69 / 302
1-5 自由研究は生産職スキルで乗り切れ!
第69話 幼剣《ようけん》 PP《プラム・プラント》
しおりを挟む
「よくきたね、二人とも」
オンコのお城に招かれた。ただし、今日は正門からは入らない。裏からお邪魔する。
工房は山の方にあると、オンコはいう。
「こっちだよ」
城を囲んでいる山の間を抜けていく。
山にある大きな小屋に、ボクたちは案内された。
ガンゴンと、けたたましい音が鳴り響く。
「おお、オンコ姫さま。わざわざいらしてくれたのですか」
一人のドワーフが、オンコに気づいて作業を止めた。
ドワーフたちの身体からは、汗が噴き出す。相当熱いのだ。
「頼んでいた武器は?」
「できてます! 今お持ちしますよ!」
大将らしきドワーフが、スコップを持ってくる。
「うわあ」
スコップが、見違えた。
龍のウロコを思わせる滑り止めの装飾が、長い柄に施されている。赤いドラゴンの口から、幅広い刃が飛び出していた。偃月刀ではなく、スコップなのは相変わらずだけど。
「名づけて、【幼剣《ようけん》 PP《プラム・プラント》】といいます! 元の素材が良かったので、腕のふるい甲斐がありましたよ。いやあ、いい仕事をした!」
誇らしげに、ドワーフ大将は語った。
日本語に訳すと「幼剣 梅鉢《うめばち》」か。まるで武家の家紋みたいな名前だね。
「アンデッドにも攻撃できる」
武器がこれだけすごいんだ。防具はもっと期待していいかも?
「お待たせしました。魔獣のレザーアーマーでございます」
ドワーフさんに手伝ってもらい、新たに作られた革鎧を着せてもらう。
外装はつなぎ目に金属板で補強されていて、すばらしい。
モコモコしていた見た目も、いかにも頑丈そうな質感に変化している。
濃いパープルの色彩も、見た目からして強そう。
これもう、最終装備でしょ。
見た目はクマの着ぐるみのままだけど。
かと思えば、ボクのヨロイにベルトが装着されていく。
「え、何コレ?」
ヨロイのお腹当たりに、奇妙な座席が取り付けられていた。
どこかで見たことがあるなと思ったら、あれだな。「ママチャリのカゴ側に取り付ける、赤ん坊用の腰掛け」じゃないか。
「待ってください! こんなの、オーダーしていませんよ?」
「チサ様が『やはり玉座に相応しい装備を』とご希望なされましたので。いかがでしょう」
いかがっていわれても。
チサちゃんが乗り込んで、耐久性を確かめる。ヨロイとイスを固定しているベルト類の器具を引っ張り、確認していた。
「座り心地はまあまあ。ベルトの強さも、これでいい」
「光栄にございます」
ドワーフさんは満足げである。
「魔獣の革が、こちらでも余っておりましたので、膝掛けにいたしました」
カンガルーみたいな見た目になったよ?
オンコのお城に招かれた。ただし、今日は正門からは入らない。裏からお邪魔する。
工房は山の方にあると、オンコはいう。
「こっちだよ」
城を囲んでいる山の間を抜けていく。
山にある大きな小屋に、ボクたちは案内された。
ガンゴンと、けたたましい音が鳴り響く。
「おお、オンコ姫さま。わざわざいらしてくれたのですか」
一人のドワーフが、オンコに気づいて作業を止めた。
ドワーフたちの身体からは、汗が噴き出す。相当熱いのだ。
「頼んでいた武器は?」
「できてます! 今お持ちしますよ!」
大将らしきドワーフが、スコップを持ってくる。
「うわあ」
スコップが、見違えた。
龍のウロコを思わせる滑り止めの装飾が、長い柄に施されている。赤いドラゴンの口から、幅広い刃が飛び出していた。偃月刀ではなく、スコップなのは相変わらずだけど。
「名づけて、【幼剣《ようけん》 PP《プラム・プラント》】といいます! 元の素材が良かったので、腕のふるい甲斐がありましたよ。いやあ、いい仕事をした!」
誇らしげに、ドワーフ大将は語った。
日本語に訳すと「幼剣 梅鉢《うめばち》」か。まるで武家の家紋みたいな名前だね。
「アンデッドにも攻撃できる」
武器がこれだけすごいんだ。防具はもっと期待していいかも?
「お待たせしました。魔獣のレザーアーマーでございます」
ドワーフさんに手伝ってもらい、新たに作られた革鎧を着せてもらう。
外装はつなぎ目に金属板で補強されていて、すばらしい。
モコモコしていた見た目も、いかにも頑丈そうな質感に変化している。
濃いパープルの色彩も、見た目からして強そう。
これもう、最終装備でしょ。
見た目はクマの着ぐるみのままだけど。
かと思えば、ボクのヨロイにベルトが装着されていく。
「え、何コレ?」
ヨロイのお腹当たりに、奇妙な座席が取り付けられていた。
どこかで見たことがあるなと思ったら、あれだな。「ママチャリのカゴ側に取り付ける、赤ん坊用の腰掛け」じゃないか。
「待ってください! こんなの、オーダーしていませんよ?」
「チサ様が『やはり玉座に相応しい装備を』とご希望なされましたので。いかがでしょう」
いかがっていわれても。
チサちゃんが乗り込んで、耐久性を確かめる。ヨロイとイスを固定しているベルト類の器具を引っ張り、確認していた。
「座り心地はまあまあ。ベルトの強さも、これでいい」
「光栄にございます」
ドワーフさんは満足げである。
「魔獣の革が、こちらでも余っておりましたので、膝掛けにいたしました」
カンガルーみたいな見た目になったよ?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
98
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる