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1-1 謎ジョブ「玉座」に再就職!?

第11話 スーパー風呂タイム

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 帰宅直後、セイさんが飛んでくる。
「あらまあ、泥だらけではありませんか。おまけに汗臭いですわ」

「すいません」
 ボクは頭をかく。

「お二方、お風呂入っちゃってください。ちょうどお湯が沸きましたので」

「はい。ありがとうございます」

 お風呂場まで案内してもらう。

 更衣室は別々だ。扉の枠が、青と赤に分かっている。

 チサちゃんは赤い枠の中へ。ボクは青い枠に向かう。

「男女別におフロがあるなんて、ぜいたくだなぁ」
 汚れ物をカゴに入れて、引き戸を開ける。

「温泉だ!」

 扉をあけると、そこは露天風呂だった。
 この世界には、温泉の文化があるのか。

 汚れを落とすために、洗い場へ。
 蛇口やシャワーはない。
 が、滝のように流れっぱなしの打たせ湯がある。

 オケは木製だ。
 木の板をくくった作りで、持ち手があるタイプである。
 昔ながらの。

 打たせ湯で軽く身体の泥を落とす、ひとまず、頭を洗おうかな。

「さすがにシャンプーはないよね。あれ、あった。これかな?」

 ボクは、緑色の液体が入ったビンを手に取った。
 少量を手に垂らして、頭に近づけていく。


「違う。それはひげ剃り用の薬品」


 液体を頭に付けようとした手首を、細く白い手が止めた。


「チチチチ、チサちゃん!?」



 チサちゃんが、ボクの手首を掴んでいる。
 バスタオル一枚という、心許ない姿で身体を隠していた。

 オケにボクの手を突っ込ませて、液体を洗い流す。
 
 チサちゃんはオケの湯を捨て、入れ替えた。

 ボクは空いている手でタオルを持ち、デリケートな部分を隠す。

「すいません、セイさん! セイさーん!」

「どうなさいましたか?」
 セイさんが、ボクたちの目の前にワープしてきた。

「うわあ!」
 慌てて飛び退く。
 またボクは内股になって身を隠す。ポロリは免れないと!

「大毅様、別に隠さなくても結構です。ワタクシ、成熟した男性に興味はございません。少年が好みですので」

 この人、さりげなく性癖ポロリしたぞ!

「おフロって普通、男女が別なのでは?」
「何をおっしゃいます。お二人ご一緒に入っていただきます」

「え?」

 とんでもないことを言い出したぞ。

「待ってください。混浴ですか?」

「申し上げたとおり、魔王と玉座は一蓮托生にございます。いつ何時も、側に仕えていただく必要がありまして」

「だからって」
「さすがに、お手洗いまでは別ですよ」

 そりゃそうだよ! 今日分かったし。

「どうか、お気になさらず。チサ様も、あなたとのご入浴はお嫌ではありませんし」

 イヤじゃないならいいけど。

「では、お二方のお時間を邪魔したくありませんので、ワタクシはこれにて」
 セイさんは、またワープしてしまう。
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