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諸悪の根源
金平糖の次は○○○ですか…
しおりを挟む成る程ねぇ。
昔のかみさんに似てる……かぁ…。
何となくその気持ち解るなぁ。
そう薬師は思う。
神の中ではいないと言っても過言では無い薬師の番持ちと言う事象。
それが有るから、昔いた妻子に思いを馳せる悉陀の気持ちも解るのだ。
それは、薬師にしか出来ない芸当。
番持ちだから解る思いに、薬師は小さなお節介を焼く事に決めた。
ストレージからトレイを取り出す。
四方が盛り上がり、クリーム色のベルベット生地で巻いているトレイ。
宝石店で、売り物を見せる時に取り出すトレイとさほど変わらないソレに、薬壺からパラパラと10粒程の金平糖を転がすと、トレイの上で掌の中に隠れる程までかき集めると、右掌でコロコロと転がす様に練り転がして行く。
その間、薬師はジッと自分の行動を見つめている。
しばらく転がって居ると、何を始めたのかと日光と悉陀がジッと薬師掌を見詰めて居るのに彼は気付いた。
クスリと薬師は笑って徐に右手をどけた。
其処には、金平糖からすっかり姿を変えたまあるい物体が転がっていた。
白に、ピンク色に、黄色。
日光は、とっさにあるお菓子を頭に浮かべた。
コレも、現代日本で凪が大好きだったお菓子だ。
なかなか手に入らなくて、ふるさと納税と、そのお菓子屋の抽選枠を手に入れる為にハガキを何枚も出していたのを思い出す。
「薬師様、このベースのお菓子、どうやって手に入れたんですか? 」
「メ○カ◎とハガキ20枚。知りたいのは、其処ですか、日光」
二人の会話に着いて行けない悉陀。
「凪様、きっと悔しがりますよ」
くつくつと笑う日光に、にんまりと笑う薬師。
「でもコレはミニの方ですからコンビニで買えますね」
「確かに」
「??? 」
薬師が話して、日光が合図地を打ち、悉陀は、何が何だか解らないと、言う丁だ。
薬師の出鱈目さは、薬でもやはり健在だった(うん、あのラムネですね~)。
薬師はまたもやストレージから今度は可愛い小瓶を取り出してラムネを入れた。
白がベースに、ピンクと黄色の小さくて丸っこいラムネ(乾燥剤入り)。
蓋をして逸れを悉陀の前に突き出した。
「一日一回夕食前に一粒。必ず一日一回一粒だぞ。美味いからって二つも三つも食うなよ。これはあくまでも薬だからな! 神気を半分に抑えてくれる。まず、今すぐ一粒食え」
「薬師様、本性出てますよ」
「あぁ私とした事が、大切な事ですから思わず地で言って仕舞いましたね。悉陀、水はいりません。チュアブルですから何処ででも口に出来ますよ。さぁ、早く」
丁寧に言い直してはいるが、有無を言わせない感は否めない。
悉陀は、言われた通り一粒口に入れた。
口に広がる爽やかな酸味と、甘味。
それは悉陀にとって、カルチャーショックを受けるような味わいだった。
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