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6rd
商店街×猫の鳴き声
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※こちらの作品は、『橋×靴紐』まで一連のストーリーとなっております。
──鈴の音色は、嘘を暴く
輪廻の果てに、真実はあるか──
*
……リンッ、
猫の鳴き声が聞こえた後、弾むような鈴の音が遠くで鳴る。
リンリン、リンッ……
その音が次第に近付く。
古びた商店街。その入り口付近にある肉屋の路地裏。名物コロッケの匂いにつられ、青いポリバケツに群がる野良猫どもなら見慣れている。
が、ソイツらは大概毛並みが悪く、飼い猫の印である首輪などはしていない。
ましてや、可憐な鈴の音を鳴らす猫など──
「お前には……女難の相が出ている」
リンッ……
一瞬で張り詰める空気。
その中で響く、若い女の声。
感情の一切を感じさせない話し方は、鋭利な金属で心臓をひと突きされたような気分だ。何より、気配を感じなかった事も助長しているが。
「……」
振り返れば、直ぐ背後にいたのは──制服姿の女子高生。
ストレートの長い黒髪。それなりに色気のある年頃の身体付き。目元には、猫の半面マスク。被っている……というより、その周辺の皮膚が盛り上がり、食い込んで一体化していると言った方が適切だろう。
「このままだとお前は、不幸な末路を辿る」
「……」
仮面の下から感じる、鋭い視線。
咥えていたしけもくが、ポロッと足元に落ちる。
獣人……いや、異形ともとれるそれを目の当たりにし、瞼が自然と大きく持ち上がる。
「一体何があったか、答えろ」
女が一歩、近付く。
その時、丈の短いスカートが僅かに捲れ、剥き出された生の太腿──絶対領域が目に付く。
こんな異様な状況にも関わらず、男の性というのは健在で。つい視線を向けてしまった行為に呆れながらも、後悔はなかった。
「……」
顔を見なけりゃ、美味そうなただの女子高生。丁度年上の女に辟易していた所だ。ちょっと話に付き合って、上手いことやり込めちまうか。
「女難、かどうかは解らねぇが。俺には結婚を約束した女性がいた。
純粋で、心根の優しい、俺思いのいい女だ。
でもある日……交通事故に遭って、あっけなく逝っちまってな──」
「──なら、その女の怨かもしれない。
女難を解きたければ、ついてくるがいい」
──鈴の音色は、嘘を暴く
輪廻の果てに、真実はあるか──
*
……リンッ、
猫の鳴き声が聞こえた後、弾むような鈴の音が遠くで鳴る。
リンリン、リンッ……
その音が次第に近付く。
古びた商店街。その入り口付近にある肉屋の路地裏。名物コロッケの匂いにつられ、青いポリバケツに群がる野良猫どもなら見慣れている。
が、ソイツらは大概毛並みが悪く、飼い猫の印である首輪などはしていない。
ましてや、可憐な鈴の音を鳴らす猫など──
「お前には……女難の相が出ている」
リンッ……
一瞬で張り詰める空気。
その中で響く、若い女の声。
感情の一切を感じさせない話し方は、鋭利な金属で心臓をひと突きされたような気分だ。何より、気配を感じなかった事も助長しているが。
「……」
振り返れば、直ぐ背後にいたのは──制服姿の女子高生。
ストレートの長い黒髪。それなりに色気のある年頃の身体付き。目元には、猫の半面マスク。被っている……というより、その周辺の皮膚が盛り上がり、食い込んで一体化していると言った方が適切だろう。
「このままだとお前は、不幸な末路を辿る」
「……」
仮面の下から感じる、鋭い視線。
咥えていたしけもくが、ポロッと足元に落ちる。
獣人……いや、異形ともとれるそれを目の当たりにし、瞼が自然と大きく持ち上がる。
「一体何があったか、答えろ」
女が一歩、近付く。
その時、丈の短いスカートが僅かに捲れ、剥き出された生の太腿──絶対領域が目に付く。
こんな異様な状況にも関わらず、男の性というのは健在で。つい視線を向けてしまった行為に呆れながらも、後悔はなかった。
「……」
顔を見なけりゃ、美味そうなただの女子高生。丁度年上の女に辟易していた所だ。ちょっと話に付き合って、上手いことやり込めちまうか。
「女難、かどうかは解らねぇが。俺には結婚を約束した女性がいた。
純粋で、心根の優しい、俺思いのいい女だ。
でもある日……交通事故に遭って、あっけなく逝っちまってな──」
「──なら、その女の怨かもしれない。
女難を解きたければ、ついてくるがいい」
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