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1-5 自由研究は生産職スキルで乗り切れ!

第68話 琥珀花《コハクバナ》のダンジョン

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 薬草を数種類、舐めさせてもらう。

「ぐええええ!」

 どれも舌が拒絶するほど苦い。
 青汁のレベルを遥かに超えている。
 良薬口に苦しとは言うが、これは劇物だ。

「こっちは辛い!」
 チサちゃんが、口に手を当てて悶絶していた。
 香辛料にも使えるタイプの薬草を味見したのだろう。

 ボクも試す。

 うん、全然コクがない。
 香辛料ってもっと味わい深いんだけど、コレは噛んでも舐めても味を感じなかった。ただピリピリと辛いだけ。

 コショウなどと混ぜて味を付けて、ようやく口に入れられる程度だ。人間が飲んでいい物ではない。

「この味、どうにかなりませんか?」
「無理である」

 何百年も生きている天才エルフでも、さじを投げるレベルだった。
 そもそも薬草自体が、食用ではないのだとか。

「オレンジと混ぜるだけじゃダメ?」
「薬草では、苦みの方が勝つのである」

 ボクたちのポージュース作戦は、早くも暗礁に乗り上げた。
 もっと食用に適した材料を、仕入れる必要がある。

 ゼーゼマンが、「そうである」と、指を立てた。

 聞けば、チサちゃんが以前攻略した草原のダンジョンに、【琥珀花《コハクバナ》】という、甘い蜜を出す花が咲くらしい。

「琥珀色の蜜がとれることから、琥珀花という名前が付いたのである」

 薬草としての効果はもちろん、希少価値は高いという。

 しかし、それゆえに魔物も舐めに来る。
 強いモンスターが集まり、ダンジョンの危険度は年々増しているらしい。

「花の形状は、我しか知らない。我もついて行くのである。出かけるならギルドに連絡をしてほしいのである」

「ありがとう、ゼーゼマン。助かります」
「ともあれ、よかったね。チサちゃん」


 一旦冒険の準備をするために、帰宅する。
 セイさんが、なぜか真面目な顔で出迎えた。

「何かあった?」
「実は、チサ様が攻略なさった森のダンジョンに、再び魔物が現れました」
「どうして?」

 チサちゃんが聞くと、セイさんは一枚の紙を渡す。
 また課題が来たらしい。

 次から次へと、難題が降りかかる。

「やはり、森に新しいダンジョンができていたそうです」

 ギルドからも、森の調査依頼が来ていた。

「一度攻略したダンジョンに新たなモンスターが配置されるなどは、ありえません」

 では、普通じゃないことが起きている。

「おそらく、ロイリ・ス・ギル様の妨害工作かと」

 一刻も早く琥珀花を見つけないと、花の蜜がすべてモンスターに奪われてしまう。

 なら、挑むしかない。

「そうです。吉報もございますよ」
 オンコから連絡が来たのだ。

「ということは?」
「新しい装備、できた!」
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