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番外編
海に行きましたが泳げません
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「そういえば、スタンフォード様」
妊娠が発覚、といっていいのかわからないけど、妊娠が分かってから2,3日経って落ち着いた頃。ふと、思い出した事があって、スタンフォードに声を掛けた。今は朝食兼お昼ご飯ですよ。昨夜もまぁまぁねっちょりとされましたがナニカ。
まあ、それはともかくとして。
「なんだ」
「プロポーズの時、砂浜でもしてくれたじゃない」
「そうだな。それが?」
「海で泳ぎたい」
そう言ったら、何言ってんだこいつという顔されましたよ。いや、まあ…妊娠中に言う私もあれかもしれないけど。
「出産して落ち着いてからでもいいんですけど」
「いや、そこじゃない。あーお前の世界はまぁまぁ…安全なのか」
「んん?安全、というと…まあ、砂浜でサメはでないけど」
「この世界だと魔物がうようよしてるぞ」
魔物。
「…魔物?」
「知識を調べろ。まあ、実際に見るのもいいがな」
言われて、そういえばそんな便利機能あったわねぇと思う。そうして思い描けば…サメに似た物はもちろんだけれど、基本的に人を襲う物だという事。食物連鎖ではないけれど、魔物同士で食べたり食べられたりがあるとか。
「お前の世界で言う…ぷらんくとん?そういう物すら魔物だからな。川はともかく海で船はもとより、漁はしない」
「えええ~あ、でも…この、か…かてぃーの?は、カツオに味が似てるとか書いてある…グローヌはまぐろ!?食べたい!」
伊勢海老とかズワイガニとかも情報が出て来るし、お宝の山じゃない!えぇ…もったいない!
「ふむ。お前の場合は…ニホンの知識があるからそういう結果が出るのか。なら、シルヴ連れていくか」
どうやらスタンフォードは私のご飯が美味しいと分かってくれているからか、すぐに行く準備をし始めた。私は…ただ待ってるだけです。
で、今砂浜に来てますが…えぇと?何故か、お城で見たメイド服とか、執事服とか…騎士服、というちょっと執事服の改良版って感じの服着てる人とかがいますが。
「この人たちは一体?」
「俺の専属全員来たな…シルヴの同僚というか同類だ」
「そ、そう…」
なにがどうしてその同僚の方達が勢ぞろいしているのかわからないんだけどね。というか、皆さん何やら剣持ってますが。え、メイドさんまで?
「えっと…」
「だから魔物だらけだと言っただろう。ぷらんくとんの類は…肌に噛みついて腫れたりする程度だが、空気に触れるとすぐ死ぬからまだいい。他の物は…止めを刺すか弱るまで砂浜で放置してもいいが、手間だしな」
「この場で調理してもいいっすけどね~王都じゃないんで、魔術で毒の類も分かるので、新種の毒とかあったら採取したいっす」
おおう…毒か。なるほど…思いつかなかったわ。でも、その毒かどうかは便利機能でわからないかな?と思って、フグを想像してみれば…この世界にも似た物はいたようで…ただ、まるっとしたヤツではなかったけど。
「…既存の毒か分からないけど…神経毒持ってる生物もいるみたいだけど、欲しい?」
「え、なにそれ、欲しいっす。この海にいるんすか」
「どうだろ…生息域…が、えぇと…あ、あぱ?あぴ?」
「アピーニョ海域か」
スタンフォードが嫌そうな顔をして言うと、シルヴさんもうげ。と声を漏らした。
「国交ないんで行けないじゃないっすか~」
「兄上になんとかしてもらうか。まあとりあえずは…」
国交がない、とか…一応謎知識で、こことは正反対に位置するらしいから、遠いな。そもそも国交の問題もあるし、という事で、スタンフォードはまず目の前の海をどうにかする事にしたらしい。
指で、空間に四角く線を描くと、何やらぶつぶつと言って…ごぱっ!と…目の前、というか結構距離有りそうだけど、水が四角く浮かび上がる。
「…なにしたんですかあれ」
「海水をそのまま四角く凍らせて、持ち上げた」
えぇ…あ、なんか段々大きくなる、っていうか…水じゃなくてものすんごくでっかい氷だな!!!というか…こんなに大きな氷という事は、それだけの容積を海水?海面?から取った訳で…津波とか起きない?大丈夫?と心配したら、さぁな。と言われた。おい。
「今の所はなんともないな。かなり遠くから取ってるから、こっちにまで影響しないのか、時間差で来るのかだろうが、まあなんとかなる」
結界もあるし、土魔法で壁を作ってもいいとか軽くいわれましたよ…魔術って便利すぎるな!
そうして、目の前に…これ、どれ位?小さい島位あるんじゃない?って位の大きさの氷が来ましたよ。
「やる事の規模が違いすぎる…」
「他にどうすれば安全なのか分からんしな。少しずつ氷を解かすから、回収してくれ。一応凍らせてるから死んでるだろうが…魔物だからな。用心してくれ」
ただ水を凍らせただけだからね。もしかしたら仮死状態になってて、氷が解ける事でまた復活するかもしれない、という事らしい。そうはいっても、水がないから、びちびちと跳ねるだけだろうけど…巨体だとそれでも危ないかな?
一応、溶けた水でもプランクトンが生きていたら事だからと、メイドさんに離れた場所に居るようにと連れていかれたけど…こう、パラソルとか、チェアとか用意されててね…お茶もジュースも用意してあるとかいわれて、なんだか至れり尽くせりなんだけれど。
「実際に作業してる人たちは大丈夫なの?」
スタンフォードも一緒にいますよ。遠くても操作は問題ないそうなので。
そう、危ないと遠ざけられたけれど、私達よりも実際にあの氷の傍で、デカイ魔物が出て来るのを待っている人たちの方が危ないと思うんだ。だからスタンフォードに聞けば、大丈夫だという。
「服はもちろんだが、風の魔術とか、結界使ってきちんと対策させてるから問題ない。まあ…ゆっくりしてろ」
海の魔物がどういった物なのか、という資料などはしっかりあるらしい。一番いいのは海に近づかない事だけれど、何かあった時の為にそういう研究はされているそうで。
「そういう知識も調べればすぐ出て来るはずだが…」
「つ、使い慣れてなくて」
メイドさんがちょっと離れた時に、小声でぼそぼそ言われましたが。そうなのよ。こうね、意外と使えば便利機能なんだけど…ほら、ネットにしろスマホにしろ、ぽちぽちとしらべる事を入力する、という前段階がある訳で。だから慣れないのよ…
「どうせしばらく暇だ。おそらくお前の目なら、あの氷の中にいる魔物の情報がでるはずだから、色々と使い倒せ」
あと、どの魔物を食べるのか決めろと言う。まあ、そうよね。そういえば、ワサビとかショウガ…あ。あった。普通に街で手に入るらしいから助かった。醤油に似た物はあるし…後は生で食べられるかどうか…あ、これも問題ないっぽい。寄生虫…は、いないけど、さっきのプランクトンが問題見たい。エラとか、口の中とかでしぶとく生きてる場合があるそうで。
ただ、真水だと長く生きられないらしい。おお…そんな弱点が…なら、水につけておけばいいかな。んーでも長くと言っても…あ。10分から30分で充分なのね。それ位なら悪くなる事もないか。
妊娠が発覚、といっていいのかわからないけど、妊娠が分かってから2,3日経って落ち着いた頃。ふと、思い出した事があって、スタンフォードに声を掛けた。今は朝食兼お昼ご飯ですよ。昨夜もまぁまぁねっちょりとされましたがナニカ。
まあ、それはともかくとして。
「なんだ」
「プロポーズの時、砂浜でもしてくれたじゃない」
「そうだな。それが?」
「海で泳ぎたい」
そう言ったら、何言ってんだこいつという顔されましたよ。いや、まあ…妊娠中に言う私もあれかもしれないけど。
「出産して落ち着いてからでもいいんですけど」
「いや、そこじゃない。あーお前の世界はまぁまぁ…安全なのか」
「んん?安全、というと…まあ、砂浜でサメはでないけど」
「この世界だと魔物がうようよしてるぞ」
魔物。
「…魔物?」
「知識を調べろ。まあ、実際に見るのもいいがな」
言われて、そういえばそんな便利機能あったわねぇと思う。そうして思い描けば…サメに似た物はもちろんだけれど、基本的に人を襲う物だという事。食物連鎖ではないけれど、魔物同士で食べたり食べられたりがあるとか。
「お前の世界で言う…ぷらんくとん?そういう物すら魔物だからな。川はともかく海で船はもとより、漁はしない」
「えええ~あ、でも…この、か…かてぃーの?は、カツオに味が似てるとか書いてある…グローヌはまぐろ!?食べたい!」
伊勢海老とかズワイガニとかも情報が出て来るし、お宝の山じゃない!えぇ…もったいない!
「ふむ。お前の場合は…ニホンの知識があるからそういう結果が出るのか。なら、シルヴ連れていくか」
どうやらスタンフォードは私のご飯が美味しいと分かってくれているからか、すぐに行く準備をし始めた。私は…ただ待ってるだけです。
で、今砂浜に来てますが…えぇと?何故か、お城で見たメイド服とか、執事服とか…騎士服、というちょっと執事服の改良版って感じの服着てる人とかがいますが。
「この人たちは一体?」
「俺の専属全員来たな…シルヴの同僚というか同類だ」
「そ、そう…」
なにがどうしてその同僚の方達が勢ぞろいしているのかわからないんだけどね。というか、皆さん何やら剣持ってますが。え、メイドさんまで?
「えっと…」
「だから魔物だらけだと言っただろう。ぷらんくとんの類は…肌に噛みついて腫れたりする程度だが、空気に触れるとすぐ死ぬからまだいい。他の物は…止めを刺すか弱るまで砂浜で放置してもいいが、手間だしな」
「この場で調理してもいいっすけどね~王都じゃないんで、魔術で毒の類も分かるので、新種の毒とかあったら採取したいっす」
おおう…毒か。なるほど…思いつかなかったわ。でも、その毒かどうかは便利機能でわからないかな?と思って、フグを想像してみれば…この世界にも似た物はいたようで…ただ、まるっとしたヤツではなかったけど。
「…既存の毒か分からないけど…神経毒持ってる生物もいるみたいだけど、欲しい?」
「え、なにそれ、欲しいっす。この海にいるんすか」
「どうだろ…生息域…が、えぇと…あ、あぱ?あぴ?」
「アピーニョ海域か」
スタンフォードが嫌そうな顔をして言うと、シルヴさんもうげ。と声を漏らした。
「国交ないんで行けないじゃないっすか~」
「兄上になんとかしてもらうか。まあとりあえずは…」
国交がない、とか…一応謎知識で、こことは正反対に位置するらしいから、遠いな。そもそも国交の問題もあるし、という事で、スタンフォードはまず目の前の海をどうにかする事にしたらしい。
指で、空間に四角く線を描くと、何やらぶつぶつと言って…ごぱっ!と…目の前、というか結構距離有りそうだけど、水が四角く浮かび上がる。
「…なにしたんですかあれ」
「海水をそのまま四角く凍らせて、持ち上げた」
えぇ…あ、なんか段々大きくなる、っていうか…水じゃなくてものすんごくでっかい氷だな!!!というか…こんなに大きな氷という事は、それだけの容積を海水?海面?から取った訳で…津波とか起きない?大丈夫?と心配したら、さぁな。と言われた。おい。
「今の所はなんともないな。かなり遠くから取ってるから、こっちにまで影響しないのか、時間差で来るのかだろうが、まあなんとかなる」
結界もあるし、土魔法で壁を作ってもいいとか軽くいわれましたよ…魔術って便利すぎるな!
そうして、目の前に…これ、どれ位?小さい島位あるんじゃない?って位の大きさの氷が来ましたよ。
「やる事の規模が違いすぎる…」
「他にどうすれば安全なのか分からんしな。少しずつ氷を解かすから、回収してくれ。一応凍らせてるから死んでるだろうが…魔物だからな。用心してくれ」
ただ水を凍らせただけだからね。もしかしたら仮死状態になってて、氷が解ける事でまた復活するかもしれない、という事らしい。そうはいっても、水がないから、びちびちと跳ねるだけだろうけど…巨体だとそれでも危ないかな?
一応、溶けた水でもプランクトンが生きていたら事だからと、メイドさんに離れた場所に居るようにと連れていかれたけど…こう、パラソルとか、チェアとか用意されててね…お茶もジュースも用意してあるとかいわれて、なんだか至れり尽くせりなんだけれど。
「実際に作業してる人たちは大丈夫なの?」
スタンフォードも一緒にいますよ。遠くても操作は問題ないそうなので。
そう、危ないと遠ざけられたけれど、私達よりも実際にあの氷の傍で、デカイ魔物が出て来るのを待っている人たちの方が危ないと思うんだ。だからスタンフォードに聞けば、大丈夫だという。
「服はもちろんだが、風の魔術とか、結界使ってきちんと対策させてるから問題ない。まあ…ゆっくりしてろ」
海の魔物がどういった物なのか、という資料などはしっかりあるらしい。一番いいのは海に近づかない事だけれど、何かあった時の為にそういう研究はされているそうで。
「そういう知識も調べればすぐ出て来るはずだが…」
「つ、使い慣れてなくて」
メイドさんがちょっと離れた時に、小声でぼそぼそ言われましたが。そうなのよ。こうね、意外と使えば便利機能なんだけど…ほら、ネットにしろスマホにしろ、ぽちぽちとしらべる事を入力する、という前段階がある訳で。だから慣れないのよ…
「どうせしばらく暇だ。おそらくお前の目なら、あの氷の中にいる魔物の情報がでるはずだから、色々と使い倒せ」
あと、どの魔物を食べるのか決めろと言う。まあ、そうよね。そういえば、ワサビとかショウガ…あ。あった。普通に街で手に入るらしいから助かった。醤油に似た物はあるし…後は生で食べられるかどうか…あ、これも問題ないっぽい。寄生虫…は、いないけど、さっきのプランクトンが問題見たい。エラとか、口の中とかでしぶとく生きてる場合があるそうで。
ただ、真水だと長く生きられないらしい。おお…そんな弱点が…なら、水につけておけばいいかな。んーでも長くと言っても…あ。10分から30分で充分なのね。それ位なら悪くなる事もないか。
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