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一学期編
大事になりそうな予感
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お花事件から数日、学園は長期休暇に入りました。
これでしばらくはエリカ嬢の奇行に悩まされなくてすみますね(笑)
休暇までの数日は、先生方の監視が厳しかったのか、特に問題はありませんでした。
・・・もっとも、アノ日は帰ってからの方が大変でしたが・・・
アノ日、屋敷に帰ると両親が揃って出迎えてくれました。
先生報告が早いね!!そしてお父様もお母様も笑顔が怖いよ?
美男美女の笑顔で目が笑っていないってすっごく怖いからね?
「お父様、お母様ただいま戻りました」
「「おかえりなさいマリア、サリエル」」
帰宅の挨拶をすると、例によって私はお母様から居間へ呼び出し。
お兄様はお父様から書斎へ呼び出されました。
お兄様は悪くないのに・・・申し訳ない気持ちでいっぱいです。
居間へ到着すると、着替えていないお兄様と両親が待ち受けていました。
えっ!?お兄様着替えないで良いの?
そう思った事が顔で出てしまっていたみたいですね。お父様が笑いを堪えながら座るように促されます。
「マリア。今朝は大変だったね。大丈夫かい?」
「大丈夫ですわお父様。ただ、お花が置かれていただけですもの。お花の種類はアレでしたが、お花に罪はないでしょう?」
「・・・まぁそうだが・・・・・・」
お父様は納得していないようですね~お母様はどうかしら?と見てみると・・・
うっわぁ・・・お兄様以上の不機嫌オーラが出てる・・・隣に座ってるお父様はよく平気だなぁ・・・
お母様の向かいに座っているお兄様は・・・若干顔色が悪いですね。わかります。私も当事者でなければ逃げたいです(泣)
「マリア。サリエルから聞いたが、そのエリカ・リナライトという令嬢が今後、問題を起こしたら留年または退学ということでマリアは納得しているのかな?」
「・・・えっと。退学までは望んではいませんが、私やクラスメイトたち、それに家族に迷惑がかからなければとは思っています」
「わかった。だが、今回の件では私はリナライト男爵夫妻に対して何も言わない訳には行かない。それはわかるね?」
「・・・はい。できれば男爵夫妻にはエリカ嬢の貴族令嬢としての礼儀作法について厳しく指導するようお伝えいただければと思います」
「なぜだい?」
「私は生まれてから今まで、貴族令嬢としての礼儀作法や常識を学んできましたが、エリカ嬢は違います。庶民として生きてきた年月が長いのです。一年やそこらで身に付けろというのは余りにも酷というものですし・・・それに、男爵夫妻に、お子はおりませんので、エリカ嬢を可愛がる気持ちも分からないでもありません」
「マリアは優しいね・・・自分に敵意を向けてきた相手を気遣う事ができるのだから」
って・・・お父様なんで涙目になってるの?そしてお母様は何で肩を震わせているの?
まさかお母様・・・笑いを堪えていますね?そうですね!?
お母様はどうにか笑いを収めると、真面目な顔して私を嗜めてきました。
「マリアの気持ちは分かりました。ですが、男爵令嬢が辺境伯家の令嬢に対して行った行為については看過することはできません。それはわかりますね?」
「・・・はい。ですが、留年はまだしも、学園を退学となるとエリカ嬢は社交界に参加することはできなくなってしまいます」
お母様が呆れたような視線を向けてきます。
私ナニか変な事言ったっけ?内心で首を傾げます。
「エリカ嬢は社交界に参加出来なくなるような行動をして、その行動も既に他の貴族家の夫人たちのサロンで話題になっているのですよ。最近ではリナライト男爵夫人をサロンでお見かけしなくなってきてますからね」
「そうなのですか?」
私は驚愕の事実に目を見開きます。お父様とお兄様もです。
さすがのお兄様も、そこまでは知らなかったのか・・・
先日まで、領地に帰っていたお父様が知らないのは仕方がないですが。
お母様は笑顔で続けます。
「そうですよ。さすがに、入学から数ヶ月。しかも一学期の間に3回も学園に呼び出され、さらに自宅謹慎中だった令嬢が学園に現れて更に騒動を起こしたのですから。監督不行き届き。自分と血が繋がっていないとはいえ、子供の躾もできない方。と言われていますよ」
そっかぁ・・・男爵夫人も可哀相に・・・3回ってことは、エリカ嬢がクラスに襲撃してきたときも呼び出されたのかぁ・・・もし、今回の件でも呼び出されたら4回目って事だよね・・・
「ですから、マリアが気にすることはありませんよ。退学になったとしてもそれは自業自得です」
お母様・・・辛辣ですね・・・お父様とお兄様もそこで頷かない!!
一人の令嬢の未来がかかっているのですよ?
確かに自業自得とは思うけど・・・さっきも言ったように、私や私の周りの人たちに迷惑が掛からなければ良いかなって思ってる私って薄情なのかしら?
「それに、今回の件は王宮にも報告が行っていますよ」
えっ!?何で王宮にまで報告がいくの?学園内で起こった問題でしょう?
私が不思議に思っていると、答えはお兄様からきました。
っていうか何でそんな可哀相な子を見るような目で私を見るの!?
「マリア。自分を同じクラスに第2王子とその婚約者、それに宰相のご子息であるジョージ・サルファーがいるだろう?そのクラスで起きた問題だし。それにジョージ・サルファーの婚約者は母上の実家であるエメリア侯爵令嬢なんだよ。自分の婚約者の従姉が逆恨みで嫌がらせをされたんだ。伯父様のエメリア侯爵も黙っていないだろうし、宰相閣下もこの事を軽視できない。自分の息子の婚約者の従姉と第2王子の婚約者に対して行われた行為を見過ごすわけにはいかないんだよ」
「ソニアの婚約者ってジョージ様だったのですか・・・知りませんでした。ですが、そのような事情でしたら、王宮に報告が行っても仕方がないですね」
しかしなんと言うか・・・気まずい・・・ひっじょう~に気まずい・・・
私は特に何とも思っていないけど、ドンドン話しが大事になっていく・・・
リリウム様の件に関しては、エリカ嬢のした事を見過ごせないけど、クラス襲撃とお花事件に関しては私は特に気にしてないのになぁ・・・
長期休暇までの数日何も起きなければ良いか・・・
休暇に入れば、リリウム様にも私にもエリカ嬢は何も出来ない訳だし。
若干黒い笑顔な両親とお兄様から現実逃避しつつ、お花事件の一日は過ぎていきました。
ちなみに、リナライト男爵夫妻は学園に4回目の呼び出しを受けたのは言うまでもありません。
その際に、次回問題を起こした場合は良くて留年、悪くて退学と警告されたみたいです
これでしばらくはエリカ嬢の奇行に悩まされなくてすみますね(笑)
休暇までの数日は、先生方の監視が厳しかったのか、特に問題はありませんでした。
・・・もっとも、アノ日は帰ってからの方が大変でしたが・・・
アノ日、屋敷に帰ると両親が揃って出迎えてくれました。
先生報告が早いね!!そしてお父様もお母様も笑顔が怖いよ?
美男美女の笑顔で目が笑っていないってすっごく怖いからね?
「お父様、お母様ただいま戻りました」
「「おかえりなさいマリア、サリエル」」
帰宅の挨拶をすると、例によって私はお母様から居間へ呼び出し。
お兄様はお父様から書斎へ呼び出されました。
お兄様は悪くないのに・・・申し訳ない気持ちでいっぱいです。
居間へ到着すると、着替えていないお兄様と両親が待ち受けていました。
えっ!?お兄様着替えないで良いの?
そう思った事が顔で出てしまっていたみたいですね。お父様が笑いを堪えながら座るように促されます。
「マリア。今朝は大変だったね。大丈夫かい?」
「大丈夫ですわお父様。ただ、お花が置かれていただけですもの。お花の種類はアレでしたが、お花に罪はないでしょう?」
「・・・まぁそうだが・・・・・・」
お父様は納得していないようですね~お母様はどうかしら?と見てみると・・・
うっわぁ・・・お兄様以上の不機嫌オーラが出てる・・・隣に座ってるお父様はよく平気だなぁ・・・
お母様の向かいに座っているお兄様は・・・若干顔色が悪いですね。わかります。私も当事者でなければ逃げたいです(泣)
「マリア。サリエルから聞いたが、そのエリカ・リナライトという令嬢が今後、問題を起こしたら留年または退学ということでマリアは納得しているのかな?」
「・・・えっと。退学までは望んではいませんが、私やクラスメイトたち、それに家族に迷惑がかからなければとは思っています」
「わかった。だが、今回の件では私はリナライト男爵夫妻に対して何も言わない訳には行かない。それはわかるね?」
「・・・はい。できれば男爵夫妻にはエリカ嬢の貴族令嬢としての礼儀作法について厳しく指導するようお伝えいただければと思います」
「なぜだい?」
「私は生まれてから今まで、貴族令嬢としての礼儀作法や常識を学んできましたが、エリカ嬢は違います。庶民として生きてきた年月が長いのです。一年やそこらで身に付けろというのは余りにも酷というものですし・・・それに、男爵夫妻に、お子はおりませんので、エリカ嬢を可愛がる気持ちも分からないでもありません」
「マリアは優しいね・・・自分に敵意を向けてきた相手を気遣う事ができるのだから」
って・・・お父様なんで涙目になってるの?そしてお母様は何で肩を震わせているの?
まさかお母様・・・笑いを堪えていますね?そうですね!?
お母様はどうにか笑いを収めると、真面目な顔して私を嗜めてきました。
「マリアの気持ちは分かりました。ですが、男爵令嬢が辺境伯家の令嬢に対して行った行為については看過することはできません。それはわかりますね?」
「・・・はい。ですが、留年はまだしも、学園を退学となるとエリカ嬢は社交界に参加することはできなくなってしまいます」
お母様が呆れたような視線を向けてきます。
私ナニか変な事言ったっけ?内心で首を傾げます。
「エリカ嬢は社交界に参加出来なくなるような行動をして、その行動も既に他の貴族家の夫人たちのサロンで話題になっているのですよ。最近ではリナライト男爵夫人をサロンでお見かけしなくなってきてますからね」
「そうなのですか?」
私は驚愕の事実に目を見開きます。お父様とお兄様もです。
さすがのお兄様も、そこまでは知らなかったのか・・・
先日まで、領地に帰っていたお父様が知らないのは仕方がないですが。
お母様は笑顔で続けます。
「そうですよ。さすがに、入学から数ヶ月。しかも一学期の間に3回も学園に呼び出され、さらに自宅謹慎中だった令嬢が学園に現れて更に騒動を起こしたのですから。監督不行き届き。自分と血が繋がっていないとはいえ、子供の躾もできない方。と言われていますよ」
そっかぁ・・・男爵夫人も可哀相に・・・3回ってことは、エリカ嬢がクラスに襲撃してきたときも呼び出されたのかぁ・・・もし、今回の件でも呼び出されたら4回目って事だよね・・・
「ですから、マリアが気にすることはありませんよ。退学になったとしてもそれは自業自得です」
お母様・・・辛辣ですね・・・お父様とお兄様もそこで頷かない!!
一人の令嬢の未来がかかっているのですよ?
確かに自業自得とは思うけど・・・さっきも言ったように、私や私の周りの人たちに迷惑が掛からなければ良いかなって思ってる私って薄情なのかしら?
「それに、今回の件は王宮にも報告が行っていますよ」
えっ!?何で王宮にまで報告がいくの?学園内で起こった問題でしょう?
私が不思議に思っていると、答えはお兄様からきました。
っていうか何でそんな可哀相な子を見るような目で私を見るの!?
「マリア。自分を同じクラスに第2王子とその婚約者、それに宰相のご子息であるジョージ・サルファーがいるだろう?そのクラスで起きた問題だし。それにジョージ・サルファーの婚約者は母上の実家であるエメリア侯爵令嬢なんだよ。自分の婚約者の従姉が逆恨みで嫌がらせをされたんだ。伯父様のエメリア侯爵も黙っていないだろうし、宰相閣下もこの事を軽視できない。自分の息子の婚約者の従姉と第2王子の婚約者に対して行われた行為を見過ごすわけにはいかないんだよ」
「ソニアの婚約者ってジョージ様だったのですか・・・知りませんでした。ですが、そのような事情でしたら、王宮に報告が行っても仕方がないですね」
しかしなんと言うか・・・気まずい・・・ひっじょう~に気まずい・・・
私は特に何とも思っていないけど、ドンドン話しが大事になっていく・・・
リリウム様の件に関しては、エリカ嬢のした事を見過ごせないけど、クラス襲撃とお花事件に関しては私は特に気にしてないのになぁ・・・
長期休暇までの数日何も起きなければ良いか・・・
休暇に入れば、リリウム様にも私にもエリカ嬢は何も出来ない訳だし。
若干黒い笑顔な両親とお兄様から現実逃避しつつ、お花事件の一日は過ぎていきました。
ちなみに、リナライト男爵夫妻は学園に4回目の呼び出しを受けたのは言うまでもありません。
その際に、次回問題を起こした場合は良くて留年、悪くて退学と警告されたみたいです
応援ありがとうございます!
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