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化け物たちとの遭遇編
元魔王の息子の彼女になる?
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【キウの館】
「お兄ちゃんの事を悪く言っちゃ駄目ぇ!」
「何だよ、お前はうるせえ奴だな!ばーっか!」
「何ですってぇ!!」
アリスとヨシュアは盛大に口喧嘩していた。クレアが止めに入ろうとするが、ヒートアップした2人は収まりが付かない
ズケズケ言うヨシュアと天然のアリスは、どうも馬が合わないようだ
「ガチャ!」その時、館の正面ドアが静かに開かれた
「ヨシュア……お客に対して何をしている!?(怒)」
「お、オヤジ!?」
ソコへ帰ってきたキウに問われるヨシュア
「彼らは客人だぞ?ヨシュア…お前は俺が招いた者たちを心良く対応する事も出来んのか?ああんっ!?」
パッと見は大人しそうな表情をしているキウだが、凄まじい威圧感をともなった眼光で息子のヨシュアを睨み付けていた
「い、いや、その…これは……」
「俺の息子がくだらん言い訳なんぞ、するなぁっ!!恥を知れっ!!!」
キウのあまりにデカい声量に、館の家具がビリビリと音を立てた。窓ガラスが割れるのでは?と思えるほどだった…室内に居る全員がキウの気迫に飲まれ言葉を失った
「言っておくがな、ドチラに非があるか?なんて事に俺は一切興味は無い!ヨシュアよ…」
「は、はい…」
「仮に彼女の方に非があったとしてだ…お前は誰だ?言ってみろ…お前は誰の子供だ?お前の親は誰だ?」
「それは…ザッド父様とキウ母様との息子です…」
キウ(魔王)の気迫に押されながらも、何とか返事をするヨシュアだが…彼の足は小刻みに震えている
「そうだヨシュア。お前の父親は元、とは言え【魔王】の俺だ。母親は、その妻だ……魔王の血を引くお前には威厳と尊厳と礼節がなければならん!
それを持てるように努力する事が出来んと言うのなら…俺たちの息子だと、2度と人前で言うんじゃないぞ……分かったか?」
「は、はい(汗)」
元魔王(ザッド)は、ただの恐ろしく強い魔王という訳ではなかった。父親としても芯のある子育てが出来る大人だった
「うむ。それでだ、相手に迷惑を掛けた場合は何と言うのだ?」
「あっ!すみませんでしたっ!」
元魔王(父親)に諭(さと)されたから。とは言え、アリスはヨシュアに謝罪をされた
「キウさん、もう良いですよ。アリスも、もう水に流してあげられるよな?」
「うん…少し腹が立ったけど…謝ってくれたから、許してあげるぅ」
「ほらほら、コレに懲りたら口の利き方には気を付けるんだよ?わーったかい?ヨシュア様?」
モニカはニヤニヤしながら、ヨシュアの頭をグワシX2と擦る様に撫でた。照れくさくて必死に抵抗しているヨシュア
「何だよ、止めろよ!モニカだって口悪いクセによお!」
「はん!私は相手によってちゃんと態度は使い分けてるつーの!」
「もぉ!お姉さんも悪いんですよ!気をつけてくださいね。ヨシュア様が真似しているんですよ!」
確かにモニカの口の悪さが、ヨシュアに悪影響を与えているのは間違いなさそうだ
「さて、モニカよ。腹が減った。飯の準備は終わっているか?」
「はい!もちろんですキウ様!…それにしてもミアナ様はどちらに行かれてるんですかね?」
「あの~その事で~お話があるのですが~」
エルデスから聞かされ、ようやく海賊の襲撃の件を知った全員
この集落から海岸線までは10km以上離れており、海岸線での海賊との戦闘は、この場ではエルデス以外は知らなかった
「父様!援軍に向かわなくて良いのですか?」
「ミアナが向かったのだ、大丈夫だろう?もしも、ヤバい事になれば何らかで知らせてくるハズだしな」
「それでは、ミアナ様達が戻るまで食事は待って頂いても宜しいでしょうか?」
「わたしは構わないよー、疲れすぎてて食欲が回復してないからねー…」
カルーアは【癒しの儀式】でかなり疲労した為、すぐに食事をするのは難しいようだ
「アリス。だったよな?待ってる間に俺と腕相撲でもしないか?」
「ふえっ!?」
「もぉ…ヨシュア様、やっぱりまだ根に持ってるんですね?」
「ば、馬鹿。クレアちげーよ!」
クレアに心の内を探られて、必死に否定しているヨシュア。テーブルにもたれる様に前のめりになっているカルーアが、横目で彼を見ながらポツリ。と呟いた
「ははぁん!どうやらヨシュア君さ、わたしの姉さんに気があるんじゃないのかい?(ニヤニヤ)」
「えっ!?そうなのぉ?」
ヨシュアが自分に気がある。と言われて顔を赤くするアリス
「馬鹿!ちげーよ、お前ナニ顔を赤くしてんだよ!キッチリ決着を付けておきたい。ってだけに決まってるだろ?」
妙に身体をバタつかせて、必死に否定するヨシュアの行動は、図星なのを何とか誤魔化そうとしている様にしか見えなかった
「ほう、ヨシュアはアリスちゃんみたいな娘が好みなのか?それは初耳だな…良い子だし俺は応援してやるぞ」
「父様まで!?違います!違うんだってばぁ!」
このやり取りを「面白い!」と思ったモニカが、2人の腕相撲対決を仕切って進行を始めた
「このテーブルなら頑丈だから良いんじゃないかな?構いませんよね、キウ様?」
「構わんが…せっかくだ。何か賭けて勝負したらどうだ?…そうだな、負けた方は相手の頼みをひとつ聞く。なんてのはどうだ?」
「流石キウ様!ソレ良いっすね!良し、その条件でやりましょ!」
「お姉さん、そんな勝手な…」
「良いよ、やろうよ!」
「お?言ったな?手加減してやんねーかんな!」
「アリス、ちなみに勝ったら何を命令するんだ?」
ヒイロに聞かれアリスは考え込んだ
「ん~ん~……そだっ!アタシの手下になってもらっちゃおうっと!」
「なっ!?ふざけんなよ!ソッチがその気なら、俺が勝ったらお前は…」
ヨシュアが似た様な条件を突き付けようとした時、悪ノリしたモニカが口を挟んだ!
「アリスちゃんにヨシュア様の彼女になってもらう!ってのはどうっすか?良いと思いません!?」
「はぁ!?モニカ、お前ナニ勝手な事を言って…」
突然のモニカの提案に、アリスもヨシュアも顔を赤くする
「そ、そうなのぉ?アタシを彼女にしたいんだぁ…うん。勝負しよっか…」
「だから違うって言ってんだろー!」
「良い提案だなモニカよ。ヨシュアが人に優しくなれないのは、異性と付き合った経験が無いからかもしれんな。良いなヨシュア、本気でやれよ!」
「父様までっ!?」
「あはは(笑)面白くなってキタね!姉さん、ワザと負けても良いんじゃない(笑)」
カルーアもこの勝負が楽しくなってきた様だ。ニタニタと見守っている
「もう!カルーアまでぇ!?」
意外な事から、2人は腕相撲で対決する事になってしまった。勝負の行方は?果たしてアリスはヨシュアの彼女になるのだろうか?
続く
「お兄ちゃんの事を悪く言っちゃ駄目ぇ!」
「何だよ、お前はうるせえ奴だな!ばーっか!」
「何ですってぇ!!」
アリスとヨシュアは盛大に口喧嘩していた。クレアが止めに入ろうとするが、ヒートアップした2人は収まりが付かない
ズケズケ言うヨシュアと天然のアリスは、どうも馬が合わないようだ
「ガチャ!」その時、館の正面ドアが静かに開かれた
「ヨシュア……お客に対して何をしている!?(怒)」
「お、オヤジ!?」
ソコへ帰ってきたキウに問われるヨシュア
「彼らは客人だぞ?ヨシュア…お前は俺が招いた者たちを心良く対応する事も出来んのか?ああんっ!?」
パッと見は大人しそうな表情をしているキウだが、凄まじい威圧感をともなった眼光で息子のヨシュアを睨み付けていた
「い、いや、その…これは……」
「俺の息子がくだらん言い訳なんぞ、するなぁっ!!恥を知れっ!!!」
キウのあまりにデカい声量に、館の家具がビリビリと音を立てた。窓ガラスが割れるのでは?と思えるほどだった…室内に居る全員がキウの気迫に飲まれ言葉を失った
「言っておくがな、ドチラに非があるか?なんて事に俺は一切興味は無い!ヨシュアよ…」
「は、はい…」
「仮に彼女の方に非があったとしてだ…お前は誰だ?言ってみろ…お前は誰の子供だ?お前の親は誰だ?」
「それは…ザッド父様とキウ母様との息子です…」
キウ(魔王)の気迫に押されながらも、何とか返事をするヨシュアだが…彼の足は小刻みに震えている
「そうだヨシュア。お前の父親は元、とは言え【魔王】の俺だ。母親は、その妻だ……魔王の血を引くお前には威厳と尊厳と礼節がなければならん!
それを持てるように努力する事が出来んと言うのなら…俺たちの息子だと、2度と人前で言うんじゃないぞ……分かったか?」
「は、はい(汗)」
元魔王(ザッド)は、ただの恐ろしく強い魔王という訳ではなかった。父親としても芯のある子育てが出来る大人だった
「うむ。それでだ、相手に迷惑を掛けた場合は何と言うのだ?」
「あっ!すみませんでしたっ!」
元魔王(父親)に諭(さと)されたから。とは言え、アリスはヨシュアに謝罪をされた
「キウさん、もう良いですよ。アリスも、もう水に流してあげられるよな?」
「うん…少し腹が立ったけど…謝ってくれたから、許してあげるぅ」
「ほらほら、コレに懲りたら口の利き方には気を付けるんだよ?わーったかい?ヨシュア様?」
モニカはニヤニヤしながら、ヨシュアの頭をグワシX2と擦る様に撫でた。照れくさくて必死に抵抗しているヨシュア
「何だよ、止めろよ!モニカだって口悪いクセによお!」
「はん!私は相手によってちゃんと態度は使い分けてるつーの!」
「もぉ!お姉さんも悪いんですよ!気をつけてくださいね。ヨシュア様が真似しているんですよ!」
確かにモニカの口の悪さが、ヨシュアに悪影響を与えているのは間違いなさそうだ
「さて、モニカよ。腹が減った。飯の準備は終わっているか?」
「はい!もちろんですキウ様!…それにしてもミアナ様はどちらに行かれてるんですかね?」
「あの~その事で~お話があるのですが~」
エルデスから聞かされ、ようやく海賊の襲撃の件を知った全員
この集落から海岸線までは10km以上離れており、海岸線での海賊との戦闘は、この場ではエルデス以外は知らなかった
「父様!援軍に向かわなくて良いのですか?」
「ミアナが向かったのだ、大丈夫だろう?もしも、ヤバい事になれば何らかで知らせてくるハズだしな」
「それでは、ミアナ様達が戻るまで食事は待って頂いても宜しいでしょうか?」
「わたしは構わないよー、疲れすぎてて食欲が回復してないからねー…」
カルーアは【癒しの儀式】でかなり疲労した為、すぐに食事をするのは難しいようだ
「アリス。だったよな?待ってる間に俺と腕相撲でもしないか?」
「ふえっ!?」
「もぉ…ヨシュア様、やっぱりまだ根に持ってるんですね?」
「ば、馬鹿。クレアちげーよ!」
クレアに心の内を探られて、必死に否定しているヨシュア。テーブルにもたれる様に前のめりになっているカルーアが、横目で彼を見ながらポツリ。と呟いた
「ははぁん!どうやらヨシュア君さ、わたしの姉さんに気があるんじゃないのかい?(ニヤニヤ)」
「えっ!?そうなのぉ?」
ヨシュアが自分に気がある。と言われて顔を赤くするアリス
「馬鹿!ちげーよ、お前ナニ顔を赤くしてんだよ!キッチリ決着を付けておきたい。ってだけに決まってるだろ?」
妙に身体をバタつかせて、必死に否定するヨシュアの行動は、図星なのを何とか誤魔化そうとしている様にしか見えなかった
「ほう、ヨシュアはアリスちゃんみたいな娘が好みなのか?それは初耳だな…良い子だし俺は応援してやるぞ」
「父様まで!?違います!違うんだってばぁ!」
このやり取りを「面白い!」と思ったモニカが、2人の腕相撲対決を仕切って進行を始めた
「このテーブルなら頑丈だから良いんじゃないかな?構いませんよね、キウ様?」
「構わんが…せっかくだ。何か賭けて勝負したらどうだ?…そうだな、負けた方は相手の頼みをひとつ聞く。なんてのはどうだ?」
「流石キウ様!ソレ良いっすね!良し、その条件でやりましょ!」
「お姉さん、そんな勝手な…」
「良いよ、やろうよ!」
「お?言ったな?手加減してやんねーかんな!」
「アリス、ちなみに勝ったら何を命令するんだ?」
ヒイロに聞かれアリスは考え込んだ
「ん~ん~……そだっ!アタシの手下になってもらっちゃおうっと!」
「なっ!?ふざけんなよ!ソッチがその気なら、俺が勝ったらお前は…」
ヨシュアが似た様な条件を突き付けようとした時、悪ノリしたモニカが口を挟んだ!
「アリスちゃんにヨシュア様の彼女になってもらう!ってのはどうっすか?良いと思いません!?」
「はぁ!?モニカ、お前ナニ勝手な事を言って…」
突然のモニカの提案に、アリスもヨシュアも顔を赤くする
「そ、そうなのぉ?アタシを彼女にしたいんだぁ…うん。勝負しよっか…」
「だから違うって言ってんだろー!」
「良い提案だなモニカよ。ヨシュアが人に優しくなれないのは、異性と付き合った経験が無いからかもしれんな。良いなヨシュア、本気でやれよ!」
「父様までっ!?」
「あはは(笑)面白くなってキタね!姉さん、ワザと負けても良いんじゃない(笑)」
カルーアもこの勝負が楽しくなってきた様だ。ニタニタと見守っている
「もう!カルーアまでぇ!?」
意外な事から、2人は腕相撲で対決する事になってしまった。勝負の行方は?果たしてアリスはヨシュアの彼女になるのだろうか?
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