と同じ銀髪で青い目なんだよ。
黒目黒髪ばかりのヤマト世界で目立つわな。
まあ、これでアリアの大切な人間を守ることに繋がりそうだから結果オーライだけどな。
◇◇
今は夜中。
海に続く森を走っている。
私はレベル45だけど、ステータスはHPや物理系が1325。MPと魔法系は1850。
素手でオーガを倒せるクラス。
そのステータスを生かした移動力で向かっているのがハジマリの洞窟。
チバの街から東に行った危険な森から飛び出た岬の下にある。
レベル10くらいのオオカミが群れで出たが、1匹をつかんで投げたら全部逃げた。
洞窟の中には『勇者5』のストーリーだったら、最初のオーブがあるそうだ。
普通ならアリアと来るけど、ネット民から警告があった。
ドロンを起動させて、アドバイスくれる視聴者とのチャット代わりに使っている。
『そういや聖女、先兵隊の隊長はレベルいくつだった』
「えーと、確か40だな」
『それ、ハードモードだぞ』
「ハードモード?」
勇者と5つのオーブは、元々が人気RPGゲーム。
そのリメイク版が発売10年を記念して作られた。
大きな特徴はイージー、ノーマル、ハードの3段階を選べること。
イージーなら、さっきのマクハリの街の戦闘イベントでは、敵の隊長はレベル8。ノーマルなら18。
ところが、私達が戦ったのは雑魚で35~36。そして隊長は強化スキル持ちの40。
RPGの序盤は使徒、ベン、ハンナの3人で冒険。厳しすぎだろ。
「そんなんじゃ、最初で躓くだろーよ」
『だから、ハードモードだけは隠しダンジョンがあるんだよ』
『そういう場所で鍛えるの』
『チバの山の岩の間には、ウスイ上級ダンジョンが仕込まれてる。聖女がいきなり送られた、あそこだよ』
そういうことだ。なぜ、初心者冒険者の街近くに、上級の中でも高ランクのダンジョンがあるかと不思議だった。
ヤマトはハードモードの世界だったのだ。
だから今から行く海辺の洞窟には、アリアを連れて行けない。
イージーモードなら、洞窟に入れば勇者に渡すオーブが見つかる。ノーマルなら弱い敵が出てくる程度。
しかしハードモードでは、洞窟の中に初心者殺しの難敵が待っている。
オーガ族のレベル45のガオウがオーブを探しにきていて、使徒と出くわす。
必ず出くわす。
公式サイトの紹介では魔力低めでも、HPは600で物理攻撃力は720らしい。RPGの序盤の敵とは思えない。
幸いに私のMPは1420まで回復している。無理すれば切り札の結界魔装をギリギリ2回使える。
◆◆
問題の洞窟に到着した。ドロンは起動したまんま。
アストリア視聴者の期待通りに洞窟の中に光りが灯り、誰かが大きな声で喋っている。5人くらいいる。
「やはり、昨日の夜に落ちてきた流星を追いかけてきて正解だった」
「さすがガオウ様」
「して、上には報告するのですか?」
「せぬ。秘密裏にオーブの使い方を突き止め、強大な力を我が物とするのだ」
「おお、それは名案」
「ここに我々が来たことは、誰も知りませぬ」
「悲願が叶った暁には、お主らも魔王軍の幹部として取り立ててやる」
「期待しておりますぞガオウ様」
「これからは、我々の天下だ」
ちょっと洞窟を覗くと、奥行きは30メートル程度。幅、高さも10メートル程度。
コメント欄
『なんか会話がNPCっぽくない?』
『説明口調だな・・』
『勇者5の展開を思い出せて懐かしい。これはアリ』
『俺も』
『www』
しかし、洞窟の中にいるのはゲームの中の人ではない。思慮深い人もいれば、予想外の行動を取る馬鹿もいる。
「オーブか・・かじってみるか」
ガオウが、予想外の行動に出た。
ガオウが尖った牙で、思い切りオーブを噛んだ。
「汚ねえだろ、なにすんじゃ!」
私は思わず、突っ込みながら飛び出してしまった。
幸いにオーブは割れてなかった。
使徒にしか割ることができないという設定が健在で良かった。
「女、お前は何者だ!」
「通りすがりの使徒だ」
オーガのガオウが真ん中で、左右に2人ずつの鬼族が並んでいる。
ふざけているようだが気付いた。やっぱり、ここはゲームではなく現実世界だ。
完全にRPGのストーリー通りに人が動く訳ではない。
普通に、こいつらは軍人だ。
ここで誰かひとりでも逃したら、ゲームの強制力から解かれる。
私みたいな奴がチバエリアにいると魔王軍に報告が行く。さらに強い軍隊が編成されて魔族が侵攻してくる。
そしてマクハリの街の壊滅フラグが再び立つ。
再びアリアの大切な人が危険にさらされる。
『お、聖女、戦うのか』
「ああ、一匹でも逃がしたら孤児院に攻め込まれる気がする。だから・・」
『だから?』
「残酷な処理をする。同時接続を切った方がいいかも知れんぞ」
今夜の聖女サラチャンネルには『勇者と5つのオーブ』のファンも興味津々で訪れている。
だから同接で見ているアストリア人は22万人もいる。
スパチャは誰も投げ込んでくれないけれど、私の戦いに注目している。
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