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波紋
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コンコンコン―――
「失礼する…」
生徒会室の扉から入って来たのは、隣国の第2王子だった。
「ミランダル殿。 どうされましたか?」
「アルフォード…お前が此処へ来るとは珍しいな。 何かあったのか?」
俺が問い掛けた後、ジルベールが親し気に話しかけた。
(呼び捨てか…本当に親しくしてるんだな)
「2人だけか…?」
彼は室内を見渡し、他に人が居ないか確認している様だ。
「ええ。 他の人はまだ来ていませんが……何か内密の話でも?」
「出来れば聞かれない方がいいが…」
「…では、隣の応接室に行きましょうか。 防音設備が在るので安心して話せるでしょう」
応接室へ案内し、ソファに腰掛ける彼がテーブルの上に置いた物に、ジルベールと2人で息を呑んだ。
「「っ!?」 これは…」
「アルフォード…何なんだ…この教科書は…!?」
「先程、アリエル嬢が泣きながら俺に見せて来たんだ…」
俺は、切り裂かれた教科書を手に取りよく見てみた。
「見事な切り口だね…」
「インジャスタ男爵令嬢は犯人を見たのか?」
「いや…置き忘れてて、取りに戻ったらこの状態だったらしい…」
「これは、ショックだっただろうね…」
ジルベールが手を差し出して来たので彼に手渡す。
「…成程…ハサミで切ったと言うより、ナイフで切りつけたみたいだね」
確かに、執拗にナイフで切り刻んだ様に見える。
嫌がらせと言うにもこれは悪質過ぎるな…
「だが、犯人が分からないではどうする事も出来ないが…」
俺がそう言って彼を見ると、眉を顰めてジルベールに目を遣り、言い難そうに話した言葉に一瞬理解が遅れた。
「銀髪の女が教室から出るのを見たと…言っていたが…」
「「……………は!?」」
「失礼する…」
生徒会室の扉から入って来たのは、隣国の第2王子だった。
「ミランダル殿。 どうされましたか?」
「アルフォード…お前が此処へ来るとは珍しいな。 何かあったのか?」
俺が問い掛けた後、ジルベールが親し気に話しかけた。
(呼び捨てか…本当に親しくしてるんだな)
「2人だけか…?」
彼は室内を見渡し、他に人が居ないか確認している様だ。
「ええ。 他の人はまだ来ていませんが……何か内密の話でも?」
「出来れば聞かれない方がいいが…」
「…では、隣の応接室に行きましょうか。 防音設備が在るので安心して話せるでしょう」
応接室へ案内し、ソファに腰掛ける彼がテーブルの上に置いた物に、ジルベールと2人で息を呑んだ。
「「っ!?」 これは…」
「アルフォード…何なんだ…この教科書は…!?」
「先程、アリエル嬢が泣きながら俺に見せて来たんだ…」
俺は、切り裂かれた教科書を手に取りよく見てみた。
「見事な切り口だね…」
「インジャスタ男爵令嬢は犯人を見たのか?」
「いや…置き忘れてて、取りに戻ったらこの状態だったらしい…」
「これは、ショックだっただろうね…」
ジルベールが手を差し出して来たので彼に手渡す。
「…成程…ハサミで切ったと言うより、ナイフで切りつけたみたいだね」
確かに、執拗にナイフで切り刻んだ様に見える。
嫌がらせと言うにもこれは悪質過ぎるな…
「だが、犯人が分からないではどうする事も出来ないが…」
俺がそう言って彼を見ると、眉を顰めてジルベールに目を遣り、言い難そうに話した言葉に一瞬理解が遅れた。
「銀髪の女が教室から出るのを見たと…言っていたが…」
「「……………は!?」」
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