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「ふふ、今日もお疲れさまでしたマスター」
リーシャは己の胸に顔を埋めて眠るシロトの頭を優しく撫でながら、そう労いの言葉を口にした。女四人に男一人という圧倒的にシロトが不利な状況なのに、それでも力強かったその姿にリーシャは下腹部が熱くなるのを感じていた。まあいつもそうではあるのだがそれを言ってしまっては身も蓋もない。
サリアとミネット、シアも先ほどまでは色んな液体でドロドロだったのだが洗浄魔法で綺麗になっている。シロト同様に疲れたのかそれぞれその美しい裸体を晒しながら眠っていた。
疲れたのはもちろんだが、体力的にもまだ余裕のあるリーシャはシロトに触れて楽しんでいるというわけである。
「本当に、大きくなりましたね」
シロトが12歳の頃からリーシャは一緒だった。だからこそ、あれから8年が経ったことで当然シロトの体は大人へと変化した。体もそうだし考え方もそう、その全てが成人して頼れる風格を纏いだした。
初めて会った時はリーシャの方が背が高かったのに……そんな風に、大きくなったシロトを感慨深く思うのは母親を思わせるが、リーシャは正に母親のようでもあり姉のようでもあり、そして共に隣を歩くパートナーでもある。
「……ぅん……すぅ……リーシャ……」
「あら、一体どんな夢を見ているんでしょうか」
シロトの夢にまで自分は出ているらしい。現実の自分のように夢の中でもシロトを困らさせないでくれと思うが、おそらく困らせているんだろうなと苦笑する。
撫でていた手を止め、全身でシロトを抱きしめるようにしたリーシャはシロトの苦悩に想いを馳せる。守られるだけでいいのかと、自分は弱いままでいいのかとシロトが時々悩むことは知っている。流石に何年もこんな生活が続いたのでその悩みも薄くなってはいるが、それでも心の奥底に残るそれは消えていないようだ。
「マスターは決して弱くなどありませんよ」
それは慰めでも嘘でもなんでもない、リーシャは本心からそう思ってる。強さにはいろんな形があり、シロトを構成する強さは“想い”と“意思”だ。純粋な力が備わっていなくても、シロトから向けられる想いにリーシャたちは幾度となく安らぎを与えられている。
「……………」
目を閉じてリーシャはちょうど出会った頃のことを思い出す。
リーシャを創造するにあたり魔力切れで寝込んでいたシロトが起きてすぐ、初めてリーシャはシロトと共にお出かけした。生まれた瞬間からシロトを支えるための知識は宿っているが、地域に関することは分からなかった。
だからこそ、色々と覚えてもらいたいということでシロトと外に出たのだがまあ問題が起きないはずがなかった。
幼いシロトと17歳ほどに見えるリーシャは仲の良い姉弟に見えたことだろう。それにリーシャの見た目はこの世の人間では決して再現できないような天然の美貌を持っていた。故にそんなリーシャに絡む男が居るのは当然だった。
『なあ姉ちゃん、俺たちと良い事しないか?』
『そんなガキの相手するよりずっといいぜ?』
下種な感情を隠そうともしない姿に特に何も思わなかったが、愛するシロトをガキ呼ばわりされることは我慢できなかった。故に、シロトを誤魔化しつつスキルを使って殺そうと考えた。
【感覚支配】、ミネットの【掌握】よりは出力は弱いものの、対象が持つ感覚全てを狂わせるそれは強力なスキルだ。
『汚物が、消え失せろ』
この薄汚い男二人の感覚を狂わせ、自らの体を傷つけさせて殺してやろうと考えた。リーシャ自身が手を下さないのは余計な詮索をされないため、いきなり道のド真ん中で自傷し始めたら誰だって驚いてそれどころではないだろうから。
自ら腕を引き千切り、足を斬り落とし、舌を噛み切っても気づかない。頭がボーっとして自分自身が何をしているかも曖昧になってしまうからだ。醜い血だらけの肉団子になったとしても、体に流れる血液という名の燃料が枯れ果てない限りリーシャのスキルは終わらない。
シロトをガキ呼ばわりした罰はそれで決定だと、リーシャが男二人に対してスキルを発動しようとしたその時だった。
『悪いけど、この人は俺のものだ。アンタたちには渡さない』
その時のシロトとしては単純にリーシャを渡したくないという子供ながらの独占欲と、自分で創った人形だからこその言葉だった。ただリーシャからすれば、自分より小さな体ではあってもシロトからそう言われてしまえばもう濡れた。それはもう盛大に濡れた。
『……マスター』
目をハートにして顔を真っ赤にする姿は恋する乙女そのもの、しかしそう言われた男たちがシロトをターゲットにするのも必然だった。心を覆っていた残虐な部分は鳴りを潜め、リーシャは感覚支配のスキルを優しく使うことにした。
『へへ、それでいいんだよ姉ちゃん。それじゃあ行こうぜ』
『たっぷり可愛がってやるよ。今日を最高に日にしてやろうじゃねえか』
薄汚い男二人は互いの体を抱きしめ合うように宿へと向かっていった。その姿は周りからドン引きされ、シロトも幼いながらに気持ち悪さを感じたらしく吐きそうになっていた。リーシャは何食わぬ顔でシロトの背中を撫でた。
『それじゃあデートを再開しましょうマスター』
『お、おう!!』
結局、あの男二人がどうなったかはリーシャの知る由ではないが……まあ色んな意味で忘れられない濃厚な思い出が出来たことだろう。本来なら殺していたところだがそんな思い出作りをさせるなんてリーシャは何と優しい子なのだろうか。そんなナレーション染みたことを脳内で笑いながら口にしていた。
シロトとの記憶は楽しいものもあれば、今のように思い出すと腹の立つものも様々だ。けれどやっぱり、ただ傍に居れるだけでリーシャは幸せだった。
「マスター、この先何があっても私たちはあなたの傍に居ます。たとえ何が現れようとも心配はいりません。マスターが想ってくださるだけで、私はたとえ相手が不死身だとしても殺してみせます」
別に比喩表現ではなく実際に出来ることなのだが、そのリーシャの力が発揮される場面が果たして訪れるのか。訪れないことこそが平和の証だが、もしその時が来たらリーシャは自身の力を遺憾なく発揮するつもりである。
……でも今はせっかくなのでと、リーシャはシロトの口元に胸の先端を近づけた。
「あん♪」
あまがみされる感触に快感を覚えつつ、リーシャはシロトを独占するように決してその体を離すことはなかったのだった。眠ってしまい朝になるまで、それこそ他の3人に問い詰められるように見つめられて逃げ道を失くすその瞬間まで。
リーシャは己の胸に顔を埋めて眠るシロトの頭を優しく撫でながら、そう労いの言葉を口にした。女四人に男一人という圧倒的にシロトが不利な状況なのに、それでも力強かったその姿にリーシャは下腹部が熱くなるのを感じていた。まあいつもそうではあるのだがそれを言ってしまっては身も蓋もない。
サリアとミネット、シアも先ほどまでは色んな液体でドロドロだったのだが洗浄魔法で綺麗になっている。シロト同様に疲れたのかそれぞれその美しい裸体を晒しながら眠っていた。
疲れたのはもちろんだが、体力的にもまだ余裕のあるリーシャはシロトに触れて楽しんでいるというわけである。
「本当に、大きくなりましたね」
シロトが12歳の頃からリーシャは一緒だった。だからこそ、あれから8年が経ったことで当然シロトの体は大人へと変化した。体もそうだし考え方もそう、その全てが成人して頼れる風格を纏いだした。
初めて会った時はリーシャの方が背が高かったのに……そんな風に、大きくなったシロトを感慨深く思うのは母親を思わせるが、リーシャは正に母親のようでもあり姉のようでもあり、そして共に隣を歩くパートナーでもある。
「……ぅん……すぅ……リーシャ……」
「あら、一体どんな夢を見ているんでしょうか」
シロトの夢にまで自分は出ているらしい。現実の自分のように夢の中でもシロトを困らさせないでくれと思うが、おそらく困らせているんだろうなと苦笑する。
撫でていた手を止め、全身でシロトを抱きしめるようにしたリーシャはシロトの苦悩に想いを馳せる。守られるだけでいいのかと、自分は弱いままでいいのかとシロトが時々悩むことは知っている。流石に何年もこんな生活が続いたのでその悩みも薄くなってはいるが、それでも心の奥底に残るそれは消えていないようだ。
「マスターは決して弱くなどありませんよ」
それは慰めでも嘘でもなんでもない、リーシャは本心からそう思ってる。強さにはいろんな形があり、シロトを構成する強さは“想い”と“意思”だ。純粋な力が備わっていなくても、シロトから向けられる想いにリーシャたちは幾度となく安らぎを与えられている。
「……………」
目を閉じてリーシャはちょうど出会った頃のことを思い出す。
リーシャを創造するにあたり魔力切れで寝込んでいたシロトが起きてすぐ、初めてリーシャはシロトと共にお出かけした。生まれた瞬間からシロトを支えるための知識は宿っているが、地域に関することは分からなかった。
だからこそ、色々と覚えてもらいたいということでシロトと外に出たのだがまあ問題が起きないはずがなかった。
幼いシロトと17歳ほどに見えるリーシャは仲の良い姉弟に見えたことだろう。それにリーシャの見た目はこの世の人間では決して再現できないような天然の美貌を持っていた。故にそんなリーシャに絡む男が居るのは当然だった。
『なあ姉ちゃん、俺たちと良い事しないか?』
『そんなガキの相手するよりずっといいぜ?』
下種な感情を隠そうともしない姿に特に何も思わなかったが、愛するシロトをガキ呼ばわりされることは我慢できなかった。故に、シロトを誤魔化しつつスキルを使って殺そうと考えた。
【感覚支配】、ミネットの【掌握】よりは出力は弱いものの、対象が持つ感覚全てを狂わせるそれは強力なスキルだ。
『汚物が、消え失せろ』
この薄汚い男二人の感覚を狂わせ、自らの体を傷つけさせて殺してやろうと考えた。リーシャ自身が手を下さないのは余計な詮索をされないため、いきなり道のド真ん中で自傷し始めたら誰だって驚いてそれどころではないだろうから。
自ら腕を引き千切り、足を斬り落とし、舌を噛み切っても気づかない。頭がボーっとして自分自身が何をしているかも曖昧になってしまうからだ。醜い血だらけの肉団子になったとしても、体に流れる血液という名の燃料が枯れ果てない限りリーシャのスキルは終わらない。
シロトをガキ呼ばわりした罰はそれで決定だと、リーシャが男二人に対してスキルを発動しようとしたその時だった。
『悪いけど、この人は俺のものだ。アンタたちには渡さない』
その時のシロトとしては単純にリーシャを渡したくないという子供ながらの独占欲と、自分で創った人形だからこその言葉だった。ただリーシャからすれば、自分より小さな体ではあってもシロトからそう言われてしまえばもう濡れた。それはもう盛大に濡れた。
『……マスター』
目をハートにして顔を真っ赤にする姿は恋する乙女そのもの、しかしそう言われた男たちがシロトをターゲットにするのも必然だった。心を覆っていた残虐な部分は鳴りを潜め、リーシャは感覚支配のスキルを優しく使うことにした。
『へへ、それでいいんだよ姉ちゃん。それじゃあ行こうぜ』
『たっぷり可愛がってやるよ。今日を最高に日にしてやろうじゃねえか』
薄汚い男二人は互いの体を抱きしめ合うように宿へと向かっていった。その姿は周りからドン引きされ、シロトも幼いながらに気持ち悪さを感じたらしく吐きそうになっていた。リーシャは何食わぬ顔でシロトの背中を撫でた。
『それじゃあデートを再開しましょうマスター』
『お、おう!!』
結局、あの男二人がどうなったかはリーシャの知る由ではないが……まあ色んな意味で忘れられない濃厚な思い出が出来たことだろう。本来なら殺していたところだがそんな思い出作りをさせるなんてリーシャは何と優しい子なのだろうか。そんなナレーション染みたことを脳内で笑いながら口にしていた。
シロトとの記憶は楽しいものもあれば、今のように思い出すと腹の立つものも様々だ。けれどやっぱり、ただ傍に居れるだけでリーシャは幸せだった。
「マスター、この先何があっても私たちはあなたの傍に居ます。たとえ何が現れようとも心配はいりません。マスターが想ってくださるだけで、私はたとえ相手が不死身だとしても殺してみせます」
別に比喩表現ではなく実際に出来ることなのだが、そのリーシャの力が発揮される場面が果たして訪れるのか。訪れないことこそが平和の証だが、もしその時が来たらリーシャは自身の力を遺憾なく発揮するつもりである。
……でも今はせっかくなのでと、リーシャはシロトの口元に胸の先端を近づけた。
「あん♪」
あまがみされる感触に快感を覚えつつ、リーシャはシロトを独占するように決してその体を離すことはなかったのだった。眠ってしまい朝になるまで、それこそ他の3人に問い詰められるように見つめられて逃げ道を失くすその瞬間まで。
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