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1-3 ボクの知っている砂遊びと違う!

第33話 勝負あり!

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「ダイキさん、あなたもお友達が家に来たら、色んな遊びをなさいますでしょ?」

 魔王はストレスの発散さえできるならば、遊びの種類は問わないという。
 野球やサッカーで遊ぶ魔王もいるくらいだとか。

「おっしゃるっとおりですね! 納得しました」

 あくまでも遊び、と思っていいらしい。

 マミちゃんの拳を打つ速度も、格闘のプロ並みである。

 チサちゃんも負けていない。マミちゃんの一撃一撃を、魔法障壁で的確にガードしていた。

「どうしたの、チサ。いつもの勢いがないわ! 確かめながら戦っているみたいね!」
 拳を打ち込みながら、マミちゃんがチサちゃんに語りかける。

「ダイキは玉座としてはまだ成長途上。わたしたちの戦いを、よく見てもらうことが必要」

「見せプレイってコト? 上等じゃない。そんな余裕、いつまで続くかしら?」
 マミちゃんのパワーが、威力を増す。

 一撃を浴びせる度に、ガードするチサちゃんが吹っ飛んでいた。

 チサちゃんの顔に、余裕さが消える。

「さっさと、本気を出しなさいよ!」
 煽ってこそいるが、マミちゃんの表情に敵意は感じない。
 じゃれている印象を受けた。 

 チサちゃんが押されている。

 魔法攻撃主体のチサちゃんに対し、直接攻撃ならマミちゃんの方に分があった。

 チサちゃんには回復機能がある。だが、追いついていなかった。

 強い。

 チサちゃん、大丈夫かな。

 チサちゃんの体力ゲージは、あと数メモリ分しかない。
 一発いいものをもらったら終わりだ。

「これで果樹園はアタシのものね!」
 マミちゃんが、大技を繰り出す。
 軸足を中心に、蹴り足をプロペラのように回しだした。
 旋風脚だ。

「そうはいかない」

 一方チサちゃんは、火球を投げつけただけ。

「しょぼい攻撃ね。消し飛ばしてあげるわ!」

 マミちゃんは旋風脚で、火球をあっさり消し去る……はずだった。

「なんですって!?」

 炎が消えない。
 竜巻によって、マミちゃんの体に炎がまとわりつく。

「この炎は、ヒモ!」

 チサちゃんは、火球をヘビ状にして放っていた。

 マミちゃんの足にからまった火球が、竜巻状になってマミちゃんを襲う。

「きゃあああ!」
 あっという間に、マミちゃんの体力バーが削れた。

 目を回したマミちゃんが、ダウンする。


「勝負あり。お見事。チサ様の勝ちです」


 ケイスさんが、チサちゃんの勝ちを宣言した。


「やった」
 チサちゃんがバンザイする。

 でも、いつの間にあんな技を思いついたんだろう?

「戦闘終了。今から、元の場所に戻る」

「もう一回目をつむればいい?」
「うん」とチサちゃんが言った。
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