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第五章 絶体絶命!? 炎の地下遺跡

第31話 地底に沈んだ遺跡

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 禍々しい扉を抜けて、遺跡の中へ。

「ねえコーキ、こっちは、マグマも冷気も影響受けていないね?」

「ホントだねパロン。ちゃんとマントルが、固まってるよ」

 マグマは、マントルが溶けた状態のことをいう。こちらのマントルは安定していた。しあkし、ヘタに攻撃しないほうがいいだろう。うかつに触れてマグマにダイブに、なりかねない。

「高度な文明があったようだが、滅びたようだな」

「クレキシュ峡谷からこちらまで、ハイレベルな文化があったんだよ」

「あんな遠い場所にまでだと?」

 ヴェリシモさんとパロンが、意見を交わす。

「たしかに土の材質が似ておる。本当に峡谷までつながっておるわい」

 地層を確認しながら、クコも同じ説にたどり着いたようだ。

「手を伸ばしすぎてしまい、神の怒りを買ったわけか」

「それが今になって、染み出してきたと?」

「うむ」

 泥に流されて、そのまま凍りついたかマグマに溶かされたか。あるいは両方だろう。

「うわ、すごいねこれは」

 祭壇らしき場所についた。壁に、赤黒い文字がびっしりと並んでいる。中央の紋章も赤かった。

「内容が、さっぱりだ。この世界の言語じゃないよ」

 何語かは、パロンですら解読できない。

「コーキのいた世界の文字とも、違う?」

「うん。読めないよ」

 ラテン語に似ているけど、文字の意味もおそらく違うだろう。何が起きるかわからない以上、変に読み上げるわけにもいかない。

「ヴェリシモさん、ダリエンツォの王族に伝わる勇者伝説とかは、ないんですか?」

「そうだな……うちは戦争で領地を広げた国じゃないからな。氷に覆われた領土だから、他国との交流もさして頻繁ではないのだ」

 ダリエンツォの発展は、ここかららしい。

「では、ダリエンツォが邪教と戦った歴史もないと?」

「そうなるな」

 この岩山も含めて、アプレンテス荒野はかなり広い。それなりの規模を持つ集落があっても、おかしくない。それが軒並み、消滅している。

 となると……。

「悪いやつらだった可能性が、非常に高いというわけですね?」

「自滅するくらいだからな。内乱があったか、自然の力に負けたか」

「アプレンテスには、先住民もいないみたいですし」

「良識者は、天空城を作って地上を見捨てたというウワサまである」

 まるでおとぎ話だ。ノアの箱舟じゃないんだから。

「とはいえ、毒持ちのイソギンチャクなど、凶悪な生物がこの地下に生息しているのは確かだ。駆除はせねば」

「はい……来ましたね!」

 言っているそばから、魔物が素早い動きで襲ってきた。濃い紫の大型トカゲで、見た目が毒々しい。

「バジリスク! それにしても巨大な!」

『わが神殿を荒らす不届き者よ。蠱毒に飲まれて朽ちよ!』

 天井から壁から、物々しい声が。
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