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化け物たちとの遭遇編
魔王の息子とキス!?
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【キウの館】
広々とした部屋の中央のダイニングで1番固い材質のテーブルを選び、アリスとヨシュアが腕相撲を始めようとしていた。とは言え、元魔王が住んでいる家なので全ての家具は、見た目以上に頑丈な物ばかりが揃えられてはいる
「それじゃあ、宜しくねぇ」
「おぅ!負けても泣くんじゃねーぞ!」
向かい合った2人は、それぞれが左手でテーブルの縁を掴み、右手を組み合って腕相撲開始の体勢に入ろうとしたた時…
(んっ!?何だコイツ…モニカやクレアと違う…少し甘い匂いがする…)
「……ュア!ヨシュア!」
「あっ!?はい、すみません!」
アリスから香ってきた甘い匂いが気になっていたヨシュアは、父親の言葉に気が付くのが遅れた
「良いか?俺が審判をする。2人とも腕相撲とはいえ、互いのチカラを出し切るのだぞ!手加減などは相手を侮辱するだけだからな」
「もっちろんだよぉ!」
「コッチのセリフだぜ!」
2人のヤル気を確認した元魔王(ザッド)は、更に真剣な顔を魅せて言葉を続けた
「良いかヨシュア?お前にその時が来るか?は分からないが…魔王の立場になれば、どれだけ好きな女が居ても複数人の女を傍に置かねばならん。もし、アリスちゃんが彼女になったのならば、満足させられる男になる様に精一杯愛するのだぞ!」
「えっ?愛するの?…アタシの事を?」
「分かりましたけど…少し気が早いですよ…」
もしアリスがヨシュアの彼女になったのなら、真剣な付き合いをしろ!と事前に釘を刺されたヨシュア。その言葉に顔を真っ赤にして照れているアリス
「それでは、用意……始めっ!」
「えいっ!」
「ふんっ!」
お互いが同時にチカラを込めた!
「ぐにゅにゅ…」
ヨシュアの方が年下ではあるが、男の子だからか?魔王の息子だからか?開始早々アリスは押し込まれ始めた
(良し、これなら勝てるぜ!)
ヨシュアが勝利を確信した時だった
「待て!…アリスちゃんよ、なぜ持てるチカラの全てを出し切らない?」
「ふえっ!?そんな事は…」
「なんだ!?手を抜いてたって言うのかよ?」
元魔王(ザ)に「全力を出せ」と言われたアリスだが、本人は何のことか分かっていない
「姉さん、ヴォイド化だよ。獣人族のチカラも使わなきゃ全力とは言えないよ」
純粋無垢なアリスは、戦闘以外でそのチカラを使う。という発想自体が無かったので、獣人族(ヴォイド)化の能力(チカラ)に気が付けなかったようだ
「ほう!お前、獣人族なのかよ。もちろん使えよな。俺は何もしてなくたって、魔王の息子なんだからよ」
これはこれで、ヨシュアなりに遠慮するな!という意味なのだが付き合いが浅いので、アリスの遠慮と捉えたようだ
「WRYYYYYY!!」
「おおっ!初めて見るけど…なるほどな。スピードもパワーもアップしたみたいだな。けどな、その程度じゃ負けてやれねーな!」
ヨシュアの目の前で、身体がひと回り大きくなったアリス。2つ年下のヨシュアより体格的には、かなり有利になった様に見える
「それでは改めて…試合開始!」
「ガシッ!!」
今度は2人の腕は動かなかった。やはり魔王の血筋は伊達ではない様だ。体格的に負けていても互角の勝負になっていた
それから数分お互いに揺さぶりを掛けたりしていたが、どちらかに大きく傾かなかった
「ふうぅ…はあぁ…」
「くんぬおぉぉ…」
アリスもその身体で何度も激戦を切り抜けてきただけあって、ヨシュアの揺さぶりに対応していた…やがて汗をかき始めた2人
(んあっ!?まただ。また、この女の甘い香りが鼻に入って来やがる…くそー、この俺ががが…)
一瞬アリスの甘い香りに、チカラが緩んだヨシュアが劣勢に立たされた
「行けるよ姉さん!そのまま押し込んで、生意気なソイツを姉さんの手下にしちゃえ!」
「うにゅにゅにゅにゅー!」
一気に勝負をかけるアリス
「誰が手下になんか!負けるかぁっ!!」
やはり魔王の血筋の底力か?本気になったヨシュアの身体から魔王の闘気(オーラ)の様なものが噴出されると、不利な体勢から盛り返してきた
「うああぁぁ…」
今度はアリスの方が不利な体勢に…
「ミシィ…」
2人のチカラのぶつかり合いが強過ぎるのか?テーブルは耐久の限界を迎えつつある
「アリス!ここを凌ぐんだ!」
「まだだよ姉さん!諦めないで!」
白熱した戦いにエールを送るヒイロとカルーア
「ヨシュア様、ここまできて負けんじゃねーぞ!」
「ヨシュア様。もうひと押しです」
お互いが身内から声援を受け、最後のチカラを振り絞った
「バキィッ!!!」
遂に2人のパワーに耐えきれなくなったテーブルが、ほぼ中央から真っ二つに割れた!
「きゃあぁ!」
「うおっ!?」
押されてたアリスが下敷きになり、優勢だったヨシュアが上に被さる様に、2人まとめて倒れ込んだ。向き合ったまま重なり合った2人
「あっ!?」その場の一同
周りで見ていた者は、ヨシュアが強引にアリスの唇を奪った形に見えた。すぐさま起き上がるヨシュア
「ち、ち、ち、ちげーぞ!こ、これは事故だからな…不慮の事故なんだからなぁー!」
同様したヨシュアは、叫びながら2階の自室へ逃げる様に走り去って行った
「あ、あ、あ…アタシ…」
「全くアイツは仕方のない奴だ…アリスちゃん。済まなかった。息子に変わってお詫びする。ワザとではないのだろうが、許してやってくれないか?」
「姉さん、面白がってごめんよ。その、大丈夫だったかい?」
こんな大勢が見守る中で押し倒されてしまった純粋なアリスは、唇を手で押さえながら顔を真っ赤にして起き上がった
「あっ!後でヨシュア様に初めてのKissの味は如何(いかが)だったか?聞いてみようかな?ワクワク!」
「クレア…あの様子じゃ、たぶん答えてくれないと思うけど?」
普段は大人しいクレアも、男女の色恋沙汰には目が無いようだ
「ガチャ!」その時、玄関の扉が開きミアナがサーシャとコハラコを連れて帰って来た
「ミアナ只今戻りました…キウ様。例の海賊団が現れていたので撃退しておきました。と言っても活躍したのはコハラコちゃんですけど…おや!?どうされたのですか?アリスちゃん。顔が真っ赤ですよ?」
海賊団を追い払った後、サーシャとともに負傷したマーマン、ケンタロスの戦士達の治療を終えようやく帰って来たミアナ達は当然、アリスとヨシュアの腕相撲対決のことは知らなかった
「ヨシュア様ー、皆さんお揃いになりましたよ。食事にしますから降りて来てください!」
「待て!待ってくれ!もう少ししたら降りて行くから!少し待ってくれぇ!」
クレアに呼ばれるも、まだ顔の熱が引かないヨシュアはしばらく降りて来れなかったw
続く
広々とした部屋の中央のダイニングで1番固い材質のテーブルを選び、アリスとヨシュアが腕相撲を始めようとしていた。とは言え、元魔王が住んでいる家なので全ての家具は、見た目以上に頑丈な物ばかりが揃えられてはいる
「それじゃあ、宜しくねぇ」
「おぅ!負けても泣くんじゃねーぞ!」
向かい合った2人は、それぞれが左手でテーブルの縁を掴み、右手を組み合って腕相撲開始の体勢に入ろうとしたた時…
(んっ!?何だコイツ…モニカやクレアと違う…少し甘い匂いがする…)
「……ュア!ヨシュア!」
「あっ!?はい、すみません!」
アリスから香ってきた甘い匂いが気になっていたヨシュアは、父親の言葉に気が付くのが遅れた
「良いか?俺が審判をする。2人とも腕相撲とはいえ、互いのチカラを出し切るのだぞ!手加減などは相手を侮辱するだけだからな」
「もっちろんだよぉ!」
「コッチのセリフだぜ!」
2人のヤル気を確認した元魔王(ザッド)は、更に真剣な顔を魅せて言葉を続けた
「良いかヨシュア?お前にその時が来るか?は分からないが…魔王の立場になれば、どれだけ好きな女が居ても複数人の女を傍に置かねばならん。もし、アリスちゃんが彼女になったのならば、満足させられる男になる様に精一杯愛するのだぞ!」
「えっ?愛するの?…アタシの事を?」
「分かりましたけど…少し気が早いですよ…」
もしアリスがヨシュアの彼女になったのなら、真剣な付き合いをしろ!と事前に釘を刺されたヨシュア。その言葉に顔を真っ赤にして照れているアリス
「それでは、用意……始めっ!」
「えいっ!」
「ふんっ!」
お互いが同時にチカラを込めた!
「ぐにゅにゅ…」
ヨシュアの方が年下ではあるが、男の子だからか?魔王の息子だからか?開始早々アリスは押し込まれ始めた
(良し、これなら勝てるぜ!)
ヨシュアが勝利を確信した時だった
「待て!…アリスちゃんよ、なぜ持てるチカラの全てを出し切らない?」
「ふえっ!?そんな事は…」
「なんだ!?手を抜いてたって言うのかよ?」
元魔王(ザ)に「全力を出せ」と言われたアリスだが、本人は何のことか分かっていない
「姉さん、ヴォイド化だよ。獣人族のチカラも使わなきゃ全力とは言えないよ」
純粋無垢なアリスは、戦闘以外でそのチカラを使う。という発想自体が無かったので、獣人族(ヴォイド)化の能力(チカラ)に気が付けなかったようだ
「ほう!お前、獣人族なのかよ。もちろん使えよな。俺は何もしてなくたって、魔王の息子なんだからよ」
これはこれで、ヨシュアなりに遠慮するな!という意味なのだが付き合いが浅いので、アリスの遠慮と捉えたようだ
「WRYYYYYY!!」
「おおっ!初めて見るけど…なるほどな。スピードもパワーもアップしたみたいだな。けどな、その程度じゃ負けてやれねーな!」
ヨシュアの目の前で、身体がひと回り大きくなったアリス。2つ年下のヨシュアより体格的には、かなり有利になった様に見える
「それでは改めて…試合開始!」
「ガシッ!!」
今度は2人の腕は動かなかった。やはり魔王の血筋は伊達ではない様だ。体格的に負けていても互角の勝負になっていた
それから数分お互いに揺さぶりを掛けたりしていたが、どちらかに大きく傾かなかった
「ふうぅ…はあぁ…」
「くんぬおぉぉ…」
アリスもその身体で何度も激戦を切り抜けてきただけあって、ヨシュアの揺さぶりに対応していた…やがて汗をかき始めた2人
(んあっ!?まただ。また、この女の甘い香りが鼻に入って来やがる…くそー、この俺ががが…)
一瞬アリスの甘い香りに、チカラが緩んだヨシュアが劣勢に立たされた
「行けるよ姉さん!そのまま押し込んで、生意気なソイツを姉さんの手下にしちゃえ!」
「うにゅにゅにゅにゅー!」
一気に勝負をかけるアリス
「誰が手下になんか!負けるかぁっ!!」
やはり魔王の血筋の底力か?本気になったヨシュアの身体から魔王の闘気(オーラ)の様なものが噴出されると、不利な体勢から盛り返してきた
「うああぁぁ…」
今度はアリスの方が不利な体勢に…
「ミシィ…」
2人のチカラのぶつかり合いが強過ぎるのか?テーブルは耐久の限界を迎えつつある
「アリス!ここを凌ぐんだ!」
「まだだよ姉さん!諦めないで!」
白熱した戦いにエールを送るヒイロとカルーア
「ヨシュア様、ここまできて負けんじゃねーぞ!」
「ヨシュア様。もうひと押しです」
お互いが身内から声援を受け、最後のチカラを振り絞った
「バキィッ!!!」
遂に2人のパワーに耐えきれなくなったテーブルが、ほぼ中央から真っ二つに割れた!
「きゃあぁ!」
「うおっ!?」
押されてたアリスが下敷きになり、優勢だったヨシュアが上に被さる様に、2人まとめて倒れ込んだ。向き合ったまま重なり合った2人
「あっ!?」その場の一同
周りで見ていた者は、ヨシュアが強引にアリスの唇を奪った形に見えた。すぐさま起き上がるヨシュア
「ち、ち、ち、ちげーぞ!こ、これは事故だからな…不慮の事故なんだからなぁー!」
同様したヨシュアは、叫びながら2階の自室へ逃げる様に走り去って行った
「あ、あ、あ…アタシ…」
「全くアイツは仕方のない奴だ…アリスちゃん。済まなかった。息子に変わってお詫びする。ワザとではないのだろうが、許してやってくれないか?」
「姉さん、面白がってごめんよ。その、大丈夫だったかい?」
こんな大勢が見守る中で押し倒されてしまった純粋なアリスは、唇を手で押さえながら顔を真っ赤にして起き上がった
「あっ!後でヨシュア様に初めてのKissの味は如何(いかが)だったか?聞いてみようかな?ワクワク!」
「クレア…あの様子じゃ、たぶん答えてくれないと思うけど?」
普段は大人しいクレアも、男女の色恋沙汰には目が無いようだ
「ガチャ!」その時、玄関の扉が開きミアナがサーシャとコハラコを連れて帰って来た
「ミアナ只今戻りました…キウ様。例の海賊団が現れていたので撃退しておきました。と言っても活躍したのはコハラコちゃんですけど…おや!?どうされたのですか?アリスちゃん。顔が真っ赤ですよ?」
海賊団を追い払った後、サーシャとともに負傷したマーマン、ケンタロスの戦士達の治療を終えようやく帰って来たミアナ達は当然、アリスとヨシュアの腕相撲対決のことは知らなかった
「ヨシュア様ー、皆さんお揃いになりましたよ。食事にしますから降りて来てください!」
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