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1-2 新しいお友達ができました
第21話 依頼達成
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「薬草は、ショップに買い取ってもらうの?」
ボクの読みは違った。
なんとタダで譲ったのである。
「利益が出たら一割もらう」
「それで採算が取れるのかい?」
「今はいい。収益が安定したら、今までの作業分を引く」
薬局の作業員は訓練中なので、ロクなポーションが作れないのだとか。
上達するまで利益は出ないだろうと、チサちゃんは考えている。
「もっとマナのリソースを、山に注ぎ込むことも考えた。けど、修行中だから試行錯誤してもらった方がいい」
農地の場合、衣食住の食を、早急に安定させる必要があった。
薬局は、農家の時と違って緊急性がない。
「あると便利だね」程度の重要度だ。
「でも疫病が怖いから、早く上達してもらう必要はある」
薬局はまだまだ伸びるだろうと、チサちゃんは踏んでいるようである。
「やることはまだある。できるだけなんでも自給自足できれば」
服飾や武器などは、よその街で買っている状態だという。
鉱物の採掘など、まだ開発段階にすら言っていない事業が多い。
またギルドへ戻る。
「ヤクソウモドキが出たんですか!?」
チサちゃんからの報告を聞き、受付嬢がネコミミをピンと尖らせた。
「そんな厄介な魔物なんて、今まで湧かなかったのに」
エルフの冒険者がやられたと聞かされて、またも受付嬢の耳が戦慄して震える。
「それだけ強いんですか?」
「強くはないんです。けれど、魔法使いのような遠距離を攻撃できる冒険者じゃゃないと対処できなくて。つまり、面倒なんですよ」
高い養分を必要とするため、繁殖力自体は低い。
「あんな魔物は自然発生しない。おそらく、誰かが植えて増やした」
「我々に敵意を持った輩がいると?」
受付嬢の言葉に、チサちゃんは首を振った。
「そこまでは分からない。でも用心すべき」
「分かりました。すぐに討伐隊を派遣します!」
「もう全滅させた」
受付嬢が「にゃうっ」と驚く。
「本当ですか? まあ、チサ様ですからね。それでも一応、確認に向かわせます。ご報告ありがとうございました。報酬は上乗せしておきますね」
「いらない。調査部隊の報酬に回して」
「承知致しました。そのように手配します」
手続きの後、冒険前に作ったギルドカードを受付嬢に渡す。
「はい、ご依頼達成です。ありがとうございました。では、カードを更新してください」
カードは特殊な紙でできていて、破壊不可能の魔法が施されている。
「ダイキ・オサナイ様ですねー。ステータスは……はあ!?」
間の抜けた声を、受付嬢が出す。
ボクの読みは違った。
なんとタダで譲ったのである。
「利益が出たら一割もらう」
「それで採算が取れるのかい?」
「今はいい。収益が安定したら、今までの作業分を引く」
薬局の作業員は訓練中なので、ロクなポーションが作れないのだとか。
上達するまで利益は出ないだろうと、チサちゃんは考えている。
「もっとマナのリソースを、山に注ぎ込むことも考えた。けど、修行中だから試行錯誤してもらった方がいい」
農地の場合、衣食住の食を、早急に安定させる必要があった。
薬局は、農家の時と違って緊急性がない。
「あると便利だね」程度の重要度だ。
「でも疫病が怖いから、早く上達してもらう必要はある」
薬局はまだまだ伸びるだろうと、チサちゃんは踏んでいるようである。
「やることはまだある。できるだけなんでも自給自足できれば」
服飾や武器などは、よその街で買っている状態だという。
鉱物の採掘など、まだ開発段階にすら言っていない事業が多い。
またギルドへ戻る。
「ヤクソウモドキが出たんですか!?」
チサちゃんからの報告を聞き、受付嬢がネコミミをピンと尖らせた。
「そんな厄介な魔物なんて、今まで湧かなかったのに」
エルフの冒険者がやられたと聞かされて、またも受付嬢の耳が戦慄して震える。
「それだけ強いんですか?」
「強くはないんです。けれど、魔法使いのような遠距離を攻撃できる冒険者じゃゃないと対処できなくて。つまり、面倒なんですよ」
高い養分を必要とするため、繁殖力自体は低い。
「あんな魔物は自然発生しない。おそらく、誰かが植えて増やした」
「我々に敵意を持った輩がいると?」
受付嬢の言葉に、チサちゃんは首を振った。
「そこまでは分からない。でも用心すべき」
「分かりました。すぐに討伐隊を派遣します!」
「もう全滅させた」
受付嬢が「にゃうっ」と驚く。
「本当ですか? まあ、チサ様ですからね。それでも一応、確認に向かわせます。ご報告ありがとうございました。報酬は上乗せしておきますね」
「いらない。調査部隊の報酬に回して」
「承知致しました。そのように手配します」
手続きの後、冒険前に作ったギルドカードを受付嬢に渡す。
「はい、ご依頼達成です。ありがとうございました。では、カードを更新してください」
カードは特殊な紙でできていて、破壊不可能の魔法が施されている。
「ダイキ・オサナイ様ですねー。ステータスは……はあ!?」
間の抜けた声を、受付嬢が出す。
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