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2-2 おねショタ魔王と激突する。
白鯨イドの息子
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トシコさんとお料理対決をすることになった。
ボクは着ぐるみの上に、エプロンを羽織っている。
「料理は適当に決めていい。お腹空いてるからな」
「え、そんなカンタンに決めちゃっていいの? 海のカードがかかってるんだよ?」
勝負するからには、手を抜けない。日を改めて、ちゃんと準備をしてからの方がいと思う。
「そんくらいのリスクや覚悟でいいんだよ。いつ何時、誰の挑戦も受けるんだ。ぼくは」
男らしいな。一から一〇まで人任せだけど。
「結局戦うのはワタシなんだけど?」
「そうはいうけどトシコさん、ぼくが戦ったら、すぐ勝っちゃって面白くないだろ? 配下を信頼するのも、ぼくたち魔王の仕事だ!」
「それもそうね」
ふふふ、とトシコさんはほっこりと笑う。いいなあ、こんな関係も。
とはいえ、困ったぞ。ガッツリ挑戦するなら、こちらも準備する猶予は欲しかったんだけど。
改めてルールの確認を行う。
「お前らが勝ったら、海は譲る。その代わり負けたら、そうだなー。よし、家来になれ!」
うわあ、地味にイヤな条件だぞ。
「LOにしないだけ、まだマシだと思えよな!」
それはそうなんだけど。
「審査員は誰にしようか。ロイリや亜神なんて呼んでもなぁ」
自分の親を呼び捨てにしたよ、この子。
「あのー、仮にもご両親だよね? たしかに、亜神がちょっとアレなのは分かるよ。でも」
「はあ? ぼくの両親は別にいるんだけど?」
話が見えてこない。
「チサちゃんとマミちゃんは、ロイリさんから産まれたんだよね?」
「実は、ママから生まれたのはわたしだけ。マミは別の魔獣から産まれた」
チサちゃんの話だと、彼ら魔王にはそれぞれ親がいて、ロイリさんは自分の因子を母体にバラまいたに過ぎないのだという。
「そうそう。ぼくの両親は、白鯨イドなんだけど」
「どれくらい強いの?」
「ママに仕える四天王の一角。黒龍ルチャのライバル的存在」
チサちゃん曰く、白鯨イドは、ボクのスキル「黒龍拳」の生みの親である、黒龍ルチャと同レベルで凄いんだとか。
「ロイリ・ス・ギルの実子であるお前に言われても、イヤミにしか聞こえないけど」
チサちゃんに生まれを賞賛されても、ネウロータくんは素直に喜ばなかった。
とはいえ、審査員を誰にするか。
考えていると、珍客が。
「話は聞かせてもらったわ!」
「マミちゃん、ケイスさん!」
現れたのは、マミちゃんとケイスさんである。しかし、今日は二人だけではない。
「審査員を連れてきたわ! 出てらっしゃい!」
「わーい」
二人がひき連れているのは、大勢の子ども魔王たちだ。この間知り合った、羊魔王さんもいる。料理勝負なんだけど、給食の時間みたいになってきた。
ボクは着ぐるみの上に、エプロンを羽織っている。
「料理は適当に決めていい。お腹空いてるからな」
「え、そんなカンタンに決めちゃっていいの? 海のカードがかかってるんだよ?」
勝負するからには、手を抜けない。日を改めて、ちゃんと準備をしてからの方がいと思う。
「そんくらいのリスクや覚悟でいいんだよ。いつ何時、誰の挑戦も受けるんだ。ぼくは」
男らしいな。一から一〇まで人任せだけど。
「結局戦うのはワタシなんだけど?」
「そうはいうけどトシコさん、ぼくが戦ったら、すぐ勝っちゃって面白くないだろ? 配下を信頼するのも、ぼくたち魔王の仕事だ!」
「それもそうね」
ふふふ、とトシコさんはほっこりと笑う。いいなあ、こんな関係も。
とはいえ、困ったぞ。ガッツリ挑戦するなら、こちらも準備する猶予は欲しかったんだけど。
改めてルールの確認を行う。
「お前らが勝ったら、海は譲る。その代わり負けたら、そうだなー。よし、家来になれ!」
うわあ、地味にイヤな条件だぞ。
「LOにしないだけ、まだマシだと思えよな!」
それはそうなんだけど。
「審査員は誰にしようか。ロイリや亜神なんて呼んでもなぁ」
自分の親を呼び捨てにしたよ、この子。
「あのー、仮にもご両親だよね? たしかに、亜神がちょっとアレなのは分かるよ。でも」
「はあ? ぼくの両親は別にいるんだけど?」
話が見えてこない。
「チサちゃんとマミちゃんは、ロイリさんから産まれたんだよね?」
「実は、ママから生まれたのはわたしだけ。マミは別の魔獣から産まれた」
チサちゃんの話だと、彼ら魔王にはそれぞれ親がいて、ロイリさんは自分の因子を母体にバラまいたに過ぎないのだという。
「そうそう。ぼくの両親は、白鯨イドなんだけど」
「どれくらい強いの?」
「ママに仕える四天王の一角。黒龍ルチャのライバル的存在」
チサちゃん曰く、白鯨イドは、ボクのスキル「黒龍拳」の生みの親である、黒龍ルチャと同レベルで凄いんだとか。
「ロイリ・ス・ギルの実子であるお前に言われても、イヤミにしか聞こえないけど」
チサちゃんに生まれを賞賛されても、ネウロータくんは素直に喜ばなかった。
とはいえ、審査員を誰にするか。
考えていると、珍客が。
「話は聞かせてもらったわ!」
「マミちゃん、ケイスさん!」
現れたのは、マミちゃんとケイスさんである。しかし、今日は二人だけではない。
「審査員を連れてきたわ! 出てらっしゃい!」
「わーい」
二人がひき連れているのは、大勢の子ども魔王たちだ。この間知り合った、羊魔王さんもいる。料理勝負なんだけど、給食の時間みたいになってきた。
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