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ルーヴェリア様の元へ向かいます(ヒロイン76と連携)
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着替えが済んで、出てきたネルア嬢を上から下まで眺める。うん、身体にあっていないという事もなさそうですし。ただ、もうすこしこう…レース付けたり、ボタンやリボンをつけたかったのですが。
「うん、ぴったりですね。本当はもっと飾り立てたかったのですが、怒られまして」
「いえ、ありがとうございます。傍付という事でしたら、これ位でよろしいのではなくて?」
「そうですね。では、いきましょうか」
確かにそうですね。傍付というか、メイドが飾り立てているのもおかしいですし。
「あの、流石に、城内では。それにこの恰好ですし」
「そうですね…失敗しました」
腕を出せば、拒否されてしまいました。確かに城内で…一応使用人にあたるので、仕方ないですね。
「では、ついて来てください。道すがら案内いたします」
「はい」
そう言って、お后様の宮殿の反対側に位置する、王城の王様…男性の王族が住む宮殿へと歩いて行く。王太子様の筆頭に先ほどジェスチャーで伝えておいたので、王太子様の執務室に向かう事は分かっているはずです。
さて、ドアへとつくと、こちらも同様に、男の騎士が二人、立っている。片方はうちのですね。もう片方は何度か見かけたことありますが、どこかの貴族の子だったはず。必要最低限のやり取りしかしませんが。
「ルーヴェリア様の筆頭。そちらの方がそうですか?」
うちの者は結構気安いので、こうやって声かけて来るのが普通なんですけどね。礼儀がどうとかちゃんとしろとか、そういうのはいいんですよ。ちゃんとして欲しい時は、そう指示しますので。
「そうですよ。ネルア嬢、こいつ、一応本家の…何番目でしたっけ」
「さあ…私もどうでもよくて」
「うちの者が警備でいるので、顔を見たことがなくてネルア嬢だと分からない場合もあるんですが、名乗ればすぐ下僕の様になっていただけますのでご安心を」
「いくらなんでも言い方選んでくださいよ。お嬢様にその表現はどうかとおもいますよ」
確かにそうですが…そもそも私のサポートについている者ですら下僕になりさがるでしょうね。私の大切な方なので。
「下僕でしょう?」
「まあそうですね。なんでもいう事聞きますよ、お嬢様」
「え、あ、あの、」
きちんと胸に手を当てて、礼をする姿は貴族の者と分かる仕草。やるときはきちんとやるんですよねぇ、こいつらって。けれど、妹分に釘をさされました。
「遊んでないで行きますよ、筆頭」
「そうですね。お前、ちゃんと他の者にも伝えてあるんでしょうね」
「ありますよ。ただ、やはり顔を合わせない事には」
「それは仕方ないでしょう。琥珀をつけていますので、大丈夫だと思いますけれど…気をつけなさい」
「かしこまりました。どうぞ」
毎日…かどうかはわかりませんが、互いの宮殿を行き来しますからね。それで引き止められでもしたら怒りを抑えられるかどうか。レイもいるとはいえ…こいつには特に身分を示すものを持たせてないので。ネルア嬢のメイドという位置なので、仕方ないんです。まあ…こいつらは城と言わずにどこへでも行けますのでね…そこら辺も考えたほうがいいですかね?
そうして、歩いて行きますが…王太子様の執務室への通路手前で、ルーヴェリア様に付けていた一人が来まして、どうやらルーヴェリア様はご自身の執務室へ移動したとの事。
…安全を考えたら、王太子様の執務室に居てくださった方がいいのですが…仕方ないですね。
「分かりました、ではそちらへ行きます」
そう返せば、私達の進行方向とは逆…来た方へと行きますが…どこかで裏に入り込むのでしょうね。さて、そう言われたからには、そのまままっすぐ行って、左へと曲がる。ルーヴェリア様の執務室はこちらなので。
「今の方は…」
「ルーヴェリア様についている者です。どうやら、ルーヴェリア様は執務室へ移動したそうなので、それを伝えに来てくれました」
「そう、ですか」
ネルア嬢に聞かれたのでそう答えますが…何か気になる事でもありましたかね…ちらりと背後を見てみますが…特に表情に変化はない。眼が合ったので、にこりと笑ってそのまま進む。
ルーヴェリア様の執務室へ到着しました。ドアをノックをして入れば…執務机の上に足を投げ出して座るルーヴェリア様の姿に、思わずため息をついてしまいました。
「何をなさっているのですか。そんなお行儀の悪い子に育てた覚え、ございませんよ」
「いや。一応王族っぽくしてみたんだが」
王族っぽくって…どこがですか。もう、ほんっと馬鹿ですね。
「うん、ぴったりですね。本当はもっと飾り立てたかったのですが、怒られまして」
「いえ、ありがとうございます。傍付という事でしたら、これ位でよろしいのではなくて?」
「そうですね。では、いきましょうか」
確かにそうですね。傍付というか、メイドが飾り立てているのもおかしいですし。
「あの、流石に、城内では。それにこの恰好ですし」
「そうですね…失敗しました」
腕を出せば、拒否されてしまいました。確かに城内で…一応使用人にあたるので、仕方ないですね。
「では、ついて来てください。道すがら案内いたします」
「はい」
そう言って、お后様の宮殿の反対側に位置する、王城の王様…男性の王族が住む宮殿へと歩いて行く。王太子様の筆頭に先ほどジェスチャーで伝えておいたので、王太子様の執務室に向かう事は分かっているはずです。
さて、ドアへとつくと、こちらも同様に、男の騎士が二人、立っている。片方はうちのですね。もう片方は何度か見かけたことありますが、どこかの貴族の子だったはず。必要最低限のやり取りしかしませんが。
「ルーヴェリア様の筆頭。そちらの方がそうですか?」
うちの者は結構気安いので、こうやって声かけて来るのが普通なんですけどね。礼儀がどうとかちゃんとしろとか、そういうのはいいんですよ。ちゃんとして欲しい時は、そう指示しますので。
「そうですよ。ネルア嬢、こいつ、一応本家の…何番目でしたっけ」
「さあ…私もどうでもよくて」
「うちの者が警備でいるので、顔を見たことがなくてネルア嬢だと分からない場合もあるんですが、名乗ればすぐ下僕の様になっていただけますのでご安心を」
「いくらなんでも言い方選んでくださいよ。お嬢様にその表現はどうかとおもいますよ」
確かにそうですが…そもそも私のサポートについている者ですら下僕になりさがるでしょうね。私の大切な方なので。
「下僕でしょう?」
「まあそうですね。なんでもいう事聞きますよ、お嬢様」
「え、あ、あの、」
きちんと胸に手を当てて、礼をする姿は貴族の者と分かる仕草。やるときはきちんとやるんですよねぇ、こいつらって。けれど、妹分に釘をさされました。
「遊んでないで行きますよ、筆頭」
「そうですね。お前、ちゃんと他の者にも伝えてあるんでしょうね」
「ありますよ。ただ、やはり顔を合わせない事には」
「それは仕方ないでしょう。琥珀をつけていますので、大丈夫だと思いますけれど…気をつけなさい」
「かしこまりました。どうぞ」
毎日…かどうかはわかりませんが、互いの宮殿を行き来しますからね。それで引き止められでもしたら怒りを抑えられるかどうか。レイもいるとはいえ…こいつには特に身分を示すものを持たせてないので。ネルア嬢のメイドという位置なので、仕方ないんです。まあ…こいつらは城と言わずにどこへでも行けますのでね…そこら辺も考えたほうがいいですかね?
そうして、歩いて行きますが…王太子様の執務室への通路手前で、ルーヴェリア様に付けていた一人が来まして、どうやらルーヴェリア様はご自身の執務室へ移動したとの事。
…安全を考えたら、王太子様の執務室に居てくださった方がいいのですが…仕方ないですね。
「分かりました、ではそちらへ行きます」
そう返せば、私達の進行方向とは逆…来た方へと行きますが…どこかで裏に入り込むのでしょうね。さて、そう言われたからには、そのまままっすぐ行って、左へと曲がる。ルーヴェリア様の執務室はこちらなので。
「今の方は…」
「ルーヴェリア様についている者です。どうやら、ルーヴェリア様は執務室へ移動したそうなので、それを伝えに来てくれました」
「そう、ですか」
ネルア嬢に聞かれたのでそう答えますが…何か気になる事でもありましたかね…ちらりと背後を見てみますが…特に表情に変化はない。眼が合ったので、にこりと笑ってそのまま進む。
ルーヴェリア様の執務室へ到着しました。ドアをノックをして入れば…執務机の上に足を投げ出して座るルーヴェリア様の姿に、思わずため息をついてしまいました。
「何をなさっているのですか。そんなお行儀の悪い子に育てた覚え、ございませんよ」
「いや。一応王族っぽくしてみたんだが」
王族っぽくって…どこがですか。もう、ほんっと馬鹿ですね。
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