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第五章 絶体絶命!? 炎の地下遺跡

第30話 溶岩樹型風穴

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 まさか溶岩ダンジョンの攻略に、冬の格好で挑むことになるとは。

「マスター、こちらへ」

「コーキ、見つけたぞ!」

 ピオナとナップルの活躍により、さらに別の入口を発見した。しかし、今度は寒さにやられることとなった。ボク以外のメンバーが、寒さに耐えられない。
 寒さに強いボクでも、関節が凍った。パロンに直してもらうハメになるとはねぇ。
 防寒対策をして、挑むことに。
 どうも、この岩山はかつて火山だったらしい。
 火山が冷え固まって、このような岩だらけの山へと発展したようだ。

「このタイプの風穴は、溶岩樹型といいます」

 ボクの肩に乗っているピオナが、説明をしてくれた。
 飲み込まれた樹木が溶岩の中で集まって、空洞化した場所があるという。富士山にある、鳴沢氷穴が有名かな。とにかく、洞窟化した場所が存在していたのである。

「つまり、ここには昔、木があったってこと?」

 パロンの息が白い。

「そのようですね」

 噴火で樹木がなくなったために、ハゲ山になっちゃったわけか。
 狭い空気穴から終始風が抜けていくため、内部は摂氏三度しかない。
 また氷穴とは、空気が風穴の中で膨らんで冷えてできた、天然冷蔵庫だ。

「見てコーキ。氷の柱が、ズラーっと並んでいるよ」

「地下水がここで冷やされて、凍ったんだ」

 天井から溢れ出す地下水が、地面に滴って凍ったのだろう。

「壁は、壊して回らないほうがいいかな?」

 溶岩が溢れてきたら、大変だ。

「そうだね。気をつけていこう。ピオナ、モンスターの気配は?」

「氷穴を開けたわけですから、長年の眠りから覚めることでしょう」

 ピオナに言われて、パロンは身構える。

「……来ました!」

 先へ進むと、ピオナに肩を掴まれた。
 ゴースト系モンスターが、ワラワラと姿を表す。

「この街の先住民でしょうか? すごい数です」

「ゾンビやスケルトン系は、出てこないね?」

「すべて、火葬されてしまったのでしょう」

 なんか、納得できたよ。

「コーキの【セイントファイア】とまではいかないが、これでもくらえ!」

 大剣に火炎のエンチャントを施して、ヴェリシモさんが剣を振るう。

「この数はなんだ? 一体一体は弱いが、倒しても次々と!」

 うんざりしながら、ヴェリシモ王女はゴーストを処理していった。
 卒塔婆が欲しくなるくらいの数だ。

「作っちゃおう。バチが当たりそうだけど」

 即席で卒塔婆を開発して、ゴーストに喝を入れていく。座禅を見るお坊さんのように。

「喝! 喝!」

 なんだかダルマトーテムになった気分だよ! 彼らも鳴き声が「喝!」だからね。
 どうにか、敵の数を減らすことができた。

「でも、邪教系のゴーストなんだよね? 地下に本拠地でもあるのかな?」
「おそらくは」

  ゴーストをかいくぐった先に、地下遺跡の入り口らしき場所を発見した。

「遺跡が、沈んでいたのか」
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