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化け物たちとの遭遇編
シェリーの咆哮
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【左翼部隊】
「嘘でしょ!?アイツら復活しそうだよ、お姉ちゃん!」
双子姉妹冒険者とガルダンが、アテナと協力して倒した10匹のシータイガーの内の7体が間もなく動き出そうとしていた
残りの3体はシャルルの炎魔法で全身を焼かれていたので、回復は出来ないようだ
「マジですか?…アテナ様は右翼に向かわれましたし…自分達だけでアイツらをもう1度…」
体力と防御力が自慢のガルダンも、あれだけ苦戦した相手をほぼ同じ数を相手にしなければならない事に恐怖を感じていた
(私の心が折れたら、左翼は全滅してしまう…何としても…)
「シャルル!弱気にならないで!後方部隊はエリエスちゃんが押し始めているわ!状況をひっくり返す為に私達が負ける訳にはイカないの!
私がアイツらを足留めしているから、貴方の魔法で焼きなさい!ガルダンはシャルルの護衛を!」
「分かったわっ!」
「張り切りますぞ!」
姉のシェリーは、このチームのリーダーだ。彼女が折れない限り他の2人も、まだ少し頑張れるようだ
【本陣】
「サーシャ魔法ママ!ママーっ!」
背面部を焼かれたサーシャは意識もなく、虫の息の状態だった。すがり付く様に泣いているコハラコ
「コイツは予想以上に素晴らしい存在だったようだ。一撃で逝かせてやるつもりだったが…見誤ったな。逆に悪いことをした」
ブラックドラゴンは、サーシャの能力を見誤ったようだ。とは言え、この階層の主の彼がサーシャ達を見逃してくれるハズもない
「ヨシュアぁ…どうしよぅ?どうしたら良いぃ…」
絶望的な窮地に立たされて、アリスはどうするべきか?答えも出せず、ヨシュアに質問するが…
(下にあるらしい装置も止められてねーし、それにカルーアがまだ見つからねー……この状況で逃げるべきか?エルデスの策は…準備が終わったか。さて…どうする?)
ヨシュアは物凄く悩んでいた。エルデスに仕込みをさせて逃げる準備はさせていたが、そのタイミングを測りかねていた
「父さんだったら、こんな時どうするんだ?ちくしょー!決められねー!」
あまりの状況に、ヨシュアも汗だくで悩んでいた時だった!
「ズゴゴゴォ……」
突然、地下から大きな音が響いてきた
「何の音だっ!?」
その時、左翼の川の中からカルーアが浮かび上がった!
「ぶはっ!…はぁ…はぁ…みんな!装置は止めてきたよ!」
「エルフっ娘!マジなの!?」
何とかしなければ!と、必死に戦っていたシャルルも、突然のカルーアの復帰と装置の停止を完了した!という報せに驚いた
「全員撤退するぞーっ!何が何でも脱出だあっ!!!」
ヨシュアが今までで1番大きな叫び声で、全員に撤退命令を下した
「やりおったか!しかし、我から逃げられると思うかっ!」
地響きを聞くや否や、途端に撤退に一転したヨシュア達を黙って逃がしてはくれないようだ
「エルデス、今だ!ヤレっ!」
「あまねく精霊よ~精霊神官エムデス・エルデスの名のもとに~黒き巨体を封じたまへ~」
ブラックドラゴンの目を盗んでエルデスがコソコソ施していた精霊術式が作動し、大地から光のツタが大量に伸び始めて、ブラックドラゴンの巨体を飲み込むように絡み付いた
「何だと!?こんな事が!」
「アリス!エルデスを担いで後方部隊と合流して脱出だっ!コハラコはサーシャを担げ!」
【右翼部隊】
「くっ…ボクはどうなったんだ?」
ミャンジャムの回復魔法でようやくアドルが目覚めたが、ナイスタイミングと言えた
「アドルよ!ミャンジャムと脱出するのじゃ!ワシはこの娘を担ぐからのぉ!」
アテナの指揮の元、右翼部隊も脱出に入った
【左翼部隊】
「カルーアちゃん、良くやってくれたわ!私達も脱出しましょう!」
「ですが!シータイガーどもが動き出しますぞ!」
ガルダンの言う通り、ほぼ回復を終えたシータイガー達が立ち上がろうとしていた
「お姉様はヤツらの足留めを!ワタクシがお姉様達を脱出させますから!」
また、姿無き者からカルーアに声が届く。しかし、その存在の協力で魔物の活性装置を止められた事で、カルーアはその意見を信用した
「任せておいてよ!【雷光暴龍(ジャムルテスラ)】」
カルーアは10数本の雷の龍を、シータイガーどもの頭上の天井にぶち込んだ!
「ギュアァァ!」
崩れ落ちてくる天井の岩盤が、復活しつつあったシータイガーの群れ目掛けて降り注いだ
「エルフっ娘、私達は脱出どうすんのよっ?」
「溺れないでよ!」
「へっ!?」
シャルルはなんの事か分からなかったが、その答えはすぐに身体で知ることになった
「親愛なる水よ!猛き奔流となりて彼らを押し流せっ!」
「カルーアさんの身体から別の声が!?」
ガルダンはカルーアの方からだが、口ではなく背中辺りから声が聞こえた気がした
すると!川の水が大量に真上に登ったかと思うと、双子姉妹やガルダン、カルーアごと、水が奔流となって入り口の方へ一気に押し流した
【後方部隊】
「良し野郎共!………いや、俺以外は女しか居ないか…良し女郎共!脱出するぜっ!」
ジュリアンは脱出のセリフに妙な気を効かせて、号令を発した!
「今はそんな細かい事は良いから!」
「脱出するぴょん!絶対ぴょん!」
「邪魔しないでよぉ!」
一目散に逃げに入るマリリンとペコラン、カナタンは自慢の怪力を活かし大きな岩を持ち上げると、双頭龍(ヒュドラ)に投げてぶつけた!
「ギョアァッ!」
「未完成だけど、アリスお姉様の必殺技よ!有り難く喰らいなさい!劣化版【天破豪塵斬(テンハゴウジンザン)!!】
エリエスは1度アリスから打ち込まれた、沖田流の奥義の一撃を見よう見まねで双頭龍(ヒュドラ)に叩き込んだ!
「脱出だぁっ!!」
何とか調査隊は目的を果たし、古代遺跡から生命からがら逃げ延びた
続く
「嘘でしょ!?アイツら復活しそうだよ、お姉ちゃん!」
双子姉妹冒険者とガルダンが、アテナと協力して倒した10匹のシータイガーの内の7体が間もなく動き出そうとしていた
残りの3体はシャルルの炎魔法で全身を焼かれていたので、回復は出来ないようだ
「マジですか?…アテナ様は右翼に向かわれましたし…自分達だけでアイツらをもう1度…」
体力と防御力が自慢のガルダンも、あれだけ苦戦した相手をほぼ同じ数を相手にしなければならない事に恐怖を感じていた
(私の心が折れたら、左翼は全滅してしまう…何としても…)
「シャルル!弱気にならないで!後方部隊はエリエスちゃんが押し始めているわ!状況をひっくり返す為に私達が負ける訳にはイカないの!
私がアイツらを足留めしているから、貴方の魔法で焼きなさい!ガルダンはシャルルの護衛を!」
「分かったわっ!」
「張り切りますぞ!」
姉のシェリーは、このチームのリーダーだ。彼女が折れない限り他の2人も、まだ少し頑張れるようだ
【本陣】
「サーシャ魔法ママ!ママーっ!」
背面部を焼かれたサーシャは意識もなく、虫の息の状態だった。すがり付く様に泣いているコハラコ
「コイツは予想以上に素晴らしい存在だったようだ。一撃で逝かせてやるつもりだったが…見誤ったな。逆に悪いことをした」
ブラックドラゴンは、サーシャの能力を見誤ったようだ。とは言え、この階層の主の彼がサーシャ達を見逃してくれるハズもない
「ヨシュアぁ…どうしよぅ?どうしたら良いぃ…」
絶望的な窮地に立たされて、アリスはどうするべきか?答えも出せず、ヨシュアに質問するが…
(下にあるらしい装置も止められてねーし、それにカルーアがまだ見つからねー……この状況で逃げるべきか?エルデスの策は…準備が終わったか。さて…どうする?)
ヨシュアは物凄く悩んでいた。エルデスに仕込みをさせて逃げる準備はさせていたが、そのタイミングを測りかねていた
「父さんだったら、こんな時どうするんだ?ちくしょー!決められねー!」
あまりの状況に、ヨシュアも汗だくで悩んでいた時だった!
「ズゴゴゴォ……」
突然、地下から大きな音が響いてきた
「何の音だっ!?」
その時、左翼の川の中からカルーアが浮かび上がった!
「ぶはっ!…はぁ…はぁ…みんな!装置は止めてきたよ!」
「エルフっ娘!マジなの!?」
何とかしなければ!と、必死に戦っていたシャルルも、突然のカルーアの復帰と装置の停止を完了した!という報せに驚いた
「全員撤退するぞーっ!何が何でも脱出だあっ!!!」
ヨシュアが今までで1番大きな叫び声で、全員に撤退命令を下した
「やりおったか!しかし、我から逃げられると思うかっ!」
地響きを聞くや否や、途端に撤退に一転したヨシュア達を黙って逃がしてはくれないようだ
「エルデス、今だ!ヤレっ!」
「あまねく精霊よ~精霊神官エムデス・エルデスの名のもとに~黒き巨体を封じたまへ~」
ブラックドラゴンの目を盗んでエルデスがコソコソ施していた精霊術式が作動し、大地から光のツタが大量に伸び始めて、ブラックドラゴンの巨体を飲み込むように絡み付いた
「何だと!?こんな事が!」
「アリス!エルデスを担いで後方部隊と合流して脱出だっ!コハラコはサーシャを担げ!」
【右翼部隊】
「くっ…ボクはどうなったんだ?」
ミャンジャムの回復魔法でようやくアドルが目覚めたが、ナイスタイミングと言えた
「アドルよ!ミャンジャムと脱出するのじゃ!ワシはこの娘を担ぐからのぉ!」
アテナの指揮の元、右翼部隊も脱出に入った
【左翼部隊】
「カルーアちゃん、良くやってくれたわ!私達も脱出しましょう!」
「ですが!シータイガーどもが動き出しますぞ!」
ガルダンの言う通り、ほぼ回復を終えたシータイガー達が立ち上がろうとしていた
「お姉様はヤツらの足留めを!ワタクシがお姉様達を脱出させますから!」
また、姿無き者からカルーアに声が届く。しかし、その存在の協力で魔物の活性装置を止められた事で、カルーアはその意見を信用した
「任せておいてよ!【雷光暴龍(ジャムルテスラ)】」
カルーアは10数本の雷の龍を、シータイガーどもの頭上の天井にぶち込んだ!
「ギュアァァ!」
崩れ落ちてくる天井の岩盤が、復活しつつあったシータイガーの群れ目掛けて降り注いだ
「エルフっ娘、私達は脱出どうすんのよっ?」
「溺れないでよ!」
「へっ!?」
シャルルはなんの事か分からなかったが、その答えはすぐに身体で知ることになった
「親愛なる水よ!猛き奔流となりて彼らを押し流せっ!」
「カルーアさんの身体から別の声が!?」
ガルダンはカルーアの方からだが、口ではなく背中辺りから声が聞こえた気がした
すると!川の水が大量に真上に登ったかと思うと、双子姉妹やガルダン、カルーアごと、水が奔流となって入り口の方へ一気に押し流した
【後方部隊】
「良し野郎共!………いや、俺以外は女しか居ないか…良し女郎共!脱出するぜっ!」
ジュリアンは脱出のセリフに妙な気を効かせて、号令を発した!
「今はそんな細かい事は良いから!」
「脱出するぴょん!絶対ぴょん!」
「邪魔しないでよぉ!」
一目散に逃げに入るマリリンとペコラン、カナタンは自慢の怪力を活かし大きな岩を持ち上げると、双頭龍(ヒュドラ)に投げてぶつけた!
「ギョアァッ!」
「未完成だけど、アリスお姉様の必殺技よ!有り難く喰らいなさい!劣化版【天破豪塵斬(テンハゴウジンザン)!!】
エリエスは1度アリスから打ち込まれた、沖田流の奥義の一撃を見よう見まねで双頭龍(ヒュドラ)に叩き込んだ!
「脱出だぁっ!!」
何とか調査隊は目的を果たし、古代遺跡から生命からがら逃げ延びた
続く
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