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1-5 自由研究は生産職スキルで乗り切れ!

第69話 幼剣《ようけん》 PP《プラム・プラント》

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「よくきたね、二人とも」
 オンコのお城に招かれた。ただし、今日は正門からは入らない。裏からお邪魔する。

 工房は山の方にあると、オンコはいう。

「こっちだよ」

 城を囲んでいる山の間を抜けていく。


 山にある大きな小屋に、ボクたちは案内された。

 ガンゴンと、けたたましい音が鳴り響く。

「おお、オンコ姫さま。わざわざいらしてくれたのですか」

 一人のドワーフが、オンコに気づいて作業を止めた。

 ドワーフたちの身体からは、汗が噴き出す。相当熱いのだ。

「頼んでいた武器は?」

「できてます! 今お持ちしますよ!」
 大将らしきドワーフが、スコップを持ってくる。

「うわあ」

 スコップが、見違えた。
 龍のウロコを思わせる滑り止めの装飾が、長い柄に施されている。赤いドラゴンの口から、幅広い刃が飛び出していた。偃月刀ではなく、スコップなのは相変わらずだけど。


「名づけて、【幼剣《ようけん》 PP《プラム・プラント》】といいます! 元の素材が良かったので、腕のふるい甲斐がありましたよ。いやあ、いい仕事をした!」
 誇らしげに、ドワーフ大将は語った。

 日本語に訳すと「幼剣 梅鉢《うめばち》」か。まるで武家の家紋みたいな名前だね。

「アンデッドにも攻撃できる」

 武器がこれだけすごいんだ。防具はもっと期待していいかも?

「お待たせしました。魔獣のレザーアーマーでございます」
 ドワーフさんに手伝ってもらい、新たに作られた革鎧を着せてもらう。

 外装はつなぎ目に金属板で補強されていて、すばらしい。
 モコモコしていた見た目も、いかにも頑丈そうな質感に変化している。
 濃いパープルの色彩も、見た目からして強そう。

 これもう、最終装備でしょ。
 見た目はクマの着ぐるみのままだけど。

 かと思えば、ボクのヨロイにベルトが装着されていく。
「え、何コレ?」
 ヨロイのお腹当たりに、奇妙な座席が取り付けられていた。

 どこかで見たことがあるなと思ったら、あれだな。「ママチャリのカゴ側に取り付ける、赤ん坊用の腰掛け」じゃないか。

「待ってください! こんなの、オーダーしていませんよ?」
「チサ様が『やはり玉座に相応しい装備を』とご希望なされましたので。いかがでしょう」

 いかがっていわれても。


 チサちゃんが乗り込んで、耐久性を確かめる。ヨロイとイスを固定しているベルト類の器具を引っ張り、確認していた。

「座り心地はまあまあ。ベルトの強さも、これでいい」

「光栄にございます」
 ドワーフさんは満足げである。

「魔獣の革が、こちらでも余っておりましたので、膝掛けにいたしました」
 カンガルーみたいな見た目になったよ?
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