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2-2 おねショタ魔王と激突する。

濃厚な味わい 対 家庭料理

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 審査はマミちゃんの言葉通り、子どもたちにやってもらう。

 まずは、トシコさんとネウロータくんチームから。
 海藻のお味噌汁と、「アジのさんが焼き」だ。

 ネウロータくんはマグロのお刺身を振る舞う。

 ボクたちは、マグロの中落ちを優先的にもらった。通はココが一番美味しいって言うね。

「濃厚」
 チサちゃんが、お醤油をたっぷり付けて、マグロを味わう。

 いつもの赤身とは違う。かといってトロよりサッパリしていて。

「おいしいです、トシコさん」
「ありがとうございます」
「海のある地方の出身ですか?」
「そうね。チバの辺りと言っておこうかしら」

 あの辺りの料理は、おいしそうだ。

「でも、地元にはいい専門学校がなくって、上京したの」

 だけど、夢は破れてしまった。
 そこにネウロータくんが現れたという。

 トシコさんは、ネウロータくんの世話をするという、第二の人生を歩み出した。

「うーんまい!」
 ネウロータくんは、ちゃんとサザエの肝まで平らげている。
 
 チサちゃんがビール好きになるなら、ネウロータくんは焼酎が好きになりそうだね。

「メインは、タコのアヒージョです」
 ああもう、おいしいヤツだ。

「これも、濃厚」
 チサちゃんも、アヒージョの油をパンに吸わせて食べている。

 凝ったモノを作るなぁ。
 さすが女性だ。いたるところがきめ細かい。

「どれもこれも、お店で食べるような味ですね」
「そんな褒められてもー」
 デザートは、抹茶のかき氷だ。

「しまった。これでよかった。かき氷はシンプルイズベスト」

 そうだった。ボクたちにもオレンジという作物があったのに。
 チサちゃんの言うとおりだ。

 濃い味付けの最後に、あっさりしたかき氷なんて。バランスの組み立て方が絶妙だ。

「手強い。相手は海まで手に入れる実力者。やはり半端な相手ではない」
「そうだね。ボクたちも最後まで全力を尽くそう」
「大丈夫。わたしは、ダイキを信じる」

 いよいよ、ボクたちの料理を振る舞う番だ。

「エビグラタンです。おにぎりにはイワシの缶詰を使いました」


「うん。うまい。普通だな」
 ネウロータくんの評価はまあまあという感じ。

 でも、普通というフレーズは、やはり気になっていた。

「これが、カニクリームコロッケです」
 ネウロータくんの前に、クリームコロッケのお皿を置く。
 ボクの作ったクリームコロッケは、普通のモノより細長い。

「アハハ! それがカニクリームコロッケだって? カニカマしか使ってないじゃんか!」
 ボクたちが料理を出すと、ネウロータくんが豪快に嗤う。

 確かに、トシコさんたちの本格的な料理と違い、ボクたちが出すのは家庭料理オブ家庭料理だ。いわば、恥ずかしいくらいに定番である。



 だけど。


「食べてみてから、文句を言ってください」
 黙って、ボクは皿を差し出す。




「こんなの食べるまでも……ん!? うんま……!」
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