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アリス IN 異世界地球
エリエス VS キッチュ
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【1回戦第2試合】
エリエスの攻撃を受け止めたキッチュ。かなりの速度の剣戟だったが、戦闘用キメラとして生み出されたキッチュは、その動きに対応していた
「喰らえっ!」
電気猪のDNAを組み込まれているキッチュは、瞬時に体内の臓器を震わせて電気を起こし、ソレを武器伝いにエリエスに雷を浴びせようとした
(エリエス!離れて!)
素早いバックステップで間を開けたエリエス
「ふぅ…危ない、危ない。面白い攻撃を致しますわね。侮れませんわ…」
(どうして!?キッチュの雷撃は詠唱無しなのに、どうして反応出来た!?)
詠唱抜きのスキルによる放電を初見ながら発動と同時のタイミングに、回避行動に移れたエリエスに疑問を持ったキッチュ
殺し合いの見世物showを生き延びて磨かれた彼女の勘が、エリエスに何か特別なチカラが有る事を教えてくれた
「何かあるなら、確かめればイイ!」
キッチュは戦闘用キメラとしての素早さと無尽蔵な体力を活かして、エリエスに対し四方八方から連続攻撃を続けた!その様子を横目で見守るレイドとアテナ
「キッチュの猛攻が軽くいなされるとは…流石、アテナ様とヘパイトス様のお孫様…お強いですね…」
「あの娘は自慢の孫じゃよ。多少自尊心が強いがな…あの人とワシの教えを綿のように吸収しよる。あの娘こそ、本当の天才かも知れんのぉ」
聞く人によれば老人の孫への溺愛を聞かされている様な話だが、【舞闘女神】と呼ばれた程の彼女の言葉に偽りはないのだろう
(何とかしてエリエスを先に倒して2対1にしなければ、こちらの勝ち目が…)
いくら元第1騎士団の長とは言え【舞闘女神】とタイマンで勝てる見込みは無い!と踏んでいるレイドは、キッチュに加勢する機会を伺っているのだが…
「余所見は良くないねぇ…そんなに隙を見せられたら、ワシが先にお主を喰らってしまうぞえ」
レイドの狙いはアテナにバレバレの様だ
(流石アテナ様、隙がないか。ならば…キッチュの善戦を期待するしかないか…)
キッチュは闇雲に連続攻撃をしていた訳ではなかった。エリエスのガードの反応が若干遅い攻撃方向を探っていた…
「喰らえっ!」
その反応が遅い2箇所を左右の爪で、同時に攻撃した
「くうっ!?」
左上から来る攻撃を剣で防ぎ、右下から来る攻撃を足で踏んで止めた
(動きを止めたな?)
キッチュは雷撃を放出するのではなく雷で発光し、エリエスの目にまばゆい光を浴びせた
「くあっ!目が…」
エリエスが目を瞑った瞬間、今まで見せなかった全速力で彼女の背後に周り腕を振り上げたキッチュ
「捕まえました♪」
「んなっ!?」
エリエスは背後にエクスカリバーを立てて持っていた。そのエクスカリバーから精霊であるロマーニャが、エネルギー体として実体化しキッチュの肩口と背中の羽をまとめて抱き留めた
「これまでですわね!」
エクスカリバーを片手に持ち替えたエリエスは、両手をキッチュの肘下と腰を掴み彼女を持ち上げた
「なっ、何を!?」
ロマーニャとエリエスに抱き締められ、完全に動きを封じられたキッチュ
「仕方のないジャジャ馬さんですね。捕まえるのに苦労しましたわ…あ、そーれぃ…っと!」
エリエスはキッチュを抱き上げたまま、全速力で走り出した!そのまま舞台の端でジャンプし場外に着地した
「場外!エリエス選手とキッチュ選手の敗北になります」
祖母に生気を与えて全力を出せないエリエスは、その状況でも祖母から頼まれた条件を狂い無く果たした
「コレが狙いだったのか…」
「ほっほっほ!コレで心置きなくお前さんとの戦いが楽しめるのぅ♪」
アテナの思惑通りに1VS1の状況になってしまったレイド。【生ける伝説】と謳(うた)われる彼女に、サシで挑まねばならない状況にされてしまった
キッチュから準決勝で戦おう!と言われていたヒイロとカルーアは、控え室に戻らずに戦いを見守っている
「こうなると、もう勝ち目は無いかな?」
「どうだろうな?100パー勝ち目が無いと覚悟してたらこうなる前に、意地でも何か行動したんじゃないか?」
「じゃあ、レイドさんには可能性がある。と?」
「どうだろうな?ただ、ひとつ言えるのは…俺ならアテナ様とひとりで向き合ったら…降参しちゃうだろうなぁ…」
「おいおい!」
ヒイロは何も弱腰でそんな事を言っているのではなく、舞台袖から見ていても…レイドと対峙しているアテナの威圧感が、半端なものではない事が伝わってきていた
「カルーアなら打つ手があるのか?」
「勝敗は分からなくても、ヤレるだけの事をやってから負けるよ」
「偉いなカルーアは…」
「ふふん!当然さ!」
数々の修羅場を潜って自信の付いたカルーアは、渾身のドヤ顔をヒイロに魅せびらかしたw
そんなカルーアの素振りが可愛く感じたヒイロは、優しく彼女の頭をナデナデする。それが嬉しいカルーアは、猫のような笑顔でゴロゴロと喜んでいた
「さてと…ワシらも始めるかのぉ」
「ズンっ!」2人の戦闘を身動きひとつせず見守っていたアテナが、遂にその1歩を進めレイドに近づく
「俺も覚悟を決めるか!」
騎士団が決死の戦闘に入る前の【覚悟の構え】を取るレイド。明らかに目付きが変わり、凄みを持たせたその眼光に興奮するアテナ
「良いねぇ、良いねぇ!ババアも年甲斐なく興奮しちゃうわねぇ(笑)」
歴戦の勇士でも気押されされそうなレイドの眼力も、アテナにとっては楽しみな玩具のひとつでしかない様な、そんな態度の彼女だった
続く
エリエスの攻撃を受け止めたキッチュ。かなりの速度の剣戟だったが、戦闘用キメラとして生み出されたキッチュは、その動きに対応していた
「喰らえっ!」
電気猪のDNAを組み込まれているキッチュは、瞬時に体内の臓器を震わせて電気を起こし、ソレを武器伝いにエリエスに雷を浴びせようとした
(エリエス!離れて!)
素早いバックステップで間を開けたエリエス
「ふぅ…危ない、危ない。面白い攻撃を致しますわね。侮れませんわ…」
(どうして!?キッチュの雷撃は詠唱無しなのに、どうして反応出来た!?)
詠唱抜きのスキルによる放電を初見ながら発動と同時のタイミングに、回避行動に移れたエリエスに疑問を持ったキッチュ
殺し合いの見世物showを生き延びて磨かれた彼女の勘が、エリエスに何か特別なチカラが有る事を教えてくれた
「何かあるなら、確かめればイイ!」
キッチュは戦闘用キメラとしての素早さと無尽蔵な体力を活かして、エリエスに対し四方八方から連続攻撃を続けた!その様子を横目で見守るレイドとアテナ
「キッチュの猛攻が軽くいなされるとは…流石、アテナ様とヘパイトス様のお孫様…お強いですね…」
「あの娘は自慢の孫じゃよ。多少自尊心が強いがな…あの人とワシの教えを綿のように吸収しよる。あの娘こそ、本当の天才かも知れんのぉ」
聞く人によれば老人の孫への溺愛を聞かされている様な話だが、【舞闘女神】と呼ばれた程の彼女の言葉に偽りはないのだろう
(何とかしてエリエスを先に倒して2対1にしなければ、こちらの勝ち目が…)
いくら元第1騎士団の長とは言え【舞闘女神】とタイマンで勝てる見込みは無い!と踏んでいるレイドは、キッチュに加勢する機会を伺っているのだが…
「余所見は良くないねぇ…そんなに隙を見せられたら、ワシが先にお主を喰らってしまうぞえ」
レイドの狙いはアテナにバレバレの様だ
(流石アテナ様、隙がないか。ならば…キッチュの善戦を期待するしかないか…)
キッチュは闇雲に連続攻撃をしていた訳ではなかった。エリエスのガードの反応が若干遅い攻撃方向を探っていた…
「喰らえっ!」
その反応が遅い2箇所を左右の爪で、同時に攻撃した
「くうっ!?」
左上から来る攻撃を剣で防ぎ、右下から来る攻撃を足で踏んで止めた
(動きを止めたな?)
キッチュは雷撃を放出するのではなく雷で発光し、エリエスの目にまばゆい光を浴びせた
「くあっ!目が…」
エリエスが目を瞑った瞬間、今まで見せなかった全速力で彼女の背後に周り腕を振り上げたキッチュ
「捕まえました♪」
「んなっ!?」
エリエスは背後にエクスカリバーを立てて持っていた。そのエクスカリバーから精霊であるロマーニャが、エネルギー体として実体化しキッチュの肩口と背中の羽をまとめて抱き留めた
「これまでですわね!」
エクスカリバーを片手に持ち替えたエリエスは、両手をキッチュの肘下と腰を掴み彼女を持ち上げた
「なっ、何を!?」
ロマーニャとエリエスに抱き締められ、完全に動きを封じられたキッチュ
「仕方のないジャジャ馬さんですね。捕まえるのに苦労しましたわ…あ、そーれぃ…っと!」
エリエスはキッチュを抱き上げたまま、全速力で走り出した!そのまま舞台の端でジャンプし場外に着地した
「場外!エリエス選手とキッチュ選手の敗北になります」
祖母に生気を与えて全力を出せないエリエスは、その状況でも祖母から頼まれた条件を狂い無く果たした
「コレが狙いだったのか…」
「ほっほっほ!コレで心置きなくお前さんとの戦いが楽しめるのぅ♪」
アテナの思惑通りに1VS1の状況になってしまったレイド。【生ける伝説】と謳(うた)われる彼女に、サシで挑まねばならない状況にされてしまった
キッチュから準決勝で戦おう!と言われていたヒイロとカルーアは、控え室に戻らずに戦いを見守っている
「こうなると、もう勝ち目は無いかな?」
「どうだろうな?100パー勝ち目が無いと覚悟してたらこうなる前に、意地でも何か行動したんじゃないか?」
「じゃあ、レイドさんには可能性がある。と?」
「どうだろうな?ただ、ひとつ言えるのは…俺ならアテナ様とひとりで向き合ったら…降参しちゃうだろうなぁ…」
「おいおい!」
ヒイロは何も弱腰でそんな事を言っているのではなく、舞台袖から見ていても…レイドと対峙しているアテナの威圧感が、半端なものではない事が伝わってきていた
「カルーアなら打つ手があるのか?」
「勝敗は分からなくても、ヤレるだけの事をやってから負けるよ」
「偉いなカルーアは…」
「ふふん!当然さ!」
数々の修羅場を潜って自信の付いたカルーアは、渾身のドヤ顔をヒイロに魅せびらかしたw
そんなカルーアの素振りが可愛く感じたヒイロは、優しく彼女の頭をナデナデする。それが嬉しいカルーアは、猫のような笑顔でゴロゴロと喜んでいた
「さてと…ワシらも始めるかのぉ」
「ズンっ!」2人の戦闘を身動きひとつせず見守っていたアテナが、遂にその1歩を進めレイドに近づく
「俺も覚悟を決めるか!」
騎士団が決死の戦闘に入る前の【覚悟の構え】を取るレイド。明らかに目付きが変わり、凄みを持たせたその眼光に興奮するアテナ
「良いねぇ、良いねぇ!ババアも年甲斐なく興奮しちゃうわねぇ(笑)」
歴戦の勇士でも気押されされそうなレイドの眼力も、アテナにとっては楽しみな玩具のひとつでしかない様な、そんな態度の彼女だった
続く
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