俺達の行方【続編】

穂津見 乱

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最後の夜

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「弘人、喉渇いただろ?俺、何か買ってくるから待ってろ。」

ジーンズにシャツだけ羽織った剛が部屋を出て行く。独り残った俺は窓の外の夜景を眺めながら思いを馳せる。

煌めく街の灯り、河のように流れる車のライト、多くの人達が暮らす光の海。この街だけでなく日本中に…世界中に数多くの人々が暮らしている。その大多数の人間が住む世の中で、剛と巡り逢い互いに惹かれ合い恋をしている。まるで奇跡のような…運命のような恋なのかもしれない。

「なんか…すげぇよな…。剛と俺って奇跡みたいな感じ?これが運命…?」

独り言のように呟いて独りで照れる俺。

「俺は、剛がすげぇ好きだ。これからもずっと一緒に居たい…。剛……。」

剛と一緒に眺めた夜景を目に焼き付けるように窓にもたれてジッと見つめ続ける。

《俺は…、剛に…俺の全てを……》

俺は、心の中から溢れ出す熱い想いを胸に抱いて噛みしめる。

《俺の居場所は剛の隣だ。剛の居場所も俺の隣なんだよな……》


「弘人、ただいま。」

不意に聞こえた剛の声にドキンとなる。いつの間にか戻って来た剛が背後に立っている。

「うわっ!剛?!ビックリした~。いつの間に?!」

絶妙なタイミングでかけられた声に思わず顔が熱くなる。

「ただいま。弘人。」

「お帰り。剛…。」

その言葉に胸が熱くなる。些細な出来事でも嬉しくてたまらない。


「弘人、今日は本当に有り難うな。」

「俺の方こそ…有り難うな。剛…。」

「眠ってしまうの勿体ねぇよな。」

「うん、そうだな。」

「弘人…、好きだぜ…。」

「俺も…、好き…。」

布団の中で抱きしめ合う。愛おしくキスを交わす。お互いの温もりを感じ合いながら…いつしか眠りについた俺達。

《この幸せが永遠に続きますように》

幸せに抱かれながら、夢の中でそれを願う…。
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