ようこそ幼い嫁候補たち ②

龍之介21時

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化け物たちとの遭遇編

前魔王の奥さん

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【海岸線】
ミアナは浮遊魔法を使い、コハラコはサーシャを背負って海岸線へと急いでやってきた
沖には3隻の海賊船が浮かんでおり、真ん中の船が旗艦のようだ。浜辺にはケンタウロスとマーマンとマーメイドが防衛線を築いていた

「御頭(キャプテン)例の魔法使いが戻って来やしたぜ!どうしますかい?」

海賊の部隊長らしき男が1人だけ、いかにも【The海賊】と言う感じに着飾った女に問い掛けていた

「もう戻って来やがったのかい?慎重になり過ぎたか?もっと早くに攻め込んでいれば……ん?あの村長は居ないのかい?」

「魔法使いだけですぜ!いや、見た事ねーガキの女2人を引き連れてまさぁ!」

「対魔珊瑚粉(マナティックヤード)をまきな!あの化け物村長が居ないこの機に、忌々しい魔道士をやっちまうんだよっ!蹴散らせっ!」

海賊達はミアナの帰還に怯むことなく、船に備えられている大砲から煙玉を放った!
「バヒョッ!」
玉はちょうど中間点で炸裂し、何やら怪しい白い粉を広域に撒き散らかした

マーマンは全部で10数人居るが、そのほとんどが負傷しており陸のトーチカの様な場所で、マーメイドの歌による治療を施されていた

同じ数くらいのケンタウロスが、海賊船からの砲撃を駆けながら回避しつつ弓矢で攻撃をしていたが、海賊船は硬く大したダメージになっていないようだ

「もう好き勝手にはさせません!海の藻屑になっちゃいなさい。踊れ火炎龍!」

ミアナは海賊船に向けて上級魔法の火炎龍を放ったが…珊瑚粉が魔法攻撃を打ち消す作用をした為、船に小さな火を付けた程度に抑えられた

「くっ!また妙なアイテムを…」

「魔道士の魔法は抑えた!肉弾戦ならコッチに分があるよ!上陸して殲滅しちまいなっ!」

女海賊の号令と共に海賊達がボートで浜辺に上陸し、ミアナやケンタウロス達に迫ろうとした。が!

「コハラコ・ビームっ!!
コハラコ・キーック!
コハラコ・パーンチっ!!」
 

「どわあっ!!」

吸血姫のコハラコが目から放つビームは魔法ではない為、海賊が使った魔法を抑制する粉も役に立たなかった。そのうえ、肉弾戦において、吸血姫のコハラコに勝てる人間など、そうそう居ないだろう
とてもつもない速度で駆け回り、ヒイロに作ってもらった手甲で殴り周り、上陸してきた海賊達を次々と薙ぎ倒していく!

「何だ!?あのガキ…吸血鬼じゃないか!昼の陽の下で動き回るなんて…真祖なのかい?…不測の事態だ、全員離脱するよ!」

「了解っす!」

予想外の強敵、吸血姫(コハラコ)の存在に女海賊は迷うことなく撤退して行った

「んもぉ!引き際だけは鮮やかなんだから!」

大して活躍出来なかったミアナは、地団駄(ジタンダ)して悔しがっていた



【癒しの刻の部屋】
コチラはカルーアとエルデスに肩を借りたキウが居る。癒しの刻の部屋は、まるで【瓢箪(ひょうたん)】のような形をした二階建てになっていた

「キウ様は上の部屋に~お連れします~」

2階の部屋のドアを開けると、床は植物を編んで造られている。部屋の中央に布団があり、ソコにキウを仰向けに寝かせた

「ささ、カルーアさんは~下のお部屋になります~」

エルデスはキウを寝かさた2階に魔法で結界を張ったあと、斜面を下り1階の部屋に向かう

「何だい、この部屋は?」

カルーアの目の前には、円状のプールの様な水溜まりがあった

「カルーア様~この癒しの衣装に~着替えてください~」

「分かったよ…癒しの衣装?これが?」

カルーアに手渡されたのは、ヒラヒラが付いた可愛い感じのワンピースみたいな服と言えた

「ひとつ聞かせて欲しいのですが~カルーア様は~お迎えに上がった時に~妹さんと~エッチいスキンシップをなされてましたが~男性の経験は有りますか~?」

「な、何でそんな事を聞くんだい?」

キウを助ける為の魔法使いとして、海岸線に助けに向かったミアナの代わりに来たと言うのに、全然関係なさそうな質問をされ戸惑うカルーア

「あのですね~私は処女なので~ミアナ様から~エルデスは~キウ様の~助けをしないように~と、言われているのですよ~」

「ちょっと!どういう事さ!?人助けに性行為の経験がどう絡んでくるのさ?」

性行為の有無を聞かれ、流石に動揺してしまうカルーア

「私は~した事がないので~詳しいことは~分からないです~。それでは~水貯めの中へ~お入りください~」

「ちょっとー!何されちゃうのさ!?」

着替えが終わったカルーアは、半ば強制的に水溜め(プール)の中に入れられた

「ゴポッ!?」
 

(な、何だこの水溜まり!?ちっとも浮かぶ事が出来ない!……でも、水の中なのに少しも苦しくないし…どうなっているんだい?)

そんなに広くない水溜めの中なのだが、異空間にでも繋がっているのか?中に入ったカルーアは、まるで海の中に潜ったかの様な感覚に襲われていた

「まぁ!今日はミアナちゃんじゃないのね。どなたかしら?」

カルーアの足元より、更に深い所から1人の女性が浮き上がる様に近付いて来る

「わたしはハイエルフのカルーアだよ。貴女はどなたなんだい?」

不思議なのだが、水の中だというのに会話が成立している。しかも、何故かカルーアも、それが不思議だとは感じていない

「初めまして。私の名前はキウと申します…もしかして、ミアナちゃんのお知り合いかしら?」

「まあ、そうですね。今は一緒させてもらってますよ…えっ?…キウさん!?」

キウと名乗ったその女性は、クラウン城で出会ってから共に来たキウに似ている

(基本的には似ているけど、わたしの知っているキウさんとは身体付きが全然違う!?お淑やかで艶やかな感じの女性だ…全然筋肉が無い…)

男顔負けの様な、カルーアの知るキウとは似て非なる女性だった

「それでは初めましてですね、カルーアちゃん。私は前魔王の妻のキウと申します。宜しくお願いしますね(笑)」

「どうもご丁寧に……えぇっ!?魔王の奥さん!?」

水溜めの中で出会ったキウは、カルーアの知るキウとは違い、いかにも良いとこのお嬢様の様な艶やかな女性だった。しかも、魔王の妻だと言う
カルーアが出会っていた筋肉質のキウとは?そして、目の前に居る艶やかなキウとの関係は?この出会いがカルーアに何をもたらすのか?



続く
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