上 下
158 / 302
2-4 街作りミッション。回転寿司屋さんを建てよう。

ゴッコ(魚)

しおりを挟む
「ネウロータくんは、何かお店を作ってるの?」
「オ、スシ? とか作っているそうよ!」

 やはり、ネウロータくんもお寿司か。

「エドマエズジとか言っていたわ!」


 なるほど、トシコさんが関東出身だから、江戸前寿司にしたのか。
 回転寿司にしたボクたちとは、発想が違う。
 娯楽施設という観点ではなく、あくまで向こうは本格的に味を追求していくようだ。

「ウチの流しそうめんも食べていったのよ! まあまあ、って感想しかもらえなかったけど!」

 まあ、そうめんだけじゃ物足りないだろうね。

「流れてくるそうめん、楽しい」
「でしょ? きっとチサなら、この楽しさを理解してくれると思っていたわ!」

 大親友に認められて、マミちゃんも鼻が高そうだ。

「そうそう。あいつらヌシを釣り上げたのよ!」

 え? ヌシって海を既に持っている人もやるの?


「ネウロータくんの標的は、山のカードじゃんか。山のヌシって、トナカイさんだよね?」

 ボクたちも、山のヌシさんには会ったことがある。

「そうよ! でも、ヌシ釣りのイベントは共通なの!」

 てっきり、別イベントが用意されているのかと。


「なんでもね。一メートルの『ゴッコ』を釣ったのよ!」
「え、一メートルってすごいね!」

 ヌシの正体って、ゴッコだったんだ。
 そういえば、ヌシ様の顔もゴッコに似ていたような。
 大型でも六〇センチなのに、一メートルって。


 さすが異世界だなぁ。


「ゴッコって?」
「北海道産で採れる魚だよ。全身プリプリの、ゼラチン体質なんだ」

 ボクが説明すると、チサちゃんが目を輝かせた。

「スライムみたいな感じ?」
「イメージ的に言うと、そうかな?」

 まあ、スライムほどベタベタじゃないだろうけど。 

「大変、美味でした。実に濃厚で。マミ様も、おいしくいただいておりました」

「でもあいつ、変なの! 『ハズレだ!』とかいって怒ってたし。あんなおいしいお魚を釣ってハズレはないでしょ!」

 マミちゃんが、プンプンとむくれた。
 美味しいモノに敬意を払わないネウロータくんに怒っているみたい。

 でも、「ハズレ」って、どういう意味だろう?

「まあまあ。本来ゴッコって冬の魚だし」

 一二月から、産卵期が始まるんだって。

「鮮度も大事だから、お寿司屋さんで出したら即完売したそうよ! あなたたちに分けるゴッコがなくなっちゃったんだって! 残念がっていたわ!」

「構わない。お客の方を優先してくれれば。音ロータの判断は正しい」

「優しいのね、チサは! 今度会ったら、直接言ってあげてね!」

 ボクたちも張り切って、頑張ろう。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

男は歪んだ計画のままに可愛がられる

BL / 完結 24h.ポイント:340pt お気に入り:11

リーンカーネーション 小学4年に戻ったおれ

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:56

呪われた第四学寮

ホラー / 完結 24h.ポイント:1,704pt お気に入り:0

傾国の王子

BL / 完結 24h.ポイント:560pt お気に入り:12

二番煎じな俺を殴りたいんだが、手を貸してくれ

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:518pt お気に入り:0

ここはあなたの家ではありません

恋愛 / 完結 24h.ポイント:32,028pt お気に入り:2,006

潰れた瞳で僕を見ろ

BL / 完結 24h.ポイント:120pt お気に入り:21

ある工作員の些細な失敗

大衆娯楽 / 完結 24h.ポイント:1,902pt お気に入り:0

パスコリの庭

BL / 完結 24h.ポイント:85pt お気に入り:27

処理中です...