35 / 78
ストーカーのストーカー
1
しおりを挟む
アイン商会、私が所有するキャラバンは、この領地に根付いて半年。
だが、優秀な会計士のおかげで、この領地の大部分の取引を牛耳るのは時間の問題だった。
スラムを根白にしていたギャング達は衰退し、スラムの人々には仕事と温かい食事が。
農民や商人達は、商会の登場により異国との取引も可能となった。
さらに言えば、アイン商会は各地に独自に施設を建て、それら全てを領民、移住民、旅人が使えるよう開放していた。
この公園と呼ばれる子供達が遊ぶ場も、アイン商会が設けたものである。
私がその公園を一望できる小さなベンチに座ると、中央にある噴水が水を一層強く湧き出した。
「レイザーくんは捕まってしまったか。」
残念だよと独り言を話しながら、男が私の隣に腰掛けた。
毒を盛った犯人、レイザーからポーンと言う言葉を聞いた私は、彼らが取引をしていた場所を聞き出しその場にやって来た。
「彼は、いい人間だった。」
しみじみと感慨深そうに頷きながらそう言った男を見て、私は足を組んでその上で頬杖をついた。
「いい人間は、人を殺そうとはしないでしょう。」
「どうだろう。君はいい人間だが、やる時はやる人だ。」
私を指差して言うと、男は被っていた帽子をゆっくり取って私に見せた。
男の容姿に思わず目を見開いて、皮肉ってやろうか心のうちで思案する。
「この帽子は良い。アイン商会の系列店で買ったものだが、材質もデザインも、老舗の帽子店に劣らない出来栄えだ。」
「そうですか。私何より驚いたのは、貴方のその薄寒くなった頭なんですけどね。」
「五年だぞ。人が変わるには十分すぎる。」
「変わりすぎだって言ってんのよ。別人かと思ったわ。」
この男から直接聞いたわけではないが、確か出会った頃でも二十歳は行ってなかった筈だ。
当時髪も美しいブロンドだった。
おそらく、今は二十代後半。
それにしては寂しい頭に、私は時とは無情だと呟いた。
「その通りだ。昔ゴロツキだった男は、今や王都のギャング組織を仕切るボスになった。」
「そのゴロツキが攫った子供は、皇帝になったわ。」
「そして、その子供を救った少女は、アイン商会の会長になった。」
時とは無常だが良いところもあると、男は言った。
帽子を被り直して、懐から小さな封筒を取り出し中身を取り出した。
毒が入っていた茶葉の箱と、同じロゴマークが入った封筒だ。
「この茶葉のおかげで、私はここまでのし上がれた。君は言っていた。雑草に思われているが、年月をかけて熟成させればどんな高級品にも勝ると。」
「確かに気づいたのは私だけど、それをここまでの商品にしたのは貴方の手腕よ。」
「あぁ、勿論だとも。だがきっと、君なら私よりもこの商品の旨味を引き立てられただろう。」
私にその茶葉を見せると、懐かしいよと男はそれを一枚口に含んだ。
「この酸味には驚かされた。まさか、自分より小さな子供に、毒を盛られるなんて考えもしなかったよ。」
「盛ってないから。勝手に貴方が勘違いしただけ。」
「だが、そう思わせるような口ぶりだったじゃないか。」
あの時の君は見事だったと当時を振り返っているのか、遠い目をする男に私は鼻で笑った。
この男は私を買い被りすぎだ。
ハロルドとお遊びで作った茶葉が、まさかギャング団の資金源になるとは思わなかったし、そもそもここまで人々にウケるとは思わなかった。
「王子を攫うのはかなりのリスクだったが、相応の見返りは貰えた。きっと皇帝からただ身代金を貰うだけじゃ、私はここまで来れなかった。君のおかげだ。」
「一国の王子攫うようなぶっ飛んだ思考の人が、ただのゴロツキで終わるわけないわ。私のおかげとか、死んでも触れ回らないでね。」
ただでさえ、反逆罪で疑われているのだ。
ギャングの勢力拡大の片棒を担いだとなれば、さらに罪状が増えてしまう。
わかっていると言った男は、嬉しそうに私を見て微笑んだ。
「君はポーンだ。」
「チェスの?貴方、私が教えてあげたチェス好きね。私を呼び出す時、その言葉を合言葉にもしてる。」
「そうだ、あんなゲームを思いつくのは君ぐらいなものだ。とりわけポーンは君を示す言葉に素晴らしい。」
ごめんなさいチェス作った人、著作権の侵害をお許しください。
私が内心で名も知らぬ作者に謝っていると、男は立ち上がって私を見下ろした。
「気づいていると思うが、レイザーくんは君が大公を誑かす悪女だと思っている。彼を唆したのは私だ、彼に罪はない。」
「わかってる。貴方は、私に毒を盛った仕返しがしたかったんでしょう。」
この男は私の敵ではないが、味方でもない。
故に、本当に私が毒を飲んで死んでいても、それまでの人間だと容易に切り捨てる。
それほどに残虐な男なのだ。
だがゴロツキだった頃、解毒剤はないって伝えた時の病院へ走って行く男の姿を思い出して、私はクスクスと笑った。
「安心して、命を奪うようなことはしないから。」
「それでこそ君だよ。」
ニコリと笑う男の姿は、人の良いおじさんに見えなくもない。
男が立ち去ろうと、私に背を向けた。
「ところで、貴方がスラムのギャング達に手を焼いたって聞いたから、態々スラムに商会の本部を建てたんだけど。」
どうお礼してくれるのと言うと、男は一歩進んだ足を後退させて、険しい顔つきで私を見た。
「私がおしゃべりするためだけに、貴方に会いに来るわけないでしょう。貴方の目と耳を貸してもらうわよ。」
それもそうだなと、悪い顔で笑った男。
それでこそ私が好きなポーンだよと、帽子を深く被った。
だが、優秀な会計士のおかげで、この領地の大部分の取引を牛耳るのは時間の問題だった。
スラムを根白にしていたギャング達は衰退し、スラムの人々には仕事と温かい食事が。
農民や商人達は、商会の登場により異国との取引も可能となった。
さらに言えば、アイン商会は各地に独自に施設を建て、それら全てを領民、移住民、旅人が使えるよう開放していた。
この公園と呼ばれる子供達が遊ぶ場も、アイン商会が設けたものである。
私がその公園を一望できる小さなベンチに座ると、中央にある噴水が水を一層強く湧き出した。
「レイザーくんは捕まってしまったか。」
残念だよと独り言を話しながら、男が私の隣に腰掛けた。
毒を盛った犯人、レイザーからポーンと言う言葉を聞いた私は、彼らが取引をしていた場所を聞き出しその場にやって来た。
「彼は、いい人間だった。」
しみじみと感慨深そうに頷きながらそう言った男を見て、私は足を組んでその上で頬杖をついた。
「いい人間は、人を殺そうとはしないでしょう。」
「どうだろう。君はいい人間だが、やる時はやる人だ。」
私を指差して言うと、男は被っていた帽子をゆっくり取って私に見せた。
男の容姿に思わず目を見開いて、皮肉ってやろうか心のうちで思案する。
「この帽子は良い。アイン商会の系列店で買ったものだが、材質もデザインも、老舗の帽子店に劣らない出来栄えだ。」
「そうですか。私何より驚いたのは、貴方のその薄寒くなった頭なんですけどね。」
「五年だぞ。人が変わるには十分すぎる。」
「変わりすぎだって言ってんのよ。別人かと思ったわ。」
この男から直接聞いたわけではないが、確か出会った頃でも二十歳は行ってなかった筈だ。
当時髪も美しいブロンドだった。
おそらく、今は二十代後半。
それにしては寂しい頭に、私は時とは無情だと呟いた。
「その通りだ。昔ゴロツキだった男は、今や王都のギャング組織を仕切るボスになった。」
「そのゴロツキが攫った子供は、皇帝になったわ。」
「そして、その子供を救った少女は、アイン商会の会長になった。」
時とは無常だが良いところもあると、男は言った。
帽子を被り直して、懐から小さな封筒を取り出し中身を取り出した。
毒が入っていた茶葉の箱と、同じロゴマークが入った封筒だ。
「この茶葉のおかげで、私はここまでのし上がれた。君は言っていた。雑草に思われているが、年月をかけて熟成させればどんな高級品にも勝ると。」
「確かに気づいたのは私だけど、それをここまでの商品にしたのは貴方の手腕よ。」
「あぁ、勿論だとも。だがきっと、君なら私よりもこの商品の旨味を引き立てられただろう。」
私にその茶葉を見せると、懐かしいよと男はそれを一枚口に含んだ。
「この酸味には驚かされた。まさか、自分より小さな子供に、毒を盛られるなんて考えもしなかったよ。」
「盛ってないから。勝手に貴方が勘違いしただけ。」
「だが、そう思わせるような口ぶりだったじゃないか。」
あの時の君は見事だったと当時を振り返っているのか、遠い目をする男に私は鼻で笑った。
この男は私を買い被りすぎだ。
ハロルドとお遊びで作った茶葉が、まさかギャング団の資金源になるとは思わなかったし、そもそもここまで人々にウケるとは思わなかった。
「王子を攫うのはかなりのリスクだったが、相応の見返りは貰えた。きっと皇帝からただ身代金を貰うだけじゃ、私はここまで来れなかった。君のおかげだ。」
「一国の王子攫うようなぶっ飛んだ思考の人が、ただのゴロツキで終わるわけないわ。私のおかげとか、死んでも触れ回らないでね。」
ただでさえ、反逆罪で疑われているのだ。
ギャングの勢力拡大の片棒を担いだとなれば、さらに罪状が増えてしまう。
わかっていると言った男は、嬉しそうに私を見て微笑んだ。
「君はポーンだ。」
「チェスの?貴方、私が教えてあげたチェス好きね。私を呼び出す時、その言葉を合言葉にもしてる。」
「そうだ、あんなゲームを思いつくのは君ぐらいなものだ。とりわけポーンは君を示す言葉に素晴らしい。」
ごめんなさいチェス作った人、著作権の侵害をお許しください。
私が内心で名も知らぬ作者に謝っていると、男は立ち上がって私を見下ろした。
「気づいていると思うが、レイザーくんは君が大公を誑かす悪女だと思っている。彼を唆したのは私だ、彼に罪はない。」
「わかってる。貴方は、私に毒を盛った仕返しがしたかったんでしょう。」
この男は私の敵ではないが、味方でもない。
故に、本当に私が毒を飲んで死んでいても、それまでの人間だと容易に切り捨てる。
それほどに残虐な男なのだ。
だがゴロツキだった頃、解毒剤はないって伝えた時の病院へ走って行く男の姿を思い出して、私はクスクスと笑った。
「安心して、命を奪うようなことはしないから。」
「それでこそ君だよ。」
ニコリと笑う男の姿は、人の良いおじさんに見えなくもない。
男が立ち去ろうと、私に背を向けた。
「ところで、貴方がスラムのギャング達に手を焼いたって聞いたから、態々スラムに商会の本部を建てたんだけど。」
どうお礼してくれるのと言うと、男は一歩進んだ足を後退させて、険しい顔つきで私を見た。
「私がおしゃべりするためだけに、貴方に会いに来るわけないでしょう。貴方の目と耳を貸してもらうわよ。」
それもそうだなと、悪い顔で笑った男。
それでこそ私が好きなポーンだよと、帽子を深く被った。
0
あなたにおすすめの小説
転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜
具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、
前世の記憶を取り戻す。
前世は日本の女子学生。
家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、
息苦しい毎日を過ごしていた。
ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。
転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。
女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。
だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、
横暴さを誇るのが「普通」だった。
けれどベアトリーチェは違う。
前世で身につけた「空気を読む力」と、
本を愛する静かな心を持っていた。
そんな彼女には二人の婚約者がいる。
――父違いの、血を分けた兄たち。
彼らは溺愛どころではなく、
「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。
ベアトリーチェは戸惑いながらも、
この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。
※表紙はAI画像です
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
うっかり結婚を承諾したら……。
翠月るるな
恋愛
「結婚しようよ」
なんて軽い言葉で誘われて、承諾することに。
相手は女避けにちょうどいいみたいだし、私は煩わしいことからの解放される。
白い結婚になるなら、思う存分魔導の勉強ができると喜んだものの……。
実際は思った感じではなくて──?
結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた
夏菜しの
恋愛
幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。
彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。
そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。
彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。
いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。
のらりくらりと躱すがもう限界。
いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。
彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。
これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?
エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
転生した子供部屋悪役令嬢は、悠々快適溺愛ライフを満喫したい!
木風
恋愛
婚約者に裏切られ、成金伯爵令嬢の仕掛けに嵌められた私は、あっけなく「悪役令嬢」として婚約を破棄された。
胸に広がるのは、悔しさと戸惑いと、まるで物語の中に迷い込んだような不思議な感覚。
けれど、この身に宿るのは、かつて過労に倒れた29歳の女医の記憶。
勉強も社交も面倒で、ただ静かに部屋に籠もっていたかったのに……
『神に愛された強運チート』という名の不思議な加護が、私を思いもよらぬ未来へと連れ出していく。
子供部屋の安らぎを夢見たはずが、待っていたのは次期国王……王太子殿下のまなざし。
逃れられない運命と、抗いようのない溺愛に、私の物語は静かに色を変えていく。
時に笑い、時に泣き、時に振り回されながらも、私は今日を生きている。
これは、婚約破棄から始まる、転生令嬢のちぐはぐで胸の騒がしい物語。
※本作は「小説家になろう」「アルファポリス」にて同時掲載しております。
表紙イラストは、Wednesday (Xアカウント:@wednesday1029)さんに描いていただきました。
※イラストは描き下ろし作品です。無断転載・無断使用・AI学習等は一切禁止しております。
©︎子供部屋悪役令嬢 / 木風 Wednesday
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる