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1-3 ボクの知っている砂遊びと違う!

第31話 強襲、スフィンクス!

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 マミちゃんを乗せたまま、スフィンクスはドラゴンにのし掛かった。

 たやすくドラゴンは攻撃をよける。
 が、瞬時に迫った二度目の攻撃に対応できない。
 カウンターで炎のブレスを吐く。

 相手の動きを読んでいたかのように、スフィンクスはアッパーでドラゴンの口を塞ぐ。

 脳しんとうを起こしたのか、ドラゴンがふらついた。

「ギャアア!」
 スフィンクスに飛びかかられ、ドラゴンの翼がもがれる。

「戻れドラゴン」
 ドラゴンが引き返す。

「回復」
 領土に帰ってきたドラゴンを、チサちゃんのコマが治療する。

 一瞬で、ドラゴンの傷が消えた。

「相変わらず、チサのヒーリングはとんでもないわね。その玉座のおかげでしょ?」
「そっちのスフィンクスも、戦闘力三倍アップしている。それも玉座の力。お互い様」
「くー、これでもっと攻撃力が高いコマが大量にあればーっ!」

 贅沢な悩みだ。
 マミちゃんは、攻撃は最大の防御と思っているらしい。
 力の強いコマがいる陣地ばかりに、ケンカを売っているという。
 チサちゃんとは遊んでいる程度なのだとか。

 チサちゃんの魔法を浴びて、ドラゴンが元気を取り戻す。チサちゃんに迫ろうとしたスフィンクスを食い止めた。
 スフィンクスに向けて慎重に攻め込む。アッパーをかわして、マミちゃんに直接ブレスを吐いた。

 なんと、スフィンクスはマミちゃんを振り落とし、自らがブレスの餌食に。

 ドラゴンは勝った、と思っただろう。

 しかし瞬間、倒れていたのはドラゴンの方だった。
 スフィンクスが最後の力を振り絞り、カウンターでみぞおちに体当たりしたのだ。

 スフィンクスが、ドラゴンを退ける。
 勝ったとはいえ、相打ちだ。

 ドラゴンもスフィンクスも、同時に消滅する。

「おお、我ながら強い!」

 え、今、なんて言った?

「あの、我ながらとは? あれはスフィンクスですよね?」

「実は私、正体がスフィンクスでして」

 知らなかった。人間だけが玉座になるものだとばかり。

「え? じゃあ、その姿は?」
「人の形を取った方が、意思疎通が容易なので」
「玉座って、てっきり人間がなるものだとばかり」
「現地のモンスターでも、選ばれたら玉座になりますよ」

 そうだったのか。

 とはいえ、チサちゃんはもう後がなくなった。

「こちらも、直接本丸を狙う」
 意を決して、チサちゃんが宣言する。

「そうこなくっちゃ!」
 マミちゃんはうれしそうだ。

 チサちゃんはボクの方に向き直る。

「ダイキ手を貸して」
「いいよ。何をすればいい?」
「目をつむって念じるだけ。あとはこっちでやる」 
「分かった」


 ボクは両目を閉じた。
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