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2-2 おねショタ魔王と激突する。

膝枕の玉座

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 トシコさんも、ネウロータくんの腰辺りを撫でていた。

 なにも本気で拗ねているようではないらしい。あのやりとりは、じゃれているだけだ。家族特有のスキンシップだろう。玉座の方が立場が上、というわけでもない。

 あれだけの信頼関係があるのか。手強そうだ。



「こんな状態でごめんなさい。この体勢が玉座なの」
 オホホ、とトシコさんが笑った。

「ああ、いえ。お二人も、随分と仲が良さそうで」

 ネウロータくんが「いいもんか!」と怒鳴る。
 しかし、シッポをブンブンと振っているから、間違ってはいないみたい。

「ボクの方もごめんなさい。こう見えても玉座でして」

「知っているよ。強いんだって? そうは見えないけど」

 フン、とネウロータくんが横を向く。

「あ、そうだ。これをみなさんで。お近づきの印に」

 ボクはポージュースと、カボチャのクッキーをトシコさんに差し出す。

「今のニホンでは、『つまらないモノですが』とか言わないんだな?」

「ボクより上の世代でも言わないよ、たぶん」
 ネウロータくんの指摘に、ボクは返答する。

「まあ食べてやろう」

「待ちなさい。『いただきます』は?」
 ポージュースの瓶を開けたネウロータくんの手首を、トシコさんが掴んだ。

 文句を言いつつ、ネウロータくんは手を合わせる。

「はいはい。いただきまーす。んん!?」
 ジュースを飲んだ瞬間、ネウロータくんがビックリした顔に。

「どうしたの、おいしくなかったの?」

 違うよね。一瞬で飲み干しているから。

「全部飲んじゃったのね。クッキーもほとんどなくなって。そんなにおいしかった?」

「ま、まあまあだな!」

 虚勢を張っているのが、ボクにも分かった。

 トシコさんの方は、じっくりと味わっている。
「甘いのにサッパリしているわ。いくらでもいけちゃう。単純においしいだけじゃなくて、お二方の愛情を噛みしめている感じね。ごちそうさまでした」

「ありがとうございます」

 大変、気に入っていただけたようでうれしい。

「今度お越しになるときは、これらの品をまたぜひ。ネウロータさまも喜びますわ」

「ぼ、ぼくは欲しいなんて言ってないぞ! もらってやると言ってるんだ! トシコ姉さんも乗せられるんじゃないよ!」

 慌てて、ネウロータくんが訂正する。欲しいのが見え見えだ。

「それより勝負だ! 闘いに来たんだろ?」

 この魔界に来てはじめて、ボクたちは攻める側に立つ。

「勝負形式は、何がいいんだ?」
「そちらで決めていい」

 出向いた以上、こちらはアウェーだ。
 チサちゃんは、相手の要求を飲む姿勢に。
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