ようこそ幼い嫁候補たち ②

龍之介21時

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アリス IN 異世界地球

ミアナ憤慨!

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【王都クラウン コロシアム】
「ここは戦場じゃないって言ったでしょ!?こんなのはもう試合じゃないでしょうがっ!!」

アンナローザの肩を掴む徳川有栖の目は「本気で消すぞ!」と物語っている戦時下の殺意に満ちたモノだった。そこへ…

「アンナローザよ!」

VIP席からロード王が魔法マイクを使い話しかけてきた

「暴挙をすれば生命の保証は出来ないと言っておいたハズだが…最後の行為はなんと釈明するつもりだ!?」

最後のミンクへの2人がかりでの攻撃までは、ヒートアップし過ぎたが故の行為と言えば…ギリギリ分からなくもない
だが!最後、ミンクの身体を魔改造しようとした行為は明らかに試合の度を越していた。そのあまりに非道な行為に観客席は阿鼻叫喚だった

「も、申し訳ありませんでしたロード王。深く謝罪申し上げます…ですが、屈強なる臥龍族との戦いで半分無意識下での戦闘になってしまいましたもので…その…」

「結果を見るに…貴様らの圧勝に見えるが?」

何とかこの場を凌(しの)ごうとするアンナローザに対し、【優しき王】ロードも彼女の行為に憤慨している様子だ

「勝敗はあくまで結果論でございます!現に私は途中でミンク選手の禁呪級の炎で、全身を焼かれる寸前でした!ガードがギリギリ間に合って逆転する事が出来たが故の勝利です
それに!パートナーのオテイゥスに関しては臥龍族の大剣で、身体を刺し貫かれてもいます。あくまでも、結果的に…最後は我々が圧勝したに過ぎません!」

アンナローザは必死に無罪を訴えている

「最後どう見ても楽しんでいただろうがっ!」
「試合中に身体を改造とか、普通の奴はしねーよ!」
「ふざけんな魔女がっ!」

観客席からの罵声はもっともだ。中にはショッキングする光景に気を失っている観客も多数いるようだ

「アンナ…そんな言い訳が通るとでも思ってるの!?」

彼女の肩を掴む有栖のチカラが更に増していく事に、恐怖を感じているアンナローザ。それもそのハズで、あらゆる物を消滅させる事が出来る【消去の魔女】に接触されているという事がいかに危険な事か?魔女ならば知っていて当然の事実だからだ!
しかしソコに、先程の戦いでほぼ何もせずに勝ち進んだミアナが現れた。彼女は司会者の魔法マイクを借りて話し始めた

「王様、お師匠様…それに観客の皆さま聞いて下さい!流石に私もこの魔女の行為には頭にきています!このまま罪状を課して投獄する程度の処置では気が済みません!
【消去の魔女】の教え子として次の試合で、彼女らに罪の重さを味あわせてご覧に入れますので…どうか不戦敗にはしないでください!」
 

今まで物静かに礼儀正しく、可愛い愛想を振りまいていた【有栖の教え子】のミアナが憤慨していた

「当たり前だよ!あんな性格がねじ曲がった最悪の女が、出場停止処分程度で反省するハズが無いよ!」

「だろうな!俺では敵わないだろうけど、それでも無茶でも一発入れないと気が済みそうにないぜ!」

カルーアとヒイロも同様に激怒していた

「…良かろう!アンナローザは不問にする…しかし、キウにミアナよ!次の試合でシッカリと裁きを下すのだぞっ!」

第3試合で異次元の強さを魅せたキウと【消去の魔女】の教え子のチカラを信じ、アンナローザ達を準決勝に進ませる事になった

「…と、とりあえず。コレをもちまして1回戦の全試合が終了しました。準決勝は約2時間後の14時から開始致しますので、しばらくご休憩してください」

数々のドラマがあった1回戦だったが…最後の最後で大波乱が起きた。準決勝以降はどうなるのだろうか?



【大会用医務室】
室内では臥龍族の2人が手厚い治療を受けていた。かなりの傷を負ったドレイクを【消去の魔女】徳川有栖が高位の回復魔法で治療していた

「アンナローザとは交友が希薄だったとはいえ…同じ魔女に席を置く者として深く謝罪させていただきます」
 

「私は…有栖(アナタ)とアンナローザを別者と見ていますので、あまり気になさらないでください」

同じ魔族で同じ魔女の名を持つ者として、徳川有栖がドレイクの怪我の治療を買って出てくれた。キングス王子の妹のケイトスが付き添ってくれていた


「くっ!すまないな。サーシャ!…ミンクちゃんは何とかなりそうか!?」

サーシャは宮廷回復師や賢者よりも、遥かに高い治癒力を持っている!とケイトス姫からの強い推しで、サーシャがミンクに回復魔法を掛けていた

「しかし、聞いた事も無い詠唱…いや、言語そのものが違うようだのぅ」

「お祖母様、彼女は1度死の淵から蘇る際に神の遺伝子を授かったそうですわ」

「なんと!?エリスア様の遺伝子とな?それじゃあ、この娘は天使族という訳かのぅ?」

アテナとエリエスも様子を見に来てくれていた。過去に王宮に勤めていたアテナは、世界各地のありとあらゆる言語を耳にしていたが…それでも今、目の前でサーシャが唱えている言葉は聞いた事が無い。それ程、天使族の者と出会う事など本来有り得ないのだ

「ふぅ、終わりましたの…後は自然回復を待てば良いと思いますの…ただ、サーシャは本職の医者ではありませんので一応、診察される事をお勧めしますの!」

天使族の強力なチカラを得ているとはいえ、強過ぎるチカラでもある為、天使族の魔法力(チカラ)を与えられて日の浅いサーシャは激しい疲労に襲われていた

「あっ!?」

立ち上がろうとしたサーシャが、急激な疲労で足がもつれバランスを崩した

「ガシッ」
「大丈夫か?サーシャ。お疲れ様。今日はもう、ゆっくり休もう。な?」

すぐさまヒイロが彼女を支えた。そのままサーシャを持ち上げ【お姫様抱っこ】をした

「お、お兄様!…あの…凄く嬉しいのですけど…こんなに大勢の前では、流石にサーシャも恥ずかしいですの!(汗)」

「ふふふ…エロエロなサーシャにも、羞恥心て言う物があったんだね(笑)それに、今日は凄くがんばったんだからヒイロの腕の中を貸してあげるよ♪」

みんなの前でお姫様抱っこされて、顔を真っ赤にして照れているサーシャが、とても可愛いく見えたカルーアは思わずからかっていた

「ケイトス姫様、それに皆さん!サーシャが天使族だと言う事はくれぐれも秘密でお願いします!」

「分かっております!父にも兄にも極力口外しないように伝えておきますわ」

「有難うございます!」
「お願いするよ」

1回戦の最後の試合でのアンナローザの暴挙に、大騒ぎとなったコロシアムだったが…アリスの居る地球でも急展開を迎えようとしていた



続く
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