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アリス IN 異世界地球
上空に咲く獣神(後)
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【地下牢の決闘】
徳川有栖はファルバァスの対処法をアンナローザから聞き出す為、彼女の望みである1VS1の決闘を受ける事を承認する
「で…決闘の方法は?」
「はぁはぁ…【裁きの魔神モーラル】で決着を付けたいのだけど…ふぅ、はぁ…良いかしら?」
「公平の裁きの魔神か…まぁ、良いけどさ。それよりもアンタ、その身体で戦えるわけ!?」
【消去の魔女】に決闘を申し込む【最悪の魔女】だが彼女は準決勝で、有栖の教え子から受けたダメージで死ぬ寸前の状態なので、とても戦えるとは思えないのだが…
「ふふ…【消去の魔女】様に心配してもらえるなんてね…どんな場面でも…最期の時まで諦めないのが…魔女でしょうよ…」
「なるほど…アンタも腐っても魔女なのね…どうせ何か企んでるんだろうけど、良いわ。モーラルを出しなさいな」
「ありがたいわ…【最悪の魔女】の最期の足掻き…味わってもらうわよ!」
【絶望を増す獣神の脅威】
大きな柱を弾丸に見立て、カルーアの【七精守護霊(ハーロウィーン)】で撃ち出す攻撃は、ファルバァスに対して唯一とも言える攻撃方法だ
「カルーア!これだけしか無いが魔力回復薬だ。飲んでくれ」
「ありがとうヒイロ…」
当然、他の騎士と魔法使いが手を組んでカルーアがやった様に真似しているのだが…
【七精守護霊(ハーロウィーン)】は極大魔法の中で貫通力に特化している魔法だ
つまり!禁呪以外ではソレと近い勢いで、柱などを撃ち出す魔法は無いのだ
「くそぅ!悔しいけど…私の魔法では、カルーアちゃんの攻撃の1割程度の威力しか出せないわ!」
「気にするな!攻撃方法があるだけマシだ。スターまだイケるか?」
王宮騎士の騎士隊長のドーガと、魔道士スターが組んでも、ファルバァスにその程度のダメージしか与えられない
「攻撃してくる方法は割とシンプルだけど、防御性能が高過ぎて一方的にやられてますね…」
回復専門のティンクルでは、その攻撃方法に協力出来ない。現在の王都でもトップClassのパーティの3人が集まっても、その程度が現状だった
「カルーア、もう1発イケるか?」
「ふぅ…半分くらいは回復したから…あと2発くらいなら大丈夫さ!」
(以前のカルーアなら、今渡した回復薬で2回は魔力がFull回復してたのに…今じゃ半分か…かなりレベルアップしてるんだな)
カルーアの成長を嬉しく思うヒイロだがその反面、それだけ彼女が自分の知らない所で大変な目にあい、乗り越えて来たであろう事に申し訳なさを感じていた
「よっしゃ!柱を切り取ったぜ!カルーア準備を…」
「待ってドレイク!ファルバァスの様子が変よ!」
柱を撃ち出す準備をしようとしたドレイクだったが、その時ミンクはファルバァスに異変が起きている事に気が付いた
「フシュュュ…フシュュュー…」
今までファルバァスは、足の代わりに生えている1000本近い触手で人間を捕食したり、攻撃を弾いてたりしていたのだが…
その触手を綺麗に真下に揃えると、彼女の下半身に当たる部分がうっすらと光り始めた
「何だい…何をする気なんだい?」
嫌な予感に襲われるカルーア達
残念な事にその予感は的中する
「キシェェェ…」
ファルバァスが雄叫びをあげると…揃えられた触手の中を通って、何かが地上に落ちてきた
「何だぁ?」
「アレは…植物魔人なのか!?」
ファルバァスはオテイゥスの様な、全身植物で出来たような魔物を地上にイッキに30体ほど産み落とした
「うわあああっ!」
産み落とされた植物魔人は、魔法も使わず武器も無いようだが…全身を覆う植物のツタで人々を捕え、直接体内に丸呑みした
「こんの野郎!…!?…何だ、攻撃が効かない!?」
植物魔人を斬り付けた騎士だったが、ツタの集合体は威力の大半を受け流すうえに、かなりの頑丈さを誇っているので全くダメージを与えられなかった
「【火球翔炎弾(ゼベラベバード)】!!」
ミンクが放った彼女のオリジナルの極大火炎魔法が、植物魔人の5体を炎に包んだ
「グギエェェ!」
ファルバァスと違い植物魔人には魔法が有効のようだ。獣神に対して役に立てずフラストレーションが溜まっていた魔法使い達は、ココぞとばかりに植物魔人に火炎魔法を使い始めた
【裁きの魔神モーラル】
アンナローザが左の薬指にはめていた指輪を外し、宝石が着いている部分をクリっと右に半回転させると…宝石は砕け白煙が充満し、中から鎧姿の魔神が姿を現した
「我はモーラル…公平なる決着を見届ける者なり。まずは…1VS1の決闘を確定する為に、他者の侵入を阻む結界を!」
モーラルが腕を振ると、牢屋内を蒼白い光が包む
「これで、この世界の者はいかに小さい生物であっても、入っては来られない。さて…最期に決闘のルールを述べよ!」
その途端【最悪の魔女】アンナローザが薄気味悪い笑みを浮かべた
「ルールは!【消去の魔法】それ以外の魔法の使用を禁じる。決着はどちらかが降参するか?生命尽きた時とする!」
予想外な事に、アンナローザは自分にとって物凄く不利な条件をルールとして設定した
「ちょっと!アンナ、どういうつもりよ?」
タダでさえ致命傷を受けているアンナローザの方が、ノーダメージの有栖より不利なのに…
魔女2人の戦いに有栖しか使えない【消去】以外の魔法を禁止しては、有栖に有利過ぎるからだ
「ふむ………2人の状態と、その条件での優越を考慮した結果…徳川有栖よ貴様に有利過ぎる。よって…貴様にハリツケのハンデを言い渡す!」
「何ですって!?」
「ガチン、ガチン!」突如有栖の背後に現れた«大»の形をした金属が、有栖の両手と両足を拘束し、その場に固定した
「やってくれたわね。アンタ…本当に最悪ね…」
「ふふふ(笑)負けしか見えない決闘をするほど…私は愚かではないわ!」
【公平な裁きの魔人】の特性を上手く利用したアンナローザ。徳川有栖を外道な攻撃が襲う事になる
続く
徳川有栖はファルバァスの対処法をアンナローザから聞き出す為、彼女の望みである1VS1の決闘を受ける事を承認する
「で…決闘の方法は?」
「はぁはぁ…【裁きの魔神モーラル】で決着を付けたいのだけど…ふぅ、はぁ…良いかしら?」
「公平の裁きの魔神か…まぁ、良いけどさ。それよりもアンタ、その身体で戦えるわけ!?」
【消去の魔女】に決闘を申し込む【最悪の魔女】だが彼女は準決勝で、有栖の教え子から受けたダメージで死ぬ寸前の状態なので、とても戦えるとは思えないのだが…
「ふふ…【消去の魔女】様に心配してもらえるなんてね…どんな場面でも…最期の時まで諦めないのが…魔女でしょうよ…」
「なるほど…アンタも腐っても魔女なのね…どうせ何か企んでるんだろうけど、良いわ。モーラルを出しなさいな」
「ありがたいわ…【最悪の魔女】の最期の足掻き…味わってもらうわよ!」
【絶望を増す獣神の脅威】
大きな柱を弾丸に見立て、カルーアの【七精守護霊(ハーロウィーン)】で撃ち出す攻撃は、ファルバァスに対して唯一とも言える攻撃方法だ
「カルーア!これだけしか無いが魔力回復薬だ。飲んでくれ」
「ありがとうヒイロ…」
当然、他の騎士と魔法使いが手を組んでカルーアがやった様に真似しているのだが…
【七精守護霊(ハーロウィーン)】は極大魔法の中で貫通力に特化している魔法だ
つまり!禁呪以外ではソレと近い勢いで、柱などを撃ち出す魔法は無いのだ
「くそぅ!悔しいけど…私の魔法では、カルーアちゃんの攻撃の1割程度の威力しか出せないわ!」
「気にするな!攻撃方法があるだけマシだ。スターまだイケるか?」
王宮騎士の騎士隊長のドーガと、魔道士スターが組んでも、ファルバァスにその程度のダメージしか与えられない
「攻撃してくる方法は割とシンプルだけど、防御性能が高過ぎて一方的にやられてますね…」
回復専門のティンクルでは、その攻撃方法に協力出来ない。現在の王都でもトップClassのパーティの3人が集まっても、その程度が現状だった
「カルーア、もう1発イケるか?」
「ふぅ…半分くらいは回復したから…あと2発くらいなら大丈夫さ!」
(以前のカルーアなら、今渡した回復薬で2回は魔力がFull回復してたのに…今じゃ半分か…かなりレベルアップしてるんだな)
カルーアの成長を嬉しく思うヒイロだがその反面、それだけ彼女が自分の知らない所で大変な目にあい、乗り越えて来たであろう事に申し訳なさを感じていた
「よっしゃ!柱を切り取ったぜ!カルーア準備を…」
「待ってドレイク!ファルバァスの様子が変よ!」
柱を撃ち出す準備をしようとしたドレイクだったが、その時ミンクはファルバァスに異変が起きている事に気が付いた
「フシュュュ…フシュュュー…」
今までファルバァスは、足の代わりに生えている1000本近い触手で人間を捕食したり、攻撃を弾いてたりしていたのだが…
その触手を綺麗に真下に揃えると、彼女の下半身に当たる部分がうっすらと光り始めた
「何だい…何をする気なんだい?」
嫌な予感に襲われるカルーア達
残念な事にその予感は的中する
「キシェェェ…」
ファルバァスが雄叫びをあげると…揃えられた触手の中を通って、何かが地上に落ちてきた
「何だぁ?」
「アレは…植物魔人なのか!?」
ファルバァスはオテイゥスの様な、全身植物で出来たような魔物を地上にイッキに30体ほど産み落とした
「うわあああっ!」
産み落とされた植物魔人は、魔法も使わず武器も無いようだが…全身を覆う植物のツタで人々を捕え、直接体内に丸呑みした
「こんの野郎!…!?…何だ、攻撃が効かない!?」
植物魔人を斬り付けた騎士だったが、ツタの集合体は威力の大半を受け流すうえに、かなりの頑丈さを誇っているので全くダメージを与えられなかった
「【火球翔炎弾(ゼベラベバード)】!!」
ミンクが放った彼女のオリジナルの極大火炎魔法が、植物魔人の5体を炎に包んだ
「グギエェェ!」
ファルバァスと違い植物魔人には魔法が有効のようだ。獣神に対して役に立てずフラストレーションが溜まっていた魔法使い達は、ココぞとばかりに植物魔人に火炎魔法を使い始めた
【裁きの魔神モーラル】
アンナローザが左の薬指にはめていた指輪を外し、宝石が着いている部分をクリっと右に半回転させると…宝石は砕け白煙が充満し、中から鎧姿の魔神が姿を現した
「我はモーラル…公平なる決着を見届ける者なり。まずは…1VS1の決闘を確定する為に、他者の侵入を阻む結界を!」
モーラルが腕を振ると、牢屋内を蒼白い光が包む
「これで、この世界の者はいかに小さい生物であっても、入っては来られない。さて…最期に決闘のルールを述べよ!」
その途端【最悪の魔女】アンナローザが薄気味悪い笑みを浮かべた
「ルールは!【消去の魔法】それ以外の魔法の使用を禁じる。決着はどちらかが降参するか?生命尽きた時とする!」
予想外な事に、アンナローザは自分にとって物凄く不利な条件をルールとして設定した
「ちょっと!アンナ、どういうつもりよ?」
タダでさえ致命傷を受けているアンナローザの方が、ノーダメージの有栖より不利なのに…
魔女2人の戦いに有栖しか使えない【消去】以外の魔法を禁止しては、有栖に有利過ぎるからだ
「ふむ………2人の状態と、その条件での優越を考慮した結果…徳川有栖よ貴様に有利過ぎる。よって…貴様にハリツケのハンデを言い渡す!」
「何ですって!?」
「ガチン、ガチン!」突如有栖の背後に現れた«大»の形をした金属が、有栖の両手と両足を拘束し、その場に固定した
「やってくれたわね。アンタ…本当に最悪ね…」
「ふふふ(笑)負けしか見えない決闘をするほど…私は愚かではないわ!」
【公平な裁きの魔人】の特性を上手く利用したアンナローザ。徳川有栖を外道な攻撃が襲う事になる
続く
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