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第三章 元冒険者、まさかの二刀流になる
33:風の神と風の子どもと風の神子
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ビュンッ!
リッカルドの右横を矢が通りすぎた瞬間、彼の長髪が大きく揺れ、彼自身は目をつぶった。
「はっ! 何だ今のは」
口は動かせるらしいが、目を見開いたままその場でリッカルドは固まっている。
「何か分かりましたか?」
「……風を感じた。かなり強い風だ」
リッカルドはぎこちなく動き出し、こちらに歩いてきた。
「実戦で、敵の矢が俺にかすめたことは何度かあるよ。けど、こんなに強い風の流れを感じることはなかった」
確かに、矢は音もなく自分を襲ってくる印象だ。
さらに不可解なのは、ここに流れている風の向きと、リッカルドの髪が動いた方向が一致しないことだ。
「俺の予想では矢に力が加わってるって考えてたから、自分が矢に吸い寄せられるかと思ったんだ。でも、予想とは逆で俺が風のような力を受けた。矢から風が出ているんだと思う」
自分でも分からないと言おうとしたが、ふと思い出した。
「あの、私が冒険者だったとき、あまりにも下手すぎて飛ばした矢が自分の方に戻ってきたことがあって」
「そ、そうか」
口角がピクピクと動くリッカルド。笑わないでください、本当に下手だったので……。
「そのとき、風圧のようなものを感じた気がします。他の人が撃ったものではそう感じたことはありませんね」
「余計に分からなくなったね。でもこれだけは言える」
リッカルドが改まったように、私の目を見て言った。
「君は、他の弓使いには持っていない力がある。それは超能力かもしれないし、実力かもしれないけどね。でもこれで噂じゃなくて本当にあることだと判明した」
「私、まだ信じれてませんよ」
「撃った本人はそうだろうね。だけど、君が『普通ではない』ことは明らかだ」
矢から風を飛ばす能力なんて聞いたことないし、そもそもこの目で魔法を使える人を見たことがない。
まぁ、ずっと冒険者の世界に閉じこもっていたわけだし、追放されてから三カ月弱しか経ってないし、そういうものだよね。
「となると、矢から風が出ているなら、風を出した方向とは逆の方に進む力が出る。それで軌道修正は可能……か」
リッカルドが何やらつぶやき始めたが、話が私には難しすぎて理解できない。
ぽかんとしている私を見たリッカルドは「あぁ、すまないね。的は片づけておくから帰っていいよ」と、ようやく私を解放してくれた。
私は腕と胸の防具を外しながら、『矢から風を出す能力』が無意識に働いているのかもしれないと、自分が恐ろしく感じたのだった。
その帰り、私はこの前吟遊詩人らしき人を見かけた神殿の近くに行った。ちょうど昼の儀が行われている最中で、神殿の中から讃歌が聞こえている。
風の神・ウィンブレスに、どこかすがりたいような気持ちになったのだ。矢から風を出す能力など、そんなものは存在するのかと。
神殿の中に入ると、讃歌を歌う人たちが立っている大きなステージと、ずらりと並んだ長椅子が目に入ってきた。一番後ろのイスに座り、足元に道具を置くと、目を閉じて静かに讃歌を聴く。
不穏なものが一切ないこの音楽に、完全に心を委ねていた。
ずっと弓に打ちこんできた人生なので、音楽に触れることはなかったが、たまには神殿で讃歌を聴くのもいいなと思えてきた。
〈心地よい歌はやっぱりいいね〉
えっ!?
誰かがささやくような声がし、私はハッと目を開いた。周りを見回すが、私の近くには誰も座っておらず、誰かが直前に通りすぎたような形跡もない。
だ、誰の声……?
〈ボクたちの主様のことを、この人間たちは大切に思ってくれてるからね〉
〈うん、ここにくると浄化されるよ〉
喋っているのは一人ではないようだ。しかも会話の内容が奇妙なのである。
『ボクたちの主』というのは、おそらく風の神のことだろう。しかもこの声の主たちは、ここにいる私たちを『人間』と呼んでいる。
人間ではない? どういうこと?
〈あっ、あの人間、ボクたちの話してること聞こえてるかも〉
気づかれた!
〈ホントにー?〉
〈じゃあ聞いてみるよ。ねぇそこの銀髪の人、ボクたちの声聞こえてる?〉
私の顔面は一瞬で真っ青になった。何か得体の知れないものから話しかけられている。怖い。一旦ここを離れよう。
私は足元の道具をつかむと、早歩きで神殿をあとにする。
神殿から逃げるように走って、神殿が見えなくなったところで立ち止まった。
「はぁ、はぁ。今の何!? 怖い怖い怖い……」
世の中には、幽霊が見えたり幽霊の声が聞こえたりする人がいるそうだが、それは生まれつきだったり、大きな病気やケガをした人が多いそうだ。
だが私は生まれてこの方、見えたこともなければ聞こえたこともない。
私は首を傾げながらサヴァルモンテ亭に帰った。
エラと昼食を食べながら、私は午前中のこととさっきのことを話した。
「クリスタルにそんな能力があるのか。ふーん」
エラは戸惑うことなく信じているようだ。
「えっ、疑わないんですか」
「疑うも何も、リッカルドがそう裏づけてくれたんだろ? 事実は事実だ」
超能力を信じそうにないエラがあっさり信じていることに、戸惑いを隠せない私。
私はスプーンを持たない左手の手のひらを見て、眉をしかめる。
「もし、私が超能力を持ってるとしたら、エラさんはどう思います? 怖いですか」
エラは即答した。
「怖いっていうよりも、興味の方が勝つな。まぁ、対決のときに使われちゃあズルいとは思うけど。でも、他の人にはないものを持ってるって、かっこいいと思うな」
エラさんらしい答え。私の心が少し解れた。
「あと、さっき帰ってくる途中に神殿に寄って讃歌を聴いてきたんですけど……」
私は一呼吸置いて、謎の声のことを話し始める。
「『ボクたちの主様のことを、この人間たちは大切に思ってくれてる』とか、『あの人間、ボクたちの話してること聞こえてるかも』っていう声が聞こえてきて……」
初めは理解できていなさそうな素振りだったが、エラは何か思い出したようだ。
「それって、『風の子ども』じゃないか?」
「何ですか、それって」
「ウィンブレス神話に書いてあるやつだよ。風の神に仕える風の精霊だ」
元冒険者なので、あまり神話の内容は知らない。
「クリスタルのことだから神話の内容は知らないだろ?」
「はい」
「この世界のどこかに、自覚がないくらいの弱い超能力の素質を持った人間が生まれると、まず風の子どもが声をかけるらしいんだ。その声を受け取れる人間は風の神から『風の神子』に認定され、さらなる超能力を使うことができるらしい」
エラの言うことが本当ならば、確かにさっきの出来事と辻褄が合う。
私は『風の神子』なの……?
超能力やら風の神子やら、今日半日だけで不思議なことだらけで、私の頭はパンクしてしまった。
【第三章・終】
リッカルドの右横を矢が通りすぎた瞬間、彼の長髪が大きく揺れ、彼自身は目をつぶった。
「はっ! 何だ今のは」
口は動かせるらしいが、目を見開いたままその場でリッカルドは固まっている。
「何か分かりましたか?」
「……風を感じた。かなり強い風だ」
リッカルドはぎこちなく動き出し、こちらに歩いてきた。
「実戦で、敵の矢が俺にかすめたことは何度かあるよ。けど、こんなに強い風の流れを感じることはなかった」
確かに、矢は音もなく自分を襲ってくる印象だ。
さらに不可解なのは、ここに流れている風の向きと、リッカルドの髪が動いた方向が一致しないことだ。
「俺の予想では矢に力が加わってるって考えてたから、自分が矢に吸い寄せられるかと思ったんだ。でも、予想とは逆で俺が風のような力を受けた。矢から風が出ているんだと思う」
自分でも分からないと言おうとしたが、ふと思い出した。
「あの、私が冒険者だったとき、あまりにも下手すぎて飛ばした矢が自分の方に戻ってきたことがあって」
「そ、そうか」
口角がピクピクと動くリッカルド。笑わないでください、本当に下手だったので……。
「そのとき、風圧のようなものを感じた気がします。他の人が撃ったものではそう感じたことはありませんね」
「余計に分からなくなったね。でもこれだけは言える」
リッカルドが改まったように、私の目を見て言った。
「君は、他の弓使いには持っていない力がある。それは超能力かもしれないし、実力かもしれないけどね。でもこれで噂じゃなくて本当にあることだと判明した」
「私、まだ信じれてませんよ」
「撃った本人はそうだろうね。だけど、君が『普通ではない』ことは明らかだ」
矢から風を飛ばす能力なんて聞いたことないし、そもそもこの目で魔法を使える人を見たことがない。
まぁ、ずっと冒険者の世界に閉じこもっていたわけだし、追放されてから三カ月弱しか経ってないし、そういうものだよね。
「となると、矢から風が出ているなら、風を出した方向とは逆の方に進む力が出る。それで軌道修正は可能……か」
リッカルドが何やらつぶやき始めたが、話が私には難しすぎて理解できない。
ぽかんとしている私を見たリッカルドは「あぁ、すまないね。的は片づけておくから帰っていいよ」と、ようやく私を解放してくれた。
私は腕と胸の防具を外しながら、『矢から風を出す能力』が無意識に働いているのかもしれないと、自分が恐ろしく感じたのだった。
その帰り、私はこの前吟遊詩人らしき人を見かけた神殿の近くに行った。ちょうど昼の儀が行われている最中で、神殿の中から讃歌が聞こえている。
風の神・ウィンブレスに、どこかすがりたいような気持ちになったのだ。矢から風を出す能力など、そんなものは存在するのかと。
神殿の中に入ると、讃歌を歌う人たちが立っている大きなステージと、ずらりと並んだ長椅子が目に入ってきた。一番後ろのイスに座り、足元に道具を置くと、目を閉じて静かに讃歌を聴く。
不穏なものが一切ないこの音楽に、完全に心を委ねていた。
ずっと弓に打ちこんできた人生なので、音楽に触れることはなかったが、たまには神殿で讃歌を聴くのもいいなと思えてきた。
〈心地よい歌はやっぱりいいね〉
えっ!?
誰かがささやくような声がし、私はハッと目を開いた。周りを見回すが、私の近くには誰も座っておらず、誰かが直前に通りすぎたような形跡もない。
だ、誰の声……?
〈ボクたちの主様のことを、この人間たちは大切に思ってくれてるからね〉
〈うん、ここにくると浄化されるよ〉
喋っているのは一人ではないようだ。しかも会話の内容が奇妙なのである。
『ボクたちの主』というのは、おそらく風の神のことだろう。しかもこの声の主たちは、ここにいる私たちを『人間』と呼んでいる。
人間ではない? どういうこと?
〈あっ、あの人間、ボクたちの話してること聞こえてるかも〉
気づかれた!
〈ホントにー?〉
〈じゃあ聞いてみるよ。ねぇそこの銀髪の人、ボクたちの声聞こえてる?〉
私の顔面は一瞬で真っ青になった。何か得体の知れないものから話しかけられている。怖い。一旦ここを離れよう。
私は足元の道具をつかむと、早歩きで神殿をあとにする。
神殿から逃げるように走って、神殿が見えなくなったところで立ち止まった。
「はぁ、はぁ。今の何!? 怖い怖い怖い……」
世の中には、幽霊が見えたり幽霊の声が聞こえたりする人がいるそうだが、それは生まれつきだったり、大きな病気やケガをした人が多いそうだ。
だが私は生まれてこの方、見えたこともなければ聞こえたこともない。
私は首を傾げながらサヴァルモンテ亭に帰った。
エラと昼食を食べながら、私は午前中のこととさっきのことを話した。
「クリスタルにそんな能力があるのか。ふーん」
エラは戸惑うことなく信じているようだ。
「えっ、疑わないんですか」
「疑うも何も、リッカルドがそう裏づけてくれたんだろ? 事実は事実だ」
超能力を信じそうにないエラがあっさり信じていることに、戸惑いを隠せない私。
私はスプーンを持たない左手の手のひらを見て、眉をしかめる。
「もし、私が超能力を持ってるとしたら、エラさんはどう思います? 怖いですか」
エラは即答した。
「怖いっていうよりも、興味の方が勝つな。まぁ、対決のときに使われちゃあズルいとは思うけど。でも、他の人にはないものを持ってるって、かっこいいと思うな」
エラさんらしい答え。私の心が少し解れた。
「あと、さっき帰ってくる途中に神殿に寄って讃歌を聴いてきたんですけど……」
私は一呼吸置いて、謎の声のことを話し始める。
「『ボクたちの主様のことを、この人間たちは大切に思ってくれてる』とか、『あの人間、ボクたちの話してること聞こえてるかも』っていう声が聞こえてきて……」
初めは理解できていなさそうな素振りだったが、エラは何か思い出したようだ。
「それって、『風の子ども』じゃないか?」
「何ですか、それって」
「ウィンブレス神話に書いてあるやつだよ。風の神に仕える風の精霊だ」
元冒険者なので、あまり神話の内容は知らない。
「クリスタルのことだから神話の内容は知らないだろ?」
「はい」
「この世界のどこかに、自覚がないくらいの弱い超能力の素質を持った人間が生まれると、まず風の子どもが声をかけるらしいんだ。その声を受け取れる人間は風の神から『風の神子』に認定され、さらなる超能力を使うことができるらしい」
エラの言うことが本当ならば、確かにさっきの出来事と辻褄が合う。
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【第三章・終】
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