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化け物たちとの遭遇編
勝敗の行方
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【復活の遺跡】
彼等が戦っている場所はフュールが目覚め次期魔王が生まれた場所なので、後々そう呼ばれる事になるのだが…間もなく2人の戦いは終わりを迎えようとしている
ヨシュアの猛攻を防ぎ切ったエリエスは、荒くなった息を整え精霊剣ロマーニャに精神波で話し掛ける
(ロマーニャ、次に斬撃を入れる時にチカラを貸して!エクスカリバーとはいえ、ただ斬っただけでは彼には切り傷しか付けられないの)
「解ったわエリエス。全力を出します」
エリエスは精霊ロマーニャと精神波で打ち合わせしていた。その様子を見ていたヨシュアは、エリエスの口は動いていなかったが何かを相談しているのを読み取っていた
「何ぶつくさ言ってんだ、随分と余裕じゃねぇか!」
「ダンっ!」間合いを詰めたヨシュアが、お互いの剣を重ねた時、魔の黒い波動を脚にまとわせエリエスの影を踏み付けた!
「えっ!?身体が動かない!?」
ヨシュアは魔の呪術まで用いてエリエスの動きを止めた!重ねている剣をチカラで押し込んでエリエスの体勢を崩すと、5メートル程後方に飛び上級レベルの魔法弾を10数発エリエスに叩き込んだ!
ソレは1発でもヒイロくらいなら致命傷になりかねない威力の攻撃だ。いくら武闘会を優勝した彼女であっても、流石に致命傷だと判断したミアナは手を上げる
「勝負あり!そこま…」
止めようとした時、魔法弾が起こした爆発の煙が内側から吹き飛ばされた!
「ウオアアアアアアっ!」
煙の中からエリエスが飛び出してきて、ヨシュアとの間合いを詰めエクスカリバーを振りかぶった!
「はあぁぁ!【天破豪塵斬(テンハゴウジンザン)】!!」
AIチップを脳内に埋め込んでいるエリエスは、前回アリスに敗北を刻まれた彼女の業(ワザ)を既にある程度、自分のモノにしていた
「ストーップ!!そこまでですよ!」
「ガキイィィン!!」エクスカリバーが炸裂する手前で、エリエスは剣に込めたロマーニャの精霊力をしまい込んだ
「はぁはぁ…負けてしまいましたか…」
エクスカリバーをソードでガードしているヨシュア。彼を見下ろすエリエスの瞳は、人に在らざる殺人マシーンの様な目をしていた
【ヒイロの工房】
「WOWWOW!!」
「ハイラ!…ごめんねぇ、帰ってきてたのにバタバタしててぇ…」
工房に帰るとミルが狼(ハイラ)に食事を与えようと馬房のドアを開けた瞬間、ハイラはアリスに猛ダッシュして飛び込んできた
「使い魔がいるのかよ」
「使い魔じゃないよぉ、ハイラは家族だよぉ」
ハイラを使い魔と言ったヨシュアに、プンスカするアリス
ミルがオヤツの用意をしてくれていた。2人の対決を見守った全員でひと息入れた
「ヨシュア様~勝てて良かったですね~」
「おい!カモフラージュの「君」呼びはやめたのかよ?」
「だって~エリエスさんってば~普通の人では無いでしょうから~訳さえ話せば~隠す必要も無いと思いまして~」
エルデスはヨシュアの身分を隠す為、村の外では彼を「君」呼びしているのだが、エリエスはもちろんアルバート家のミルにも身分を明かしても良いと判断したようだ
「にしてもよ……納得イカねぇな」
「私は別に構いませんわ」
「最後に放とうとした技、アレはヤバい感じがしたぞ!あの勝負は俺の勝ちとは言えねぇよな!」
「なら引き分けって事で良いじゃないですか?……さて、それでは私はそろそろ村に帰るとします」
ヨシュアを諌(いさ)めたミアナが、帰宅しようと立ち上がった
「晩御飯だけでも食べていかれたらどうですか?ミルのご飯は美味しいですよ?」
「うん…頑張るから…食べて…欲しい…です…」
人見知りしているミルも、控え目にミアナを呼び止めようとしたが…
「ユニコーンは縄張りの外に居るとストレスが溜まるんです。それに、モニカは私の分の食事も作って待っている。と出掛け際に言ってくれましたので」
「そうなんだぁ…みんなに宜しくねぇ」
「コハラコ、また遊びに行くから!」
去ろうとするミアナに声を掛けたアリスとコハラコ
「帰ったら伝えておきますね」
そう言いながら手を振り、ミアナは工房を出て村へと帰って行った
「ミアナさんは帰ったけど…おっぱいデカエルフのエルデスさんは、帰らなくて良いのかい?」
自分より年下ながらも、自分より遥かにたわわなエルデスに少し棘のある言い方をするカルーア
「私は~ヨシュア様の~保護者ですから~」
ダボダボのシャツ1枚しか着ていないエルデスは、明らかに長い袖をユラユラ振りながら答えた
「そうですわ!ヨシュア君だったよね?先程の勝負、引き分けと言うなら今夜は私がアリスお姉様と一緒に寝させてもらいますね?」
「な、なんでそうなるんだよ?」
「ヒイロさんが戻られたので、私は明日おじい様達の元に帰ります。なので今夜くらいはお姉さまと寝させてもらいます!」
「ぐぬぬ…仕方ねーな…」
「ヨシュア様~お布団はお譲りして~お風呂を一緒させてもらえば~良いじゃないですか~」
「ちょっと!?」
「お前ナニ言ってんの!?」
「ええっ!?ヨシュア君と一緒にぃ!?」
エルデスの突拍子も無い提案に、同様に慌てるエリエスとヨシュア
「はぁ…何かアタシに決定する権利は無いんだねぇw」
「良いじゃないか、モテモテなんだからさ(笑)」
完全に2人に決められているアリス。カルーアの突っ込みの通りアリスがモテモテなのは間違いなかった
「ヒイロさん、工房をお借りしても良いですか?エクスカリバーを打ち直しておきたいんです」
「構いませんよ。そうだ!ヨシュア君のソード良かったら、打ち直しておこうか?」
エリエスは連戦したエクスカリバーを補修しておこうと、工房を貸して欲しい。と言ってきた
許可したヒイロは、そのついでにヨシュアのソードを打ち直そうか?と提案する
「してくれんのは有難いけどよ…海賊達が襲って来る理由でもあるんだけどさ、このソードは名前もねえ【ブルージュ村】でだけ採れるレアな鉱石で作ってもらってるんだ。それでも出来るのか?」
「やれるだけでも、やっておこう」
「そうか…」
ヒイロの好意に対し、ぶっきらぼうな返答をしたヨシュアに、肘をグイグイ押し込むエルデス
「ヨシュア様~こういう時は~ちゃんとお礼を言うものですよ~」
「そ、そうだな…宜しくお願いします」
照れくさそうに頭を下げるヨシュア
「あぁ!ヨシュア君、可愛いぃ!」
「可愛い言うんじゃねぇ!」
アリスに「可愛い」と言われ照れるヨシュアだった
続く
彼等が戦っている場所はフュールが目覚め次期魔王が生まれた場所なので、後々そう呼ばれる事になるのだが…間もなく2人の戦いは終わりを迎えようとしている
ヨシュアの猛攻を防ぎ切ったエリエスは、荒くなった息を整え精霊剣ロマーニャに精神波で話し掛ける
(ロマーニャ、次に斬撃を入れる時にチカラを貸して!エクスカリバーとはいえ、ただ斬っただけでは彼には切り傷しか付けられないの)
「解ったわエリエス。全力を出します」
エリエスは精霊ロマーニャと精神波で打ち合わせしていた。その様子を見ていたヨシュアは、エリエスの口は動いていなかったが何かを相談しているのを読み取っていた
「何ぶつくさ言ってんだ、随分と余裕じゃねぇか!」
「ダンっ!」間合いを詰めたヨシュアが、お互いの剣を重ねた時、魔の黒い波動を脚にまとわせエリエスの影を踏み付けた!
「えっ!?身体が動かない!?」
ヨシュアは魔の呪術まで用いてエリエスの動きを止めた!重ねている剣をチカラで押し込んでエリエスの体勢を崩すと、5メートル程後方に飛び上級レベルの魔法弾を10数発エリエスに叩き込んだ!
ソレは1発でもヒイロくらいなら致命傷になりかねない威力の攻撃だ。いくら武闘会を優勝した彼女であっても、流石に致命傷だと判断したミアナは手を上げる
「勝負あり!そこま…」
止めようとした時、魔法弾が起こした爆発の煙が内側から吹き飛ばされた!
「ウオアアアアアアっ!」
煙の中からエリエスが飛び出してきて、ヨシュアとの間合いを詰めエクスカリバーを振りかぶった!
「はあぁぁ!【天破豪塵斬(テンハゴウジンザン)】!!」
AIチップを脳内に埋め込んでいるエリエスは、前回アリスに敗北を刻まれた彼女の業(ワザ)を既にある程度、自分のモノにしていた
「ストーップ!!そこまでですよ!」
「ガキイィィン!!」エクスカリバーが炸裂する手前で、エリエスは剣に込めたロマーニャの精霊力をしまい込んだ
「はぁはぁ…負けてしまいましたか…」
エクスカリバーをソードでガードしているヨシュア。彼を見下ろすエリエスの瞳は、人に在らざる殺人マシーンの様な目をしていた
【ヒイロの工房】
「WOWWOW!!」
「ハイラ!…ごめんねぇ、帰ってきてたのにバタバタしててぇ…」
工房に帰るとミルが狼(ハイラ)に食事を与えようと馬房のドアを開けた瞬間、ハイラはアリスに猛ダッシュして飛び込んできた
「使い魔がいるのかよ」
「使い魔じゃないよぉ、ハイラは家族だよぉ」
ハイラを使い魔と言ったヨシュアに、プンスカするアリス
ミルがオヤツの用意をしてくれていた。2人の対決を見守った全員でひと息入れた
「ヨシュア様~勝てて良かったですね~」
「おい!カモフラージュの「君」呼びはやめたのかよ?」
「だって~エリエスさんってば~普通の人では無いでしょうから~訳さえ話せば~隠す必要も無いと思いまして~」
エルデスはヨシュアの身分を隠す為、村の外では彼を「君」呼びしているのだが、エリエスはもちろんアルバート家のミルにも身分を明かしても良いと判断したようだ
「にしてもよ……納得イカねぇな」
「私は別に構いませんわ」
「最後に放とうとした技、アレはヤバい感じがしたぞ!あの勝負は俺の勝ちとは言えねぇよな!」
「なら引き分けって事で良いじゃないですか?……さて、それでは私はそろそろ村に帰るとします」
ヨシュアを諌(いさ)めたミアナが、帰宅しようと立ち上がった
「晩御飯だけでも食べていかれたらどうですか?ミルのご飯は美味しいですよ?」
「うん…頑張るから…食べて…欲しい…です…」
人見知りしているミルも、控え目にミアナを呼び止めようとしたが…
「ユニコーンは縄張りの外に居るとストレスが溜まるんです。それに、モニカは私の分の食事も作って待っている。と出掛け際に言ってくれましたので」
「そうなんだぁ…みんなに宜しくねぇ」
「コハラコ、また遊びに行くから!」
去ろうとするミアナに声を掛けたアリスとコハラコ
「帰ったら伝えておきますね」
そう言いながら手を振り、ミアナは工房を出て村へと帰って行った
「ミアナさんは帰ったけど…おっぱいデカエルフのエルデスさんは、帰らなくて良いのかい?」
自分より年下ながらも、自分より遥かにたわわなエルデスに少し棘のある言い方をするカルーア
「私は~ヨシュア様の~保護者ですから~」
ダボダボのシャツ1枚しか着ていないエルデスは、明らかに長い袖をユラユラ振りながら答えた
「そうですわ!ヨシュア君だったよね?先程の勝負、引き分けと言うなら今夜は私がアリスお姉様と一緒に寝させてもらいますね?」
「な、なんでそうなるんだよ?」
「ヒイロさんが戻られたので、私は明日おじい様達の元に帰ります。なので今夜くらいはお姉さまと寝させてもらいます!」
「ぐぬぬ…仕方ねーな…」
「ヨシュア様~お布団はお譲りして~お風呂を一緒させてもらえば~良いじゃないですか~」
「ちょっと!?」
「お前ナニ言ってんの!?」
「ええっ!?ヨシュア君と一緒にぃ!?」
エルデスの突拍子も無い提案に、同様に慌てるエリエスとヨシュア
「はぁ…何かアタシに決定する権利は無いんだねぇw」
「良いじゃないか、モテモテなんだからさ(笑)」
完全に2人に決められているアリス。カルーアの突っ込みの通りアリスがモテモテなのは間違いなかった
「ヒイロさん、工房をお借りしても良いですか?エクスカリバーを打ち直しておきたいんです」
「構いませんよ。そうだ!ヨシュア君のソード良かったら、打ち直しておこうか?」
エリエスは連戦したエクスカリバーを補修しておこうと、工房を貸して欲しい。と言ってきた
許可したヒイロは、そのついでにヨシュアのソードを打ち直そうか?と提案する
「してくれんのは有難いけどよ…海賊達が襲って来る理由でもあるんだけどさ、このソードは名前もねえ【ブルージュ村】でだけ採れるレアな鉱石で作ってもらってるんだ。それでも出来るのか?」
「やれるだけでも、やっておこう」
「そうか…」
ヒイロの好意に対し、ぶっきらぼうな返答をしたヨシュアに、肘をグイグイ押し込むエルデス
「ヨシュア様~こういう時は~ちゃんとお礼を言うものですよ~」
「そ、そうだな…宜しくお願いします」
照れくさそうに頭を下げるヨシュア
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アリスに「可愛い」と言われ照れるヨシュアだった
続く
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