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闘技会本戦開催
アキーエ対リュストゥング④
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闘技会の会場に光が溢れる。
アキーエが何かを放ったのはわかった。
そしておそらくその技はリュストゥングに直撃した。
光が収まった会場にはリュストゥングが地面に膝をつき、アキーエを見上げている姿があった‥
Bランク冒険者の前でSランク冒険者が膝をついているという場内の異様な光景に誰もが言葉を発さずに見守っている。
「降参」
そして立っているアキーエが大会委員の人にそう告げる。
そのままアキーエの身体は地面に倒れ込んだ‥
俺は場内に駆け込んで、アキーエの身体を支え起こす。
リュストゥングの勝ち名乗りがあっているが、そんな事は関係ない。
気絶しているアキーエの身体を抱えて場外に降りようとする。
「最後の技は未完成なのだろうな。俺に当てるよりも技を抑え込むのに力を注いでいたようだ。もしその技が完成していたのであれば、倒れていたのは俺かもしれん。」
場内を出ようとする俺とアキーエにリュストゥングがそう告げてくる。
もしそうだったとしてもリュストゥングには防ぐ手段があったのかもしれない。
しかしそれでもSランク冒険者からの最大の賛辞だろう。
こんなにぼろぼろになっても拾いたかった勝利。
でも届かなかった。
それでも俺はアキーエの事を尊敬する。
闘いの中で更に成長して、強くなったアキーエを。
そして‥
お疲れ様。
「おべらっ!」
アキーエを救護場所に連れてきた。
リュストゥングが会場をボコボコにしたので復旧に少し時間がかかるらしい。
試合は明日の予定だったが、もしかしたら2日後になるかもしれない。
俺とミミウはその事について発表があるらしいが、それを待つ間アキーエの側にいる事にした。
そしてアキーエの目が覚めた。
しかし‥
アキーエだよな?
カエルを踏み潰したような声で起きたけど、本当にアキーエだよな?
よく観察して見る。
よーく観察してみる。
うん。
可愛いな。
思わず抱きしめようとすると顔面に左パンチが入った。
いたし。
「なんなのよいったい?なんでマルコイはいきなり抱きつこうとしてるわけ?」
うむ。
状況が把握できないみたいだな。
若干俺のせいだが気にするまい。
「ここは救護場だ。ちょっと怪我がひどかったからここに運びこんだんだ。」
「‥‥‥‥そっか。わたし負けたんだね。」
「そうだな‥でも凄い闘いだった。尊敬するよ。」
アキーエは照れるように笑い小声で
「ありがとう。」
と言った。
「お疲れ様。」
あれほどの闘いをしたのだ。
ゆっくりと休んで欲しい。
「あ、そうだ。」
アキーエは首からペンダントを外して俺に渡した。
「これ壊れちゃった。返すわね。ありがとうマルコイ。」
アキーエから渡されたペンダントを確認すると宝石部分が綺麗に2つに割れていた。
使い切りの魔道具で自分で試したから効果はわかっていたけれど、ちゃんと機能してくれてよかった。
常に薄い魔力で全身を覆い一定以上の衝撃を受けたときに、その衝撃を魔石に肩代わりしてもらうものだ。
かなりの衝撃じゃないと効果がないので一撃で致命傷を受けた時などにしか機能しない。
アキーエが多数の傷を受けたのもそれが原因だ。
しかしそのペンダントが割れたということは‥
「煙のせいで見えなかったけど、あの中でそれだけのダメージを受けたのか?」
アキーエが何かを放ったのはわかった。
そしておそらくその技はリュストゥングに直撃した。
光が収まった会場にはリュストゥングが地面に膝をつき、アキーエを見上げている姿があった‥
Bランク冒険者の前でSランク冒険者が膝をついているという場内の異様な光景に誰もが言葉を発さずに見守っている。
「降参」
そして立っているアキーエが大会委員の人にそう告げる。
そのままアキーエの身体は地面に倒れ込んだ‥
俺は場内に駆け込んで、アキーエの身体を支え起こす。
リュストゥングの勝ち名乗りがあっているが、そんな事は関係ない。
気絶しているアキーエの身体を抱えて場外に降りようとする。
「最後の技は未完成なのだろうな。俺に当てるよりも技を抑え込むのに力を注いでいたようだ。もしその技が完成していたのであれば、倒れていたのは俺かもしれん。」
場内を出ようとする俺とアキーエにリュストゥングがそう告げてくる。
もしそうだったとしてもリュストゥングには防ぐ手段があったのかもしれない。
しかしそれでもSランク冒険者からの最大の賛辞だろう。
こんなにぼろぼろになっても拾いたかった勝利。
でも届かなかった。
それでも俺はアキーエの事を尊敬する。
闘いの中で更に成長して、強くなったアキーエを。
そして‥
お疲れ様。
「おべらっ!」
アキーエを救護場所に連れてきた。
リュストゥングが会場をボコボコにしたので復旧に少し時間がかかるらしい。
試合は明日の予定だったが、もしかしたら2日後になるかもしれない。
俺とミミウはその事について発表があるらしいが、それを待つ間アキーエの側にいる事にした。
そしてアキーエの目が覚めた。
しかし‥
アキーエだよな?
カエルを踏み潰したような声で起きたけど、本当にアキーエだよな?
よく観察して見る。
よーく観察してみる。
うん。
可愛いな。
思わず抱きしめようとすると顔面に左パンチが入った。
いたし。
「なんなのよいったい?なんでマルコイはいきなり抱きつこうとしてるわけ?」
うむ。
状況が把握できないみたいだな。
若干俺のせいだが気にするまい。
「ここは救護場だ。ちょっと怪我がひどかったからここに運びこんだんだ。」
「‥‥‥‥そっか。わたし負けたんだね。」
「そうだな‥でも凄い闘いだった。尊敬するよ。」
アキーエは照れるように笑い小声で
「ありがとう。」
と言った。
「お疲れ様。」
あれほどの闘いをしたのだ。
ゆっくりと休んで欲しい。
「あ、そうだ。」
アキーエは首からペンダントを外して俺に渡した。
「これ壊れちゃった。返すわね。ありがとうマルコイ。」
アキーエから渡されたペンダントを確認すると宝石部分が綺麗に2つに割れていた。
使い切りの魔道具で自分で試したから効果はわかっていたけれど、ちゃんと機能してくれてよかった。
常に薄い魔力で全身を覆い一定以上の衝撃を受けたときに、その衝撃を魔石に肩代わりしてもらうものだ。
かなりの衝撃じゃないと効果がないので一撃で致命傷を受けた時などにしか機能しない。
アキーエが多数の傷を受けたのもそれが原因だ。
しかしそのペンダントが割れたということは‥
「煙のせいで見えなかったけど、あの中でそれだけのダメージを受けたのか?」
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