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2-2 おねショタ魔王と激突する。

友だちになろう

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「はあ?」
 ネウロータくんが眉間に皺を寄せた。


「家来なら、セイで事足りている。それより、もっとお友だちが欲しい。衝突するより、お互いに助け合える方が色々とお得。何より、ケンカするより楽しい」

 自身の理想を、チサちゃんは楽しげに語る。

 呆れた顔にながらネウロータくんはため息をつく。


「お前の魔王、変わってるな」


「チサちゃんは、こういう子なんだよ」
 
 誰とも争う気なんてない、優しい子なのだ。




 考え込むような姿勢を、ネウロータくんは取る。



「うーん。やだ!」
「どうして?」
「だって、ボクたち敵同士だぞ! ボクが出し抜くとか、考えないのかよ!?」
「出し抜かれるヤツが悪い」

 こういうとき、チサちゃんは異様なまでにドライだ。
 ずっと一緒にいるボクも、チサちゃんがストイックなのか天然なのか、分からないときがある。

 一つ分かるのは、チサちゃんがネウロータくんを信頼していると言うことだけ。

「チサ様の言うことも、一理あると思います」
 ひと言添えたのは、トシコさんだ。

「トシコさんまで、こいつらの肩を持つの!?」

「まあ聞いてよ。ダイキさん、私たちの世界って、インターネットってあるじゃない。そこって薄い関係性と、どす黒い悪意が同居しているわよね?」

 ボクも、トシコさんの考えにうなずく。


「悪意のある場所って、いつしか誰も来なくなって、流れがせき止められて淀んでいくわ。それこそ、ふこるツボで集められた蠱毒みたいに。だから、いがみ合うより助け合うという選択肢も悪くないと思うんだけど?」

「そこまでヒドいんですか? 魔王どうしの争いって」

「例えばの話よ。そうならないために、今のうちに手を打っておきましょ、ってこと」

「ネウロータくんは、悪意に染まらないよ」

 ボクは、きっぱりと言い切った。

「どうしてそう言える?」

「だって、本気でボクたちを潰すつもりなら、テレビゲームでガツンとやっつければよかった。それをしなかった」

 ぐぬぬ、とネウロータくんは唸る。
 
「ちっ、勝手にしろ!」


 ネウロータくんは、トシコさんの膝で眠ってしまう。



「というわけなので、お見送りできませんが」
 トシコさんが、苦笑いを浮かべた。


「いえいえお構いなく。ありがとうございました。美味しかったです」
「今日に限らず、またいらして。おいしいお料理を、お待ちしていますわ」




 ボクたちは、ネウロータくんの宮殿を後にする。


 ようやく、ボクたちは海のカードを手に入れた。


 とはいえ、これで勝ったわけではない。
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