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神獣朱雀『エレオノラ』
閑話②
しおりを挟むすいません、何かスランプ気味です。
この作者。なのでまた閑話に逃げて仕舞いましたがどうか、ご了承下さいませ。
─────────────
───────
──
「ねぇ、ルナティ、ほっんとこっちで合ってんのかなぁ? 」
そう抱えたぬいに話し掛けるのは、月の光を集めたような髪色持つ少年のような見た目の男。
見た目に騙されてはいけない。
この男、子供でもないし何も出来ない訳でも無い。
『エヘヘヘ~。皇家の居城は広いね~。道に迷っちゃった』
と、頼り無い事この上無いルナティに対しても寛大な態度で接する
訳が無い。
きゅむ、ぎゅむ、ぎゅむ、ぎゅむぎゅむぎゅむ。
手のひらで団子にしている。
「ド阿呆」
時間は深夜である。
辺りは寝静まっていて廊下は薄暗い。
そして、宮殿は古い。
「ん? 」
気付いたのは、月光が先だった。
『ん? 何なんでしょう? 』
「あの扉の前だ…… 」
長い長い廊下の先だった。
其処には、短パンにたっぷりなフリルがあしらってあるブラウスを着た、そっくりな男の子が二人立ちすくんでいた。
見ただけで、二人が双子だと言う事が解る。
その二人が、ジッと月光とルナティを見詰めていた。
何かが違う。
そう思わせるような二人の子供。
「あぁ、そうかぁ~。生気が無いんだわ。死者だな、ありゃあ」
『ひぇぇぇ!? 死んでるんですか!? あの子達!? 』
月光は、ジッと子供達を見ながら何となくだが、首を捻る。
── 何か見たことがある気がするんだよなぁ、この光景 ──
そう思いはするものの、思い出せないでいる。
── 何だ、何を忘れている? ──
その扉は、中に開く訳でも無く外に開く訳でも無かった。
「ああーっ!! 思い出したっ! ! マズいいっ! 」
記憶していたのは、双子の女の子だった。
しかし、此処に居るのは双子の男の子な訳で。
『何がマズいの? 』
事情を知らないルナティは、あの扉が開いたら、何が出てくるのかは知らないでいる。
「弥勒兄さん、何てイタズラすんだよ~っ!! バカーッ!! 」
そんな月光の叫びも虚しく、ゆっくりと扉が開いて行くのであった。
さてさて、この後この二人がどうなったかは弥勒のみぞ知る。
血の海、ざっぱ~ん。
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