48 / 170
化け物たちとの遭遇編
神の恩恵
しおりを挟む
「So let's take a look at this video. At 18:58 Japan time, a huge mysterious monster appeared over Tokyo.Now, the SDF is fighting a fierce battle against the monster, but it seems that they have no effective means.」
「この映像をご覧下さい
日本時間の18:58頃に東京上空に巨大な化け物が現れました。日本の自衛隊が交戦するも苦戦している模様です」
東京上空に現れたファルバァスが、千代田区の人々を襲いソレを自衛隊が倒そうとするが、苦戦しているとアメリカの国営テレビが放送している。その様子が日本のテレビにも映し出されていた
【霞ヶ関】
「どうなっている!?あの化け物はピンピンしているではないかっ!…おまけにアメリカのメディアでもこの事態が報道されているぞっ!」
「自衛隊の方に戦時用の武器を使え!と通達しましたので…今しばらくお待ちを…」
「今しばらくだと!?奴が現れてからどれだけの都民が奴に喰われたと思っているんだ!?」
国会内は大パニックに陥っていた
責任を押し付け合う様に口論する者
既に国会を退席し遠くへ避難する為に逃げ出した者
常識を超えすぎている事態に思考が停止し、その場に座り込んでいる者
ただ…誰も解決方法を持ち合わせてはいなかった
【ビルの屋上】
「飲み物、買ってきました!」
佐々木が下の階に降りて行き、設置されている自販機から全員分の飲み物を買ってきた
「下の様子はどうだったね?」
「もぬけの殻でした」
「そりゃー、地球に住んでる人達からしたら、古代の獣神なんて見たら我先に逃げ出しちゃうわよね(笑)」
徳川パパの質問に答えた佐々木の話を聞いた有栖は、地球人ならパニックで逃げ出しても仕方ないと言ってい笑っていた
「有栖…苦労したんだな…すまない」
「気にしなくてよいわよ。パパの所為(せい)とかじゃないんだから!」
普通の女性なら、人間を喰らっている獣神なんて見せ付けられたらパニック状態になるだろう。しかし、こんな状況でも笑っていられる強さを得た?いや達観している娘を見て、この世では考えられないほどのツライ経験を娘が体験したのだと悟り、謝らずにはいられない徳川パパだった
佐々木が買ってきた中から、【林檎の凛ちゃん】のりんごジュースを受け取り飲み始めた有栖
「で、これからどうするんだよ有栖?」
「ん~そうね~…とりあえず寝ます!」
「はあぁ!?」
優輝の問いに「寝る」と答えた有栖に驚かされた一同
「ははははは!25年前と有栖はちっとも変わらんな(笑)エリスアと言う星に行き【消去の魔女】と呼ばれる様になって、娘がどんな風に変化したのか気が気でなかったが…あまりに変わってなくてある意味、安心してしまったよ」
有栖が強制的に転移させられてから25年もの月日分、親子の縁は途絶していたが最後に見た娘の印象と、根っこの部分では対して変わらぬ我が娘を見て思わず笑いが込み上げた徳川パパだった
「全く有栖は、こんな時でもマイペースだなぁ…」
「ジリリリリ!!」その時、佐々木の携帯がけたたましくなった
「はいモシモシ、佐々木で…」
「佐々木さん、テレビ見ました?あの空を飛んでる少女が25年前に神隠しにあった徳川さんの娘さんなんじゃないか?ってコッチでは凄い話題になっているの!」
「あ、うん…それに関してなんだけどね。あの魔女さんよりもキミに伝えたい事があるんだ。少し待ってて…」
優輝の妹、一条優香から佐々木の携帯にcallが来た。佐々木は優輝に携帯を手渡した
「あー、優香。久しぶりだな。俺だよ、兄の優輝…」
「(´º ◽︎º`)えー!?お、お兄ちゃん!?…ば、馬鹿っ!帰ってきたのなら、スグに連絡寄越してよねっ!」
優輝が異世界転移して半年、優香は兄の事をずっと心配していた。優輝は半年ぶりに妹と父親と携帯で話をした
それから約1時間後
「キター!!」
ずっと寝ていた有栖が、突然大きな声をあげて「ムクリ」と起き上がった。立ち上がった有栖は、ある1点を凝視している
「お待たせしましたね。徳川有栖」
すると、何も無く誰も居なかった空間に…突然美しい女性が高貴な光を纏いながら姿を現した
「それでガイア様。神々の会議では、どの様な答えが出たのですか?」
「ガイア様っ!?」
ガイアと言えば地球の神を指す言葉だ。突然現れた女性を「ガイア様」と言う有栖の言葉に、佐々木や徳川パパは驚く
「我が地球に住む者たちよ。私は地球の神【ガイア】です。緊急事態の為ゆっくり話もしていられません。挨拶は省かせて頂きます」
綺麗な10代後半の可愛くも美しい女性は、非常に丁寧な口調で、立ち姿からも気品の高さを感じさせていた
「有栖。貴女のオリジナル魔法に【天陣】と言う物がありますね?ソレを出して頂けませんか?」
「ホイ、天陣!」
有栖は言われるがまま、天陣を出し両手にセットした
ガイアが有栖にゆっくり近付くと……その天陣に手をかざして、聞き取れない言葉を唱え始めた
青白い光を放っていた【天陣】が変色して行き…金色の光を放ち始めた
「ガイア様、コレは?」
有栖であっても【天陣】に何をされたのか?全く分からないので素直に聞いたようだ
「これで今後、貴女が【天陣】を通して放つ魔法は、他の如何なるチカラからも干渉を受けなくなりました。つまり吸収されたりしなくなった。防ごうとするならそれ以上の強さの魔法障壁でしか無い。ということです」
「おおー!ソレは素晴らしいですねっ!これならファルバァスが討伐出来ます!」
「……エリスアはともかく、私までもが貴女を頼ってしまい申し訳ありません。ですが、神が直接手を出すのは…その星が滅びる寸前の最終手段なのです
例えば子供の喧嘩に大人が介入するのはオカシイでしょう?我々神々はその辺の規約が更に厳しいのです。それでは有栖、よろしくお願いいたしますよ」
「任せてください!ガイア様っ!」
「成功報酬と言ってはなんですが、惑星エリスアに帰る為の道案内は私が責任をもってさせて貰いますよ。それと貴女が望むなら異世界転移特典のチート能力の1つでも授けますよ?
帰還するまでの期限は…1週間以内に限らせてもらいますね…それでは有栖、ご武運を」
そう言うとガイアは音もなく姿を消した。有栖は静かに目線を空に向けた。その瞳には「必ずファルバァスを討伐する!」という強い意志を携えていた
「行くのか有栖?」
「もちろんよ!パパ達を助ける為に地球に戻って来たんだからっ!」
「無事に帰ってくるんだぞ!」
「まっかせなさい!」
「待てよ有栖!俺も……」
「良いわよ。危ないから優輝もここでテレビ中継で応援しててよね!」
ガイア様から神の恩恵を頂いた、惑星エリスアで【消去の魔女】と恐れられている徳川有栖は父親や東京都民を助ける為、単身で再びファルバァスに挑む!
続く
「この映像をご覧下さい
日本時間の18:58頃に東京上空に巨大な化け物が現れました。日本の自衛隊が交戦するも苦戦している模様です」
東京上空に現れたファルバァスが、千代田区の人々を襲いソレを自衛隊が倒そうとするが、苦戦しているとアメリカの国営テレビが放送している。その様子が日本のテレビにも映し出されていた
【霞ヶ関】
「どうなっている!?あの化け物はピンピンしているではないかっ!…おまけにアメリカのメディアでもこの事態が報道されているぞっ!」
「自衛隊の方に戦時用の武器を使え!と通達しましたので…今しばらくお待ちを…」
「今しばらくだと!?奴が現れてからどれだけの都民が奴に喰われたと思っているんだ!?」
国会内は大パニックに陥っていた
責任を押し付け合う様に口論する者
既に国会を退席し遠くへ避難する為に逃げ出した者
常識を超えすぎている事態に思考が停止し、その場に座り込んでいる者
ただ…誰も解決方法を持ち合わせてはいなかった
【ビルの屋上】
「飲み物、買ってきました!」
佐々木が下の階に降りて行き、設置されている自販機から全員分の飲み物を買ってきた
「下の様子はどうだったね?」
「もぬけの殻でした」
「そりゃー、地球に住んでる人達からしたら、古代の獣神なんて見たら我先に逃げ出しちゃうわよね(笑)」
徳川パパの質問に答えた佐々木の話を聞いた有栖は、地球人ならパニックで逃げ出しても仕方ないと言ってい笑っていた
「有栖…苦労したんだな…すまない」
「気にしなくてよいわよ。パパの所為(せい)とかじゃないんだから!」
普通の女性なら、人間を喰らっている獣神なんて見せ付けられたらパニック状態になるだろう。しかし、こんな状況でも笑っていられる強さを得た?いや達観している娘を見て、この世では考えられないほどのツライ経験を娘が体験したのだと悟り、謝らずにはいられない徳川パパだった
佐々木が買ってきた中から、【林檎の凛ちゃん】のりんごジュースを受け取り飲み始めた有栖
「で、これからどうするんだよ有栖?」
「ん~そうね~…とりあえず寝ます!」
「はあぁ!?」
優輝の問いに「寝る」と答えた有栖に驚かされた一同
「ははははは!25年前と有栖はちっとも変わらんな(笑)エリスアと言う星に行き【消去の魔女】と呼ばれる様になって、娘がどんな風に変化したのか気が気でなかったが…あまりに変わってなくてある意味、安心してしまったよ」
有栖が強制的に転移させられてから25年もの月日分、親子の縁は途絶していたが最後に見た娘の印象と、根っこの部分では対して変わらぬ我が娘を見て思わず笑いが込み上げた徳川パパだった
「全く有栖は、こんな時でもマイペースだなぁ…」
「ジリリリリ!!」その時、佐々木の携帯がけたたましくなった
「はいモシモシ、佐々木で…」
「佐々木さん、テレビ見ました?あの空を飛んでる少女が25年前に神隠しにあった徳川さんの娘さんなんじゃないか?ってコッチでは凄い話題になっているの!」
「あ、うん…それに関してなんだけどね。あの魔女さんよりもキミに伝えたい事があるんだ。少し待ってて…」
優輝の妹、一条優香から佐々木の携帯にcallが来た。佐々木は優輝に携帯を手渡した
「あー、優香。久しぶりだな。俺だよ、兄の優輝…」
「(´º ◽︎º`)えー!?お、お兄ちゃん!?…ば、馬鹿っ!帰ってきたのなら、スグに連絡寄越してよねっ!」
優輝が異世界転移して半年、優香は兄の事をずっと心配していた。優輝は半年ぶりに妹と父親と携帯で話をした
それから約1時間後
「キター!!」
ずっと寝ていた有栖が、突然大きな声をあげて「ムクリ」と起き上がった。立ち上がった有栖は、ある1点を凝視している
「お待たせしましたね。徳川有栖」
すると、何も無く誰も居なかった空間に…突然美しい女性が高貴な光を纏いながら姿を現した
「それでガイア様。神々の会議では、どの様な答えが出たのですか?」
「ガイア様っ!?」
ガイアと言えば地球の神を指す言葉だ。突然現れた女性を「ガイア様」と言う有栖の言葉に、佐々木や徳川パパは驚く
「我が地球に住む者たちよ。私は地球の神【ガイア】です。緊急事態の為ゆっくり話もしていられません。挨拶は省かせて頂きます」
綺麗な10代後半の可愛くも美しい女性は、非常に丁寧な口調で、立ち姿からも気品の高さを感じさせていた
「有栖。貴女のオリジナル魔法に【天陣】と言う物がありますね?ソレを出して頂けませんか?」
「ホイ、天陣!」
有栖は言われるがまま、天陣を出し両手にセットした
ガイアが有栖にゆっくり近付くと……その天陣に手をかざして、聞き取れない言葉を唱え始めた
青白い光を放っていた【天陣】が変色して行き…金色の光を放ち始めた
「ガイア様、コレは?」
有栖であっても【天陣】に何をされたのか?全く分からないので素直に聞いたようだ
「これで今後、貴女が【天陣】を通して放つ魔法は、他の如何なるチカラからも干渉を受けなくなりました。つまり吸収されたりしなくなった。防ごうとするならそれ以上の強さの魔法障壁でしか無い。ということです」
「おおー!ソレは素晴らしいですねっ!これならファルバァスが討伐出来ます!」
「……エリスアはともかく、私までもが貴女を頼ってしまい申し訳ありません。ですが、神が直接手を出すのは…その星が滅びる寸前の最終手段なのです
例えば子供の喧嘩に大人が介入するのはオカシイでしょう?我々神々はその辺の規約が更に厳しいのです。それでは有栖、よろしくお願いいたしますよ」
「任せてください!ガイア様っ!」
「成功報酬と言ってはなんですが、惑星エリスアに帰る為の道案内は私が責任をもってさせて貰いますよ。それと貴女が望むなら異世界転移特典のチート能力の1つでも授けますよ?
帰還するまでの期限は…1週間以内に限らせてもらいますね…それでは有栖、ご武運を」
そう言うとガイアは音もなく姿を消した。有栖は静かに目線を空に向けた。その瞳には「必ずファルバァスを討伐する!」という強い意志を携えていた
「行くのか有栖?」
「もちろんよ!パパ達を助ける為に地球に戻って来たんだからっ!」
「無事に帰ってくるんだぞ!」
「まっかせなさい!」
「待てよ有栖!俺も……」
「良いわよ。危ないから優輝もここでテレビ中継で応援しててよね!」
ガイア様から神の恩恵を頂いた、惑星エリスアで【消去の魔女】と恐れられている徳川有栖は父親や東京都民を助ける為、単身で再びファルバァスに挑む!
続く
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる

